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アリーチェ・ロルヴァケル(Alice Rohrwacher)の経歴と作品

イタリア映画界期待の新鋭アリーチェ・ロルヴァケルについて、経歴と全作品を調べたのでまとめておく。公開されている短編映画も併記しておく。
※画像はIMDb、経歴と受賞歴は英語版Wikipediaを中心にインダビューなど、作品はIMDbとMUBIのデータを記載。

・経歴

1982年12月29日、イタリアはトスカーナ地方のフィエーゾレに産まれる。母親はイタリア人、父親ラインハルトはドイツ人とのこと。三歳年上の姉に女優のアルバがいる。幼少期は母親の故郷であるカステル・ジョルジョで過ごす。父親は養蜂家としてその地で仕事をしていた。(後に『夏をゆく人々』の題材となる)
トリノ大学で文学と哲学を学んだ後、トリノにあるHolden Schoolで脚本を学ぶ。
2006年、Carlo Cresto-Dinaのプロデュースしたオムニバスドキュメンタリー『Checosamanca』で監督デビュー。
2011年、初長編映画『天空のからだ』がカンヌ国際映画祭の監督週間で上映されてカンヌ常連監督の仲間入りを果たす。以後、第二作『夏をゆく人々』(2014)は同映画祭でグランプリ、第三作『幸福なラザロ』(2018)は脚本賞を受賞するなど国政的な名声を高めている。

ちなみに、姉アルバはフィレンツェ産まれで、ローマにあるイタリア国立映画実験センターで演劇を学んだ。

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・全作品

Checosamanca (2006) 98分 オムニバス映画
Heavenly Body (2011) 邦題『天空のからだ』 99分
The Wonders (2014) 邦題『夏をゆく人々』 110分
9x10 novanta (2014) 94分 オムニバス映画 下記参照
De Djess (2015) 14分 下記参照
Happy as Lazzaro (2018) 邦題『幸福なラザロ』 125分
※太字が長編劇映画、それ以外はドキュメンタリー映画
※題名をクリックするとその記事に飛びます

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・受賞歴

Heavenly Body (2011)
アヌシー・イタリア映画祭: C.I.C.A.E. - Pierre Todeschini
Bimbi Belli映画祭: Best Discussion
Federazione Italiana Cinema d'Essai: Best New Director
Golden Ciak 賞: Golden Ciak
ヨーテボリ映画祭: International Debut Award
イタリア国際映画記者賞: Silver Ribbon
イタリアオンライン映画賞: Best First Feature

夏をゆく人々 (2014)
アブダビ国際映画祭: New Horizons Competition
カンヌ国際映画祭: グランプリ
国際シネフィル賞: Best Director
イタリアオンライン映画賞: Best Italian Picture
マル・デル・プラタ映画祭: Best Screenplay
ミュンヘン映画祭: Best Film By An Emerging Director
セビーリャ・ヨーロッパ映画賞: Special Jury Award

幸福なラザロ (2018)
カンヌ国際映画祭: 脚本賞
シカゴ国際映画祭: Gold Hugo
ヨーロッパ映画賞: European University Film Award
国際シネフィル賞: Prix du Jury
エルサレム映画祭: Best Feature
シッチェス・カタロニア国際映画祭: Secció Oficial Fantàstic, Jurat de la crítica, Best Feature-Length Film

・短編映画について

9x10 novanta (2014)

十人のイタリア人映画監督が集まり、アーカイブフッテージを使ってイタリアの20世紀を振り返るオムニバス映画。ロルヴァケルのパートである"カンツォーネ"は上で視聴可能。

De Djess (2015)

ミュウミュウが製作した"女性の物語"9本のうちの1本。ロルヴァケルのパート。ドレスとは男のためではなく自分のために着るのだという今世紀的フェミニズムを提示する。素晴らしい作品。

・他記事紹介

セルゲイ・ロズニツァの経歴と全作品 → コチラ
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