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フードデザイン・オンライン・ライブラリー|フードデザインをよりよく知るための本って何があるの?

SPACE10に学ぶ、ライブラリーの重要性

最近、IKEAのイノベーションラボ「SPACE10」のオープンスペースがよりオープンスペースになり、人々が集まり、本を読んで、研究して、アイデアを共有したり、はたまた最新プロジェクトの展示を見たり、コーヒーを飲んだり…そんな空間にリ・デザインされたそうです[ * ]。

SPACE10は、近年、そこに集まった人々の多く(87%)がインスピレーションや新しいアイデアを求めていること、そして約半数(59%)は同じ志向を持つコミュニティの一員になることを望んでいることを、アンケートで明らかにしました。それを踏まえ、より人々のアイデアが繋がるような作業空間かつサードプレイス的な公共空間をコンセプトに、自身のスタジオ1階部分の使い方を再考しました。

そんな場所を具現化する一つが図書館(SPACE10 Library)で、SPACE10のチームが厳選した100冊の本を自由に読むことができるようになっています。選書は定期的に変更され、時にはゲストによる選書も企画しているようです。

ひとりで黙々と集中する時間とは別に、人々とアイデアが互いにぶつかり合いネットワークと関係性が築かれる、そしてそれがお金のやり取りに依らない場所。最高なことをしてますね。とはいえ、行けるわけじゃないしなあ〜と思っていたら、選書リストはオンラインでも見れるようになっていて、大感謝です。デザイン、特にフードデザインに携わる人間からすれば、最先端をいくSPACE10の人たちが何を見ているのか、読んでいるのかを知れてとても面白い!と考えたと同時に…

これは自分でもやったほうがいいのでは?!と思いました。
というのも、フードデザインの射程をまとめた資料というのは(日本国内では特に)少なく、どこで情報を仕入れることができるのか、パッとはわからないのが現状です。

フードデザイン・オンライン・ライブラリー

そこで、デザインの文脈に軸足を置いたフードデザインの本を私なりにリストにしてみました!ここからアクセスできます。大きな項目は以下の通りです。

  • OVERVIEW / COLLECTION(概要/作品集)

  • FOOD DESIGNER'S WORK(デザイナー個人の作品集や論考)

  • EXHIBITION CATALOGUE(展覧会カタログとして編纂されたもの)

  • PRODUCT(プロダクトとしての食、食にまつわるプロダクト)

  • MATERIAL(素材としての食、アップサイクル)

また、フードデザインに関連するトピックに関しても項目に分けて並べてみました。

  • GASTRONOMY(ガストロノミー領域での探求)

  • TECHNOLOGY(フードテック、食と技術と人の関係)

  • SCIENCE(フードサイエンス)

  • CITY, ARCHITECTURE((食と都市、建築、生産)

  • FOOD STUDIES(フードスタディーズ)

  • CULTURE(食文化、食の文化)

  • DIETARY HABIT(デザインされた食習慣、食べ方)

  • INGREDIENTS(食材、準備)

  • AGRICULTURE(農業、土)

  • SYSTEM(食のシステム、根底にある仕組み)

  • POLITICS(食のもつ政治的な側面、影響力、それに対する働きかけ)

  • ETHICS(倫理、職を通じて見えること、考えること)

  • PHILOSOPHY(哲学、食べるということ)

  • DESIGN ATTITUDE(前提となるデザインの視座)

  • ART(食文化の表象、食の見方を変えるもの)

ここにあげたのものが全てではないし、不完全だとは思いますが、まずは2023年2月時点での暫定バージョンということで、世界に放っておきたいと思います!(これは単なるリストなので、本当は自由に読めるような「フードデザイン・ライブラリー」が理想ですが、ゆくゆくはSPACE10が掲げるように「インスピレーションとコミュニティのための場所」にできると良いなと思いを馳せつつ・・・)

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本記事は執筆時点での情報をもとに書いたため、最新情報であるとは限らないことをご承知ください。また、本記事の内容は私見によるものであり、必ずしも所属企業の立場や戦略、意見を代表するものではありません。

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