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【大河ドラマ】鎌倉殿の13人 第42回&第43回感想

もうすぐ追いつく大河ドラマ感想。今回は11月6日放送の第42回「夢のゆくえ」、11月13日放送の第43回「資格と死角」の感想です。

第42回

陳和卿のうさん臭さがめちゃくちゃ良かった

この回は陳和卿の唐船建造がメインの話。
私は以前から陳和卿は無茶苦茶うさんくさい奴だと思っているので、大河のキャラクター造形は納得。あれで良い。
八田知家はおそらくこの回が最後の登場。隠居すると語られましたが、いつ亡くなったのか記録になく、ドラマのこの時点で既に亡くなっている可能性も十分にあります。

源実朝の聖徳太子信仰の話が出ました。
実朝が熱心に太子を信仰していたのはおそらく事実で、それは大河で描かれた時期よりもっと以前からの話です。
承元4年(1210)と建暦2年(1212)に太子を供養する法会を主催したことが『吾妻鏡』に記録されています。
また同じ承元4年には、以前から探し求めていた十七条憲法や物部守屋から没収した土地の資料、四天王寺や法隆寺の重宝等の記録を、大江広元の尽力により入手したという記録もあります。
実朝が理想の政治家として聖徳太子を尊敬していたのは間違いなさそうです。

第43回

この回は実朝の後継者問題。
実朝が養子を取って隠居し、大御所として新しい鎌倉殿を支える。皇室、摂関家でも上皇、大殿として後継者を支えるということは普通に行われていましたので突飛な発想ではありません。
源氏の血筋にこだわるのであれば後継者は公暁となったはずですが、そうはならなかった。北条氏も養子案で納得する。これは想像ですけど、政子・義時姉弟は女系で源氏の血を残せばよいと考えたんじゃないかと思うんですよね。単に親王で高貴だから納得したという話ではないんじゃないかと。
頼家の娘・竹御所(政子にとっては孫)を新鎌倉殿の妻にすれば、源氏の血を残すことができる。実際、後に竹御所は4代将軍九条頼経に嫁いでいます。
ただ、大河では竹御所が登場しませんから、政子・義時姉弟があっさり納得したように感じますね。

上洛する政子・時房兄弟。
政子による女同士の会談は成功で従三位に叙されることに。出家後の叙位は「准后」(皇室の配偶・縁戚関係者)に限られていたのでこれは極めて例外の対応。
後鳥羽上皇はそれだけ政子を重要視したといえます。
もともと田舎娘だった政子が立派な尼御台となっていくさまは、グラビアアイドルだった小池栄子が大物俳優に混ざって見事な演技を見せるのに重なるようで素晴らしい。
定期的に言っていますが、「鎌倉殿の13人」は政子の成長物語であります。

自身も「長者」の称号を贈られている蹴鞠の名手、後鳥羽上皇

北条時房が後鳥羽上皇に蹴鞠を披露し、評価されたのは史実。
でも劇中のような非公式の場ではなく、正式に召し出されて3日連続で蹴鞠を披露し、上皇は何度も称賛したと伝わります。
上皇は時房を気に入ったようで、承久の挙兵の際、時房には個別に義時追討の院宣を下しています。

義村は公暁の乳母夫

三浦義村が頼家殺害の件について公暁にペラペラ喋ってしまう脚本はちょっと微妙な感じがしましたね。
三谷幸喜氏は実朝殺害を公暁単独犯説、北条義時黒幕説、三浦義村黒幕説をミックスして構成したいんでしょうけど、三浦が北条(あるいは鎌倉殿)を本気で討つならタイミングはここではなく、和田合戦だったでしょうし、ここで公暁に話してしまうことのリスクを義村がわからないわけもないし、ちょっと残念な感じでした。

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