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転職先は「心が豊かになる」と直感した地域×テックのスタートアップ。大手商社、楽天を経て30人のチームで未来を育む

経済修士号を取得し、大手商社、楽天と大企業を経たあと、30人のスタートアップ企業へ。そのきっかけは、鎌倉への移住がきっかけだったという「つながるDX」事業統括・伊佐治さんへのインタビューです。その稀有な経歴や、キッチハイクを通して見据えている未来について伺いました。

関係人口育成からスムーズな移住につなげる
SaaS「つながるDX」

ーまずは、伊佐治さんがキッチハイクで携わっている「つながるDX」について教えてください。

「つながるDX」は、自治体に向けた、地域に関わる人々との関係性を育み、未来につなげるオールインワンシステムです。自治体には、ふるさと納税寄付者、移住問い合わせ者、地域ファンクラブ会員、イベント参加者など、多様な形で地域と接点をもつ人々のデータが保有されているのですが、そのデータがバラバラになりがちなんです。それを一元管理できるのが、「つながるDX」です。導入することで、不明瞭になりがちなデータをデジタルで見える化・一元管理し、効果最大化と効果検証の簡易化、業務効率化を提供できるようになっています。

そして、なんといっても僕自身が何より移住をスムーズにできるサービスが欲しいというモチベーションで開発に取り組んでいます。
例えば、移住を考えた時に、今の住まいである鎌倉で家を買っちゃったけれど、どうしようか。妻の仕事は、どうするのか。実際にその地域に行かないとわからないし、短期で生活をしてみる必要があるのかもしれない。
ただ、そのためにはお金もかかるし、家を見つけるなら宅建業に問い合わせ、仕事もさらに別の専門業者で見つけなければいけない。移住したいと思っても、こうしたボトルネックが結構あります。そうなると、移住はハードルが高くて、そう簡単には踏み切ることができないというものになってしまう。そうならないために、これらをワンストップでやってくれるコンシェルジュみたいなのがあるといいと思っているんです。「家はここで売って、買ってください、仕事はこちらです」といった形で。そんなシステムやサービスがあれば僕は移住できるわけです (笑)。
テクノロジーで移住したい人がスムーズに移住できるシステムを作りたい。そんな構想を「つながるDX」に込めています。

ー ものすごく地域の未来を感じます。仕事内容としては具体的にどんなことになるのでしょうか?

事業戦略・開発計画の策定、要件定義、開発ディレクション、プロダクトデザイン、キャンペーン企画・立案、プロポーザルの応募・プレゼン、メンバーマネジメントなど、営業から開発までなんでもやっています(笑)。

ー 領域が凄まじいですね!

僕はどちらかというと、このくらいガバっと裁量の大きい方が楽しくて好きなので、ありがたいです。

プロダクト自体は、1年前位にCTOである藤崎を中心に開発に取り組み、完成されていたんですが、なかなか導入事例を増やせず試行錯誤していたと聞いています。
そこにたまたま前職でシステムの構築から導入まで手広く携わってきた僕が入社することになり、恐れ多くも事業責任者という大きなポジションを任せていただくことになりました。現在は、地方自治体にシステム導入の提案を行い、検討していただける場合は要望を伺ってさらなる改良を進めています。

大企業からスタートアップへ。きっかけは鎌倉への移住

ー 伊佐治さんはキッチハイクが3社目とのことですが、前職、前々職はどのようなことをされていたんですか?

僕は元々投資に興味があって、大学と大学院では株価や為替など金融のイロハを学び、資格も一通り取得しました。だから順当にいけば銀行や証券会社に就職するはずなんですが、僕は他人のお金を預かって代わりに運用するイメージが湧かなかったんです。投資は趣味の範囲内でやればいいし、次に好きなことを仕事にしようと思って。

当時はまだスマートフォンが発売し始めたくらいの時だったのもあり、可能性を感じてインターネットや通信に業界に絞りました。ただ、ここでもちょっと捻くれていて(笑)。真っ正面な通信業界じゃなく、その裏側から支えているのはどこだ?と思って調べた結果、総合商社に就職しようと決めました。
そこではスマホの普及をミッションにリアル店舗を中心として、店舗運営や設計、コンテンツ制作など幅広い業務を経験しました。

そんな中、電波の割り当てをもらい、MVNOから携帯キャリアにチェンジするタイミングで、これまでの経験を活かして新しいチャレンジをしようと思い、楽天社に転職を決意しました。

その後、楽天モバイルの店舗立ち上げから携わり、顧客管理システムから営業支援ツール、来店予約システムなどをゼロから作るというミッションを必死にこなしているうちに5年が経過していました。

ー 東京から鎌倉に移住したのも、そういう理由があって?

それもありますし、当時は都心が良いと思い目黒に住んでいたんですが、結婚を機に、住居を構えるなら少しでも環境の良い場所がいいなと思って2016年に鎌倉に住居を構えました。その辺りから思考が変化してきて、ずっとITの会社で働いていたけど、これからは自然を相手に仕事をしたいなと。そんな時に神奈川にいる友人が地元に帰ることになったんです。

友人の地元は保育園留学第一号の北海道厚沢部町。農業が盛んで、友人に興味を持っていることを話したら地元のある農家さんとつないでくれたんですよ。そこからは収益モデルを計算して、かなり本気で就農に向けて取り組んでいたんですが、やっぱりなかなか自分のものにしていくのも難しいという結論になりまして。そしたら今度は、友人から「キッチハイクという会社の代表が東京からこっち(北海道厚沢部町)に移住してきていて、伊佐次さんのスキルも活かせそうだから話をしてみないか」と繋いでくれたのが、弊社の代表・山本だったんです。

とりとめのない会話で触れた経営陣の人柄
入社の決め手に

ー それは、すごい縁ですね!それで山本さんとは、どのようなお話をされたんですか?

キッチハイクの事業や今後の展望を伺い、その上で僕は本当に会社に求められている人材なのか、会社がやっていきたいことと、自分がやっていきたいことが重なるのかという点を、対話を重ねながら半年かけて互いに擦り合わせていきました。
そうしているうちに自分の気持ちがキッチハイクに傾いていき、ついに2022年11月頃に入社を決意したんです。そこから元いた会社での引き継ぎがあったので、3ヶ月ほどかかりましたが、トラブルなく送り出してもらって今年の2月にこちらへジョインした形になります。

ー ズバリ、決め手はどういったところでしたか?

やっぱり決め手は人だったと思います。代表の山本、CTOの藤崎、COOの青地。主にこのお三方と入社前に話をさせていただいたんですが、彼らと働きたいと思ったのが入社のきっかけでした。
正直、入社してから何をやるかは全然決まっていなかったんですが、それよりも経営陣の人柄に触れ、彼らが語るビジョンを聞く中で「この人たちと仕事をしたら心が豊かになる」と直感的に思ったんですよね。

採用面談で交わされる、「あなたのスキルは何ですか?」「こういう課題に対してあなたはどうしますか?」みたいな話ではなく、ただとりとめのない会話ができたことが良かったんだと思います。
これまでは与えられたミッションをこなすのに精一杯で、スピードや効率ばかり気にして人との関わりは重視してこなかった。だけど、高速で走りすぎて若干息切れしているところもあったので、自分とは全然タイプが違うお三方と出会い、全く違う考え方を聞いて衝撃を受け、心に刺さりました。

みんなで一から土台を作っていく。それが大企業とは違う面白さ

ー 伊佐治さんがジョインして約半年。実際に働いてみて、いかがですか?

やっぱり大企業と比べて、良くも悪くもやり方やルールがきっちりと定まっていないですよね。今ではあらかじめ用意されたルールに従って、ただ効率的に物事を進めていくことを考えていたんですが、キッチハイクの場合はルールから整えられる自由さがある。

その際に、これまで自分が働いてきた大企業のルールややり方をそのまま当てはめても上手くいきません。例えば、システムを導入すれば楽になるかもしれないけど、会社の規模や売り上げを考えたら資金的な面で難しかったり。

なので、工夫やアレンジを少し加えた上で取り入れるようにしているんですが、それが会社の中、事業部の中、チームの中で上手く回った時は素直に嬉しいですし、こうやって何か自分のやったことが資産となり、収益が生まれて、会社が成長していくのを実感できるところがいいなと思います。

ー たしかに整っていない部分があるのは大変でもあり、面白みにもつながりますよね。他にも、大企業との違いはありますか?

これはキッチハイクならではのカルチャーだと思うんですが、みんな、よく人を褒めるなと思います。僕が経験してきた会社には、あまり人を褒め称えたり、誰かの功績を自分事として喜ぶ文化はなくて。顧客を獲得しました、じゃあ表彰しましょう!みたいな形式張ったものはあったんですが、キッチハイクはそうじゃなくて、slackで誰かが成果を報告するたびにみんながコメントやスタンプでお祝いしたり、小さなことだけど日常的に互いのことをよく見ているんですよね。

事業間の垣根もあまりなく、全体的なミーティングになると他事業部からもどんどん意見を出してくれる。大きい会社にいた時は他の部署がやってることなんて知らないし、なんなら自分以外の部署が成果を上げたら悔しいとさえ思っていました(笑)。
だけど今は、月並みな言葉にはなるんですけど、本当に会社一丸となって進んでいるなと実感しています。

質より量より「スピード」重視!巻き戻せない時間を大切に

ー 伊佐治さんが仕事をする上で大事にしていることは何ですか?

仕事において質、量、スピードのどれを優先すべきかという問題があると思うんですが、私の場合は第1にスピード。次いで量、質。この順番だけはぶらさず、しっかり守っていこうと思っています。

というのも、時間って巻き戻せないんですよね。だからクライアントに対しても、社内の人間に対しても、なるべく早くレスポンスを返す。資料提出やプロダクトのリリースもそうですね。悩んでいるくらいならとにかく出して、フィードバックをもらって改善していけばいい。そうやってスピードを重視していれば、おのずと量が増えてくるので、そこはあまり意識していません。

質に関しては、はじめにどれだけ徹底的にやっても、後々変わっていくものですし、大概目論見通りに事は運ばないので、特に重視する必要はないと思っています。質を極めるのは、ある程度の域まで達した時にやればいいことだと考えます。

会社によっても、事業部によっても、何を重視するかはまた変わってくると思うんですけどね。「つながるDX」に関しては事業フェーズもまだまだ初期段階なので、今はとにかくスピード重視で私もチームのメンバーも頑張っています!

地方活性化に必要なのは、今ある需要を満たすこと

ー すでに移住をなさった伊佐治さんですが、全国どこからでも働けるキッチハイクの「やわらかな定住制度」についてどう思われますか?

僕の場合、移住先の鎌倉に家を購入しているので、「やわらかな定住」というよりは「かたい定住」なんですが(笑)。実はもう少し都会から離れた場所で暮らしたいという気持ちがあって、その点キッチハイクはどの場所からでも働けるのでいいですよね。

とはいえ、先ほどお話ししたように、購入した家をどうするか、妻の仕事はどうするかという問題は依然としてあり、なかなか移住に踏み切れずにいる。同じように仕事の問題、住居や車の問題、家族の問題などが解消しきれず移住したいのにできない人はたくさんいると思うんです。
そこを「つながるDX」というサービス・プロダクトを通じて解決策を世の中に提供したいと考えていて、例えば今の家を売って、移住先で新たに住む場所を見つけなきゃいけないとなった時に、そのソリューションをシステムで移住希望先の自治体に委任し、もし解決することができるのであれば、移住がさらに活発化するはず。
そうしたテックの力とパートナー企業の力を集約させたシステムを構想中で、今年から少しずつ動き出す予定です。

ー それができたら、きっと移住のハードルが今よりも下がりますよね。先ほどの「やりたいからやっている」という話とも繋がっていて素敵です。

僕は自己中なのかもしれませんね。僕自身が移住したいけれどなかなか楽に移住する方法が見つからないので、その問題を会社を使って解決しようとしているわけで(笑)。
ただ僕と同じことを考えている人はたくさんいると思うので、キッチハイクのサービスを通して丸ごと願いを叶えてあげたい。それが結果的に地方活性化に繋がればいいなと思っています。やっぱり地方活性化を最初から目的にしてしまうと、どうしても浮かんでくるアイデアが限られてしまう。じゃあ今何が足りなくて、何が必要とされているのかに注目して、そこを解決していけば、必ず最後は大元の目的にたどり着く、そう感じています。

"やりたいからやっている”ことで日常を満たしたい

ー最後になりますが、キッチハイクが掲げるテーマ「人生を、謳歌する」。伊佐治さんにとって、人生を謳歌するとはどういうことなのでしょうか。

自分がやりたいからやっていることで日常が満たされているのが、人生を謳歌しているということじゃないでしょうか。僕はもともと、何かをやらなきゃいけないという義務感がすごく嫌で。やらなきゃいけないと思うようなことは、なるべくやりたくないと思っているんです。

例えばプライベートでカフェに行く時に、行かなきゃいけないと思うことってあまりない。行きたいから行く。仕事も同じように、こういうものを世の中に提供したいから自分は今これをやっているんだと言える状態で常にいたい。
プライベートと仕事の垣根がなく、カテゴリが違うだけで常にやりたいことだけをやっているという状態が、僕にとって人生を謳歌するということの意味です。キッチハイクに入ってからはやりたくないのにやっていることは一つもないので、僕は今、人生を謳歌しています。

伊佐治 圭亮(いさじ けいすけ)/つながるDX事業統括
同志社大学経済学科在学中、ロンドンのThe London School of Economics and Political Scienceに2年在学。卒業後は慶應義塾大学大学院経済学研究科へ進む。
インターネット・スマートデバイスの将来性に強く惹かれ、大学院卒業後は、総合商社にてスマートデバイス・サービスの普及に従事。2018年より楽天へ転職し、第四の通信キャリア立ち上げに関わる。業務システムの開発ディレクション/UIUX設計をメインとして、リアルチャネルの顧客体験設計・サービス企画など幅広く担当。人とテクノロジーの関わり方を常に考え、人間中心設計のもとプロダクト・サービス開発を推進。2023年2月にキッチハイクへジョイン。

<趣味>
Apple製品の収集と、愛犬との散歩と、ドライブ

<好きな食べもの>
もずく酢、イチリンハナレのよだれ鶏、豚の角煮

<暮らしの変遷>
愛知県生まれ。学生時代は京都、ロンドン、東京と3都市に住む。商社勤めで東京、愛知、富山、静岡、中国(深圳)で工場立ち上げ、東京に戻り、結婚を機に目黒から鎌倉へ移住。妻と愛犬と3人暮らし。

キッチハイクは、ともに人生を謳歌する仲間を募集しています

キッチハイクは「地域の価値を拡充し、地球の未来へつなぐ」をミッションに、共に人生を謳歌する仲間を募集しています。
社員候補の新メンバーだけでなく、業務委託や副業での参加もOKです。
個人・法人、年齢・性別、問いません。また、居住地も問いません。全国地域からフルリモートで参加できます。ご応募、お待ちしています!
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