「LGBTばかりになったら国はつぶれる」のか?
今夜、“LGBTばかりになったら国はつぶれる”というニュースが話題に。
ニュースでは、自民党の衆議院議員 平沢勝栄氏が山梨県の集会で、「少子化問題」に触れた上で、以下の発言をしたことが書かれています。
「LGBTで同性婚で男と男、女と女の結婚。これは批判したら大変なことになるからいいんですよ。もちろんいいんですよ。
でも、この人(LGBT)たちばっかりになったら国はつぶれちゃうんですよ」
※記事や字幕では「変なことになる」となっています。
渋谷区や世田谷区が同性婚について証明書を出していることについて
「先進区だとか自慢しているが、私にはその考え方はよくわからない」
2つ目に関しては、「よくわからない」と言っているだけで、議員としては問題があるかもしれませんが、ここでは1つ目の発言について考えます。
目次
1. そもそも、社会はLGBTばかりになり得るのか?
2. 「国がつぶれる」とはどのような状態か?
3. LGBTを差別すると、国はつぶれにくくなるのか?
1. そもそも、社会はLGBTばかりになり得るのか?
結論:なり得ません。
前提を揃えるため、ここでは「LGBT」という言葉を以下の定義で扱います。
LGBTとはセクシュアルマイノリティの総称であり、Lはレズビアン(Lesbian)、Gはゲイ(Gay)、Bはバイセクシュアル(Bisexual)、Tはトランスジェンダー(Transgender)の頭文字をとったものです。
L:自身を女性と自認しており、性的指向が女性に向くセクシュアリティ
G:自身を男性と自認しており、性的指向が男性に向くセクシュアリティ
B:男性・女性のどちらも恋愛感情・性愛の対象となるセクシュアリティ
T:身体的性と自認する性が一致しないセクシュアリティ
(引用元:LGBTとは?今だからこそ、確認したい基礎知識)
「ばかり」をどの程度と捉えるかにもよりますが、LGBTは、「LGBTとその他」という比較においては、少数派であり続けるでしょう。
根拠としては、2015年の電通ダイバーシティ・ラボの調査によると、7.6%であると言われていて、他の国内調査でもだいたい5%から10%の間に収まっています(調査対象や調査項目、質問の仕方によって割合は変動します)。
2. 「国がつぶれる」とはどのような状態か?
これは、少子化問題に触れた上での発言だったので、近年の社会情勢も踏まえると、「日本の少子化が進行し、社会や経済の状況が他国よりも成長せず、むしろ悪化している状態」と捉えるのが自然でしょう。
具体的には、人口や出産数、GDPなどの急落を懸念しているのではないでしょうか。
3. LGBTを差別すると、国はつぶれにくくなるのか?
私の答えはもちろん「No」です。
Twitterのトレンドになっていたので、色んな意見を見てみます。ふむふむ。
確証バイアス気味ではありますが、議論するまでもないかと。
最後に、自分なりに意見をまとめます。
LGBTの権利を保証することは、『生きづらさ』を感じる人々を減らし、むしろ国を成長させることにつながります。
仮にそうでないとしても、万人を尊重できる国づくりをしてほしいと願ってやみません。
昨年の「生産性」発言もあり、差別的な発言自体には気をつける人は増えたと思いますが、まだこのような発言が生まれるのは、一部の議員さんたちが、根本的なことは何も理解しようとせず、実際にまだ何も理解していないということではないでしょうか。
ただ、平沢議員をたたけば済む問題ではありません。
無知を憎み、無知に向き合う社会で在ってほしいと強く思います。
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