見出し画像

他者とのより良い関係を作るために必要なこと

同僚や家族、近所の方などと話をしたときにどのように伝わったか確認していますか?
確認しないのは 、相手が理解したと思っているからですよね。

しかし、人が100%(=完全に)意思疎通できることはありません。
人は持って生まれた遺伝子、育った環境、接してきた人が違うため、同じ体験をしてもそこから得る経験、感情、学びなど、意味付けが一人ひとり違います。
この意味づけの違いのもととなるものを「性格」といいます。
他者とより良い関係を作るためには、「性格」のちがいと、そのちがいがもたらすものについて意識していく必要があります。

性格に関する研究は、そのはじまりはギリシャ時代にまでさかのぼるとされ、19世紀以降、ヨーロッパ(特にドイツ)、アメリカで発展しました。
その中で、人の性格を分類する取り組みが数多く行われてきました。その考え方には二つの方向性があります。
一つは、顔の形(骨相学)や遺伝、生まれた日時・場所(占星術など)など、性格は人の外的要因と関係するという考え方で、もう一つは、性格は人の内面(体験から生まれた意味づけなど)と関係するという考え方(エニアグラム、MBTIなど)です。

自分のコミュニケーションはマイノリティ

エニアグラムは、人の性格を、「動機」を指標にして9つのタイプに分けます。これは、相手の動機が自然と同じように理解できるのは9分の1ということです。
MBTIは、人の性格を「ものの見方」「判断のしかた」「興味関心の方向」「外界への接し方」の4 指標で16 タイプに分けます。
これら2つの分類法は別の指標を使っているので、掛け合わせると144タイプになります。さらに他の指標を掛け合わせると…

自分のコミュニケーションはマイノリティなのです。マイノリティな自分の伝え方が、タイプのちがう他人にそもそも伝わるはずがありません。
伝わること自体が「奇跡」なのです。
言いかえれば、誰にでも伝わる万能の伝え方はないということです。相手の人に合った伝え方があるだけなのです。

人と人にちがいがあるときの2つの反応

人と人にちがいがあるとき、人は相手に対して2つの反応を反射的に起こします。
相手に何か言われたとき、まず最初に言われたことを否定的に受け取ります。
この受け取り方には「攻撃されている」「見下されている」「否定されている」「わかってもらえていない」「避けられている」の5つのパターンがあり、そのどれかで受け取ります。
人間は、相手が言ったことをそのまま受け取っているのではなく、相手が言ったことによって自分に起こった反応を受け取っているのです。
もう一つの反応は、否定的に受け取ったときに相手に返す反応です。
この反応には、「批判・非難」「軽蔑・見下し」「防衛・自己弁護」「無反応・逃避」の4つのパターンがあり、そのどれかを返しています。
心理学者ジョン・ゴッドマンらは、夫婦関係や結婚生活の安定性の研究で離婚しにくいカップルと離婚しやすいカップルの差を分析した結果この4つの反応を発見し、「4毒素」と名付けました。
人と人にちがいがあるとき、言われたことを受け止めた側ではこの2つの反応が連続して起こり反応を返します。
返された反応を受け止めた側でもこの2つの反応が連続して起こり反応を返します、…とループし続け、その結果さまざまな不満や不都合を生み出しているのです。
このループを止めるためには、人と人のちがいを理解することが第一歩なのです。

ちがいを越えるために

相手との間にちがいを感じる場面でものごとを決めるとき、お互いが「ちがい=まちがい」と反射的に考えて、両方が自分の「正しい」意見を通すことだけを考えてしまいます。
「ちがい=ちがい」と考えて、両者が一緒に「なぜちがうのか?」を探ることで、両者の意見が統合され、よりよい結論と関係性をつくることができるのです。

𠮷田善実


★★★ セミナーのお知らせ ★★★
エニアグラム体験セミナー
7月1日(土)13:00~17:00

自分の性格、他者の性格との違いを理解し、人間関係のスムーズな構築や改善のきっかけにしましょう。
本セミナーでは、エニアグラムを用いて自分の性格タイプの特徴を理解し、同じ性格タイプの人や、異なる性格タイプの人との交流を通じてタイプの違いを理解し、そしてその違いをどのように乗り越えていくのかを考えたいと思います。講師はNPO法人日本エニアグラム学会の認定ファシリテーターがつとめます。

お申込みは、https://coubic.com/kizahashi/801947

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?