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Google DeepMindが挑むアルゴリズムという開拓地

DeepMind社といえば、Googleが買収したAIベンチャーで囲碁の世界チャンピョンを破ったりタンパク質3次元解析で話題を呼びました。

過去にその輝かしい軌跡を描いたので引用しておきます。

実は2023年4月に同じくAplhabet傘下のAI研究所と統合して、「Google DeepMind」という名称に代わっています。多分中身に大きな変化はないと思いますが。

今はより実用的なAI開発に注力しており、最後に紹介したのは計算方法の改善。地味のようですが、深層学習はほぼ標準化しつつあり、それに使える計算方法、と聞くと結構意義があると思います。

計算方法の改善は処理速度に直結します。それが汎用的に使われる手続きであればなおさらです。

そんな計算手続き(アルゴリズム)の高速化を実現する新たな発表が同社より行われました。

ようは、
同社が開発したAI「AlphaDev(アルファデブ)」が単純ソートと暗号化の手順でより高速な方法を編み出した、
という話です。

Alphaシリーズ最新作、ともいえるでしょうか。Devという呼称のとおりソフトウェア開発(プログラミング)の革命を目指しているようです。

ソフトウェア言語にも、人間にとって優しい言語と、機械のそれとで大別され、後者の代表例が「アセンブリ」というものです。

今回は、AlphaDevはこのアセンブリでさながらゲームを攻略する(実際基盤はAlphaZero)ように探索して、最善手を見つけたそうです。

ご丁寧にそれをC++という人間が読み解きやすい言語(コンパイル)にして、該当言語を管理している団体に提出したそうです。
すでにこのソートについてはすでに一般に知られている使われているとのこと。今風のオープンな結果ですね。

どうも記事を読む限り、まだ可能性を秘めているように感じます。

ソート(整列)についてはわずか5つまでの項目に対して、今回高速化する方法を編み出しました。

そしてその探索はわずか297種類から行われました。

思ったより少ない、と感じるかもしれませんが、この数だけでも宇宙に存在する原子の数(10の80乗ぐらい!)を超えるアルゴリズムを作れます。

それぐらいアセンブリだと細かく調節出来るという見方もできますが、さすがにこれだと拡張が困難なので、今後はC++で同様のことを試みていくそうです。

これは学習するAI自体の開発環境、つまり機械学習性能にもかかわる話で、以前にも触れたNVIDIAが面白い基盤を発表しています。

そしてNVIDIAが先行しているように見えるAI開発フレームワークにも、まだまだ合戦は続いています。参考までに1つだけ記事を紹介しておきます。

NVIDIA(CUDA)以外にも、PyTouchやTriton(これもOpenAIが運営)が台頭してきているということです。あいにくこの合戦ではGoogleが提出したTensorFlowは下火という評価ですが。。。

いずれにせよ、この分野はなかなか表立って目立ちにくいですが、相当破壊力を秘めた動きではないかと感じており、社名代わっても引き続き注目したいと思います。

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