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【一緒に勉強】文章力を高めよう・第二講⑤

こんばんは、如月伊澄です。
梅雨時は、なかなか文章を書く手も動きませんね。頭も回らないし。
1週間ぶりになりますが、続きをみていきましょう。

参考文献はこちら


【論理展開について②】

【主張だけでは意味がない】

さて、ここまで「主張」の大切さについて論じてきたが、主張だけがどんなに立派でも、意味がないということもまた事実である。

主張を「理にかなったもの」にするためには「理由」が必要となり、さらに「事実」が必要になる。
前回見てきた、「主張」という大マトリョーシカの中にある、中マトリョーシカ「理由」と小マトリョーシカ「事実」のことである。

それでは例文を引用して、主張→理由→事実の必要性を感じていただこう。

大相撲の人気回復策として、ナイター制の導入を提案したい。なぜなら、プロ野球もナイター制をとっている。

古賀史健(著)20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社 e-SHINSHO)2012 p.101

察しのいい人であれば、言いたいことはわかるかもしれない。
これが会話であれば、聞き手は質問をすることで主張を捉えることができるが、文章ではそうもいかない。

会話と違って文章相手では「わかりにくかったから質問する、深掘りする」ということができない。そういう意味でも、しっかりとした論理展開を行い、読者を混乱させないことが大切となる。

さて、なぜ上記の文章はわかりづらいのか?
その訳は「理由が抜けているから」である。

「ナイター制を導入すべき」が主張、「プロ野球もナイター制をとっている」が事実。この二つを繋ぐ理由がないため、読者の納得感を得ることができない。

大相撲の人気回復策として、ナイター制の導入を提案したい。(主張)なぜなら、平日の昼間に取組を行っても、会場に足を運べるファンはかぎられるからだ。(理由)事実、プロ野球も平日開催のゲームはナイター制をとっている。(事実)

古賀史健(著)20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社 e-SHINSHO)2012 p.101

先の文章に、理由が追加されたものである。
理由の抜けた文章に比べ、納得感があるものになっているだろう。

ちなみに、主張と理由だけでも文章は作れるが、根拠となるものがないので詰めの甘い文章になってしまう。
一応の主張は成り立つが、信頼性は低いものとなってしまうだろう。

また3点が揃っていれば、順番は文章の中で入れ替えてしまってもよい。

また、実例を見ていこう。

このところ、若い世代の大相撲人気が急落している(事実)。そこで大相撲の人気回復策として、ナイター制の導入を提案したい(主張)。なぜなら、平日の昼間に取組を行っても、仕事や学校のある世代は会場に足を運べないからだ(理由)。

古賀史健(著)20歳の自分に受けさせたい文章講義 (星海社 e-SHINSHO)2012 p.102

まとめとして

①文章の中に「主張」「理由」「事実」は揃っているか
②その3つは全て連動しているか

を、文章を書くとき意識していかなければならない。

【第二講のおわりに】

参考文献はもう少しだけ構成の話が続くが、この記事で触れるのはここまでとさせていただく。

残りは「自分なりの構成方法を見つける、構成を可視化する」話。
関心がある方は、ぜひ参考文献を手に取ってみて欲しい。

【考えたこと】

第二講で学習してきたことは、これまでどこかで習ってきた、文章を書く上で必要とされてきたことですが、いざ普段書いている文章にそれが活かされているかというと、そうでもないような気がしています。

学習を進めれば進めるほどに、いかに自分がこれまで手癖で文章を書いてきたのか、読者に向けた文章ではなく、自分のための文章を書いてきたのかを突きつけられていて。

一度学び直したからと言って、すぐにできるようになるわけではないですが、一つ一つ学んだことを意識づけていきたいところ。


次回、番外編「リアリティ」のお話。




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