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発達障害者は、独特の歩き方をする。

1995年7月。国語の授業で、夏をテーマにした俳句を書くことになった。
担任の先生は、数々のお手本となる作品を見せて、これらの作品を参考に俳句を書きなさいと指示した。
そして、書いた俳句は1人1人が作品を読み上げ発表した。
しかし、皆お手本となる作品を少しアレンジした程度の俳句だった。
けれど、俺は、お手本なんて一切見ずに適当に俳句を書いた。
そして、その俳句を読み上げて発表したら、クラスメイト全員が爆笑に包まれた。
それもそのはず、俺が書いた俳句は「クーラーもむなしく動く苦しい夜」と言うものだった。

ウケ狙いで適当に俳句を書いたら、案の定クラスメイト全員を笑わすことができた。
ちなみに今回書いた俳句は、俳句コンクールに応募するそうだ。

数ヶ月後。昼休みに校庭で遊んでいると、担任の先生が突然現れ「福ちゃん入選!」と声をかけてきた。
なんでも例の俳句コンクールで俺の俳句が入選したそうだ。
しかも6学年で俺だけ。他に5学年で2人、4学年で4人、1学年で1人の合計8人が入選した。
ちなみに、先生がちゃん付けで呼ぶのは俺だけ。
何の診断もされていないけれど、数々の異常行動から、何らかの障害を抱えていると判断され、養護されていた。

数日後、例の俳句コンクールの表彰が全校集会の時に行われた。
そして、教頭先生が俺の名前を呼んだので、先生のもとに歩いていった。
その時だ。事件は起こった。なぜか全校生徒が一斉に笑い出した。
俺は、何で全校生徒が一斉に笑ったのか分からなかった。

しかし、その謎が数年後に解けた。
ある日、高校の同級生2人(U君とJ君)と街に遊びに行った。
それで、街を歩いていると、後ろから大きな声で喋っているおじさんが、隣を通り過ぎていった。
1人で喋っていて、ビデオテープを早送りしたような歩き方をしていた。
なので、何らかの障害を持っている人だと分かった。

しかし、直後に同級生の1人(U君)がとんでもない発言をした。

「あっ、あの人、福山と同じ歩き方している」

俺は、生まれて始めて自分の歩き方がオ○シイことに気付いた。
そして、俳句コンクールの表彰の時、全校生徒が一斉に笑い始めた原因はこれなんだと分かった。

2004年4月。野口整体と呼ばれる整体操法を受けると、この歩き方を改善できると発見する。

発達障害者は、独特な歩き方をする。
これを発見した俺△

オラに力(お金)を分けてくれ~。