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マガジン

  • ペンケース制作で得たFFF式3DPで綺麗に造形するノウハウ

    ペンケース制作を通して得た知見、ノウハウをまとめます。 主に薄い造形を綺麗に作るための方法になります。

  • 製品への文字入れ関係まとめ

    立体的な製品に文字を入れる際の自分が持ち合わせている知見をまとめてます

最近の記事

代表作とセーフティーネット

※頭にある考えを書き散らかした散文です ※気が向いたら校正するかも デザイナーという職種には資格がない。正確には色彩検定やプロダクトデザイン検定のようなものはあるが、国家資格としての業務独占資格は存在しない。 なので極論をいえば「私はデザイナーです」と言い張ればだれでもデザイナーと言えなくもないが、実際に仕事を得られるかどうかという観点では正しくない。 ではどのようにして仕事を得るか。 工学部のデザイン系学科や美大のデザイン系学科を卒業しておけば、ひとまずポートフォリ

    • TPUフィラメントを使いこなすための細かなノウハウ

      ※全文を公開している「投げ銭」スタイルのノートです。 すこし間が空いてしまったが、ペンケース制作を通して得た残りのちょっとしたノウハウをまとめる。それぞれ一つの記事にしようかと考えたが、小さなトピックのため、まとめて一つの記事にした。 リトラクションをなくすことによるレイヤー切り替え直後箇所の透明度アップレイヤーを切り替えた直後の箇所が汚く、透明度が低い現象が起きていた。よく観察した結果、レイヤー切り替え時のリトラクションによるノズル内圧の低下が原因だった。 今回の出力

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      • 3Dプリント時に発生したヒケと対処法

        ※全文を公開している「投げ銭」スタイルのノートです。 ヒケとは何かプラスチックの射出成型品にはヒケと呼ばれる成形不良が見られる時がある。簡単に説明すると、機能上必要な形状を作ったために肉厚が不均等になった箇所の表面を凹ませてしまう現象を指す。これは射出成型後の冷却が均一に進まないために起きる。安価な日用品ではヒケが出たままにする場合もあるし、高価な耐久財であればヒケは成形条件の調整や肉盗み、二次加工を施すなどして対策される。このあたりは商品企画上の売値やコンセプト、製造元の

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        • ウォール内移動は表面を荒らす

          ※全文を公開している「投げ銭」スタイルのノートです。 実際の荒れ方とCura上での確認方法前回までの記事では吐出無しの移動を如何に減らすかの紹介をしたが、ウォール内部をトラベルした際に起きる現象をきちんとまとめていなかった。 上の動画はペンケース制作最初期のSTLデータをスライスし、トラベルのみをオレンジ色のラインで表示している。このオレンジ色のラインがウォール内にある、あるいは通過していればそこは荒れると考えて差し支えない。 ウォール内部のトラベルがあると上図左側のよ

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        • ペンケース制作で得たFFF式3DPで綺麗に造形するノウハウ
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        記事

          Fonts Dance With Errors

          日本語版の記事はこちら In my work as a product designer, or industrial designer, I often deal with text that is placed on the surface of products. As I worked with Adobe illustrator, I couldn't ignore the errors contained in the fonts, and when I lo

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          フォントは誤差と踊る

          English version is here. プロダクトデザイナー、インダストリアルデザイナー、工業デザイナーと呼ばれる仕事をしていると、製品の表面に配置する文字をよく取り扱う。 Adobe illustratorを扱う中でフォントに含まれる誤差をどうしても無視できず、原因を探ったところアウトライン化時のフォントサイズによって生成されるパスが僅かに異なることを突き止めた。もしかすると自分以外の人には常識だったのかもしれないが…. ごく個人的な興味としてこの誤差をキチ

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          スライス後のレイヤー内肉厚を一定にするモデリング手法

          前回の記事までの試作を通して、造形物全体で透明度を一定にするためにウォール厚みを1.2mmに統一して作ることを決めたが、三次曲面でどのようにそれを実現するかの試行錯誤にかなりの時間を要した。 今回の記事ではペンケース制作を通して得たスライス後のレイヤー内肉厚をどのようにして一定にするかを形状ごとに整理して紹介する。 ※この記事でまとめる手法はあくまでサーフェスモデリングソフトであるRhinocerosとCuraを用いた場合にレイヤー内肉厚一定を実現するための方法であり、ナ

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          MINIMAL PEN CASEの価格見直し

          タイトルの通り、価格を以下の理由により見直すことにしました。 実際の価格についてはBOOTHの在庫追加時に設定しなおします。 見直し理由・高精度ノズルのkaikaを導入したことによりペンケースが更に綺麗になり、従来品と品質の異なる物を同じ値段で頒布するわけにも行かなくなった。 ・ひと月に制作可能な数、制作に掛かる時間、作業の手間、メンテナンス費などが明確になってきた事でトータルのコストが見え、長期的には適切な値段ではないことが分かってきた。 ・買ってもらいたいからと適切な値

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          ウォール厚みと透明度の関係性

          ※全文を公開している「投げ銭」スタイルのノートです。 ヘッダー画像はペンケース制作に適した設定値を探っている際の試作物 疑問:ウォールのみで造形した際に、透明度のグラデーションは作れるか?袋状のものは底面が閉じていないといけない。ペンケースをデザインする上で、底面をどのように閉じるかは非常に重要だ。もし次に意匠にバリエーションを与えるとしたらまず底面の閉じ方について考えるだろう。 上図のように当初は外観に出る箇所を丸く、内側をテーパー状の形にしていた。外観をスッキリさせ

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          ノズル内圧低下による外壁の波打ちとその解決方法

          ※全文を公開している「投げ銭」スタイルのノートです。 この記事での言い回しについてややこしさを感じたので、先に本記事で使う言葉の定義をしておく。 【ウォール厚み】 CAD上で設計する際の壁の厚み。 【ウォールライン幅】 Cura上の設定値。 起きた問題:外壁の波打ち今回のペンケース制作の初期段階ではトップ写真のようなひどいクオリティの壁面であった。なんらかの規則を持って波打っていて、当初は機械側の故障を疑った。印刷設定をアレコレいじった後に発生したため、何が原因なのか分

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          ノズル内圧低下による外壁の波打ちとその解決方法

          自分の3DPノウハウをまとめるにあたっての前提事項

          ※全文を公開している「投げ銭」スタイルのノートです。 3Dプリントのノウハウをまとめたいと言う記事を昨日書いたが、改めてなぜこんなことをしているかの理由と自分自身の制作環境や諸々の前提条件をまとめておきたい。 何故3DPによる魅力的な意匠を探求しているか別の記事でも書いたが、大量生産品だけでは解決できない課題を抱える人たちのために、3Dプリントによる極少量生産でも心地のいい道具を手に入れる機会提供をしたいためだ。 過去の制作の紹介とペンケースへのつながりペンケースの制作

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          ペンケース制作を通して得たノウハウを共有したい

          ※全文を公開している「投げ銭」スタイルのノートです。 今年は途中フォント制作を挟むなどしていたが、かなりの余暇時間を3Dプリント製ポーチ・ペンケースに費やした。 3~4月に一度、原理試作的な物を完成させ... それから10月末までに自分が納得するレベルまで作りこんだ。 ここに至るまでにはかなりの量の失敗をし、原因を一つずつ地道に解決してこのクオリティに到達した。以前からFFF式3Dプリントの積層痕の魅力を引き出せないかと考え実験を色々行っていたが、ただ丹念に樹脂を積み

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          自分自身の課題感の整理

          だんだん自分がやりたい事って何なんだ?という疑問が湧いて出てきたので整理してみる。 物が溢れる時代に生きている私は栄久庵健司氏が言うところの「凄惨な無」が有で消された平成初頭の広島に産まれた。 これまでの人生でありがたいことに衣食住に困った記憶は無いし、昔見た幼少期のビデオテープにはヨチヨチとハイハイしながらアナログテレビのアンテナを握りしめている自分が映っていた記憶がある。 今読んでいる山口周氏の本によると、現代は「高原の社会に軟着陸しつつある」、つまり大多数の人間が

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          工業製品への文字入れ技法(2)

          前回の記事では光とインクを用いる文字入れ技法を紹介しました。 今回は金属を主に用いる文字入れ技法を紹介します。 機械彫刻概要: 木材や金属製の部品に対して、CNCフライスやパンタグラフ彫刻機と言った加工機を用いて文字入れする技法です。ボールエンドミルやエンドミルと呼ばれる刃物で金属を削って文字の形状を作ります。文字形状の周囲を削るか、文字形状の内部を削るかで表情を変えられます。印鑑でいうところの陽刻と陰刻ですね。 文字部分の特徴: 製品と文字の素材が同一なので文字が消えに

          工業製品への文字入れ技法(2)

          工業製品への文字入れ技法(1)

          この記事の目的身の回りにある工業製品には使い方や機能の説明、輸出入に必要な記載、ブランドロゴなどが入れられていますが、それらの文字の入れ方を気にしたことはあるでしょうか。 この記事では「文字の入れ方」という視点から工業製品の作り方を紹介することで、身の回りの製品を理解する手がかりをお届けします。 この世に存在するすべての文字入れ技法を網羅出来ているわけではありませんが、この記事をきっかけにして製品の見方が変わると嬉しいです。 なぜ「印刷」ではなく「文字入れ」と書いたか

          工業製品への文字入れ技法(1)

          量産品との付き合い方を自分の視点でまとめてみたい

          育児休暇をとったことで、育児以外にも家を整える時間が出来ました。 子どもが今後成長した時や、復帰後の生活を考えて道具を捨てる・買うということをしたり、模様替えをするなどしています。 そんな折、ふと冒頭のツイートを思い出しました。 プロダクトデザイナーに出来る事ってなにもモノを作るだけでなく、人が生活に使う道具を選ぶときのヒントをまとめることも出来るのでは? そんなことを思ったわけです。 まだ具体的な内容は書き出せてませんが、ひとまず脳内にある内容を目次代わりに書き出してお

          量産品との付き合い方を自分の視点でまとめてみたい