キリトはマルタの質問に頭をかきながら答えた 「マルタがレインメーカーを作動したってあたりをつけてここに来たんだよ、雨が強く降るように黒い濃い雲ができるんだよ。んで中止ではない延期、、」 バツの悪そうに答える「復刻もう迷わない虹にたどり着け!っていう本が今修理中で、ないと道に迷って厳しい旅になりそうだから」 「、、、その、、マルタが怪我とかしたら嫌だからさ」
キリトはやっぱりすごい。 なんでわかったんだろう。私がここにいるって。 マルタはいつも通り不思議そうな表情になっている。 『もしかして、このレインメーカーに場所がわかるものとかついてるの??』 不思議そうにマルタはレインメーカーを手に取り、見てみた。でも、装置らしきものは見当たらない。 『怪しい装置はついていなさそうね。おかしいなぁ〜』 レインメーカーのチェックが終わって、もう一つの不思議がやってきた。 『あ、そういえば、キリト、旅は中止っていってた。 なんでだろう。
「あー、やっぱりマルタだ。おーい濡れるぞ、傘あるぞー」 キリト言う 「あのなぁ、、、」 言いたいことはあったがレインメーカーを取りに行かせたのは自分の非であると思い直し、言わなかった。 それに加えてガイドブックが手に入らなかった段取りの悪さに、あぁとため息を漏らしてしまう。 曇天の雲を仰ぎ見ると不安の色がにじみ出ている。 生来の悲観的な若葉である自分に降り注ぐ雨は滋養の、そして隣にいる子は慈愛を 与える存在と良い思考に持っていくすべはまだ会得には時間がかかりそうだ。。。 「
キリトの思った通りマルタのレインメーカーが作動中だ。 「あーぁー。またやっちゃった。降らせるつもりはないのに。。だってこんなにふわふわなんだもん。 キリトにおひさま出すのも作ってってお願いしてみよ。 あっ!キリトだ!キリトーーーー!!!」 マルタは図書館にちょっとだけ行きたい気持ちだった。 図書館の本の匂いが恋しい。 本をめくるたびに香るあの匂いを嗅ぐたびに ちょっと賢くなった気がする。 でもマルタは静かにしていないといけない あの図書館の雰囲気はキライだ。 しーーって
今必要なんだけどな、残念 キリトは落胆した。 しかし旅を延期させるとマルタが残念がるかも、そう思うと、ガイドブックなしでも行くべきなのか。でも迷子になっても困るしなぁ。 考えながら図書館を出ると、空には変な雲がかかっている。 「あれ、マルタ大丈夫なんかな?レインメーカー作動してるじゃん」 図書館の傘を借りて変な雲の方に向かった。
入り口開けると 我が家の匂いがする。この木の香りが落ち着く。 マルタは木の中に住んでいるのだ。 全部で4着ある洋服のポケットを全部漁ってみた。 4着目のズボンの右のポケットだった。 くしゃくしゃに丸めた レインメーカーが出てきた。 「あったーーーー!!!!!」 マルタは叫んだ。 マルタの声が木の中でこだまする。 星の形の模様がついた 虹色のレインメーカー。 くしゃくしゃにしても破れない柔らかい素材でできている。どちらかというとふわふわだ。 だからこそ、ポケットに入れ
自律式のレインメーカーでは心細いので、自走式のブレインメーカーにする。 この判断はよし! 意気揚々と図書館に行く 図書館は本がたくさんある所、人類の叡智を感じる。 キリトは本の匂いが好きである。 端的な語調が好きである。 自分も読めば必殺技のように例文として自らもいざってときに使えるから!と思っている。 リフレッシュしにきたわけではない 虹の道の回廊は複雑で迷わないようにガイドブックを借りにきたのだ。 その名も、「復刻もう迷わない虹にたどり着け!」 しかし
「うん。いいよ。オッケ〜! マルタもお家に行って、レインメーカー持ってくる!」 マルタは家に帰る途中、レインメーカーの記憶を辿った。でもさっぱり思い出せない。 『家に着いたらまず、全部のお洋服のポケットみてみよう!たぶんあるよ!うん、きっとある!』 マルタは、そう自分を励ましながらスタスタ家に向かった。
「オッケー、じゃあそれ改造してブレインメーカーにしといて」 「その間にちょっと図書館いってくるわー、オッケー?」 キリト言う
マルタはハッとした。 レインメーカーの存在をすっかり忘れてしまっていたのだ。 「レインメーカー?お家にあるよ。」 マルタは口を動かしながら、 必死で頭を動かした。 ーどこに置いたっけ? んーーー思い出せ!ワタシ。 あ!!!! 小さく丸めていつもポケットに入れてたから、 お洗濯しちゃったかもしれない。 今日のお洋服には??? マルタは慌ててポケットの中を探ったが、ポケットには何も入っていない。 キリトは見ていないけど 見てる。キリトにはたくさんの目があるのを マルタ
マルタには愛嬌がある。 最強だ。 でも今ではないんだー とキリトは思いながら黙々と手を引く 噂でしか聞いたことのない 虹の道を踏破したい そんな野望もかすかにあるが ふと一塵の風が吹く するとどうだ邪念をさらっていくかのように 隣にいるマルタだけが残っている 「そうだ、、俺たちは旅するんだよな、一緒に行くんだよな、悪かった、楽しくいこう」 とキリト言う 続けて 「マルタ?前貸したレインメーカーどこにあんの?」
キリトがマルタの手を取って歩き始めた。 マルタの頭の中の不思議が、はじまる。 「にじのみち!?なにいろなの?」 「それってどこにあるの?どのくらい歩く?」 「ねぇ、キリト?」 キリトは何も言わずにマルタの手を引いて 歩いている 「ねぇ、、キリト? キリト、、、今日のキリトはなんか変だよー。 どうしたの?キリト?」
「弔う、だよマルタ、ちょいとボーっとしててすまなかった、敬意をもって土にかえすんだ」 時期も関係するのかカエルの合唱がきこえる かーえーるーのーうーたーがー きーこーえーてーくーるーよー げろくわげろくわ でろでろでろでろくわっくわっくわ 「ふふ、讃美歌って騒々しいものなのかもね。」 そう僕らには 普通の景色 普通の匂い 普通の感性はあるのは間違いない どこにだっている どこにだっている境遇さ 土を掘れば汚れ 立ち上がればまたすぐに歩ける、 「マルタ!いこう!虹の道
「キリ、ト、、??どうして泣いてるの?」 マルタは不思議そうな顔でキリトを見た。 泣いているキリトを見ながらも 頭の中に生まれてくるマルタの不思議は止まらない。 「キリト?ト、ム、、、ってだれ?」
「マルタ、アマガエル、トムラウ」 キリトはカタコトに話した。 心の内では解剖学の権威でも何でもない自分から、その命の器に関心がよっている事を恥じた。 不道徳を説くにはやって見せればいい。 キリトがやってみたかったのはアマガエルに爆竹でも入れて爆ぜた!光景なのか憧憬なのか、、、 憧れることそれは儚くもあり雲散霧消の如く薄くのびていくのだ 「マルタ、、アマガエル、、トムラ、、ウヨ」 なんか悔しくて泣いた 泣いていいのは月の日だけだよ 泣いてもいいのは満月の夜だけ なんてまたリ
「キリトーーーー!!!」 マルタは色んなことが苦手で、 自分の心の【No】に素直に生きているこども。 それを全部受け入れてくれるキリトがマルタは大好きだ。 いつもサッと助け舟出してくれるキリト。 マルタ自身は頼っている気は全くないのだけれど、 結果いつもキリトが解決してくれる。 「キリトーー!!ねぇ、見て!」 キリトに差し伸べたマルタの手には、 ついさっき踏み潰されたのだろうか、 はらわたが飛び出た綺麗な黄緑色の ツヤのあるアマガエルが乗っている。