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サバンナへの進出が言語誕生のきっかけになった!?

昨年は生成AIが話題で、そのきっかけはLLM(大規模言語モデル)の飛躍的な進化(&UI)でしょう。もっといえば、そのデファクトになりつつあるTransformerという発明(&オープンソース化)が大きいです。

AIの母にあたる我々の「脳」での言語処理も、AIが解き明かそうとしている話を以前にしました。

ただ、これらは「言語の処理方法」の研究で、そもそも「なぜ言語を発明することができたのか?」については教えてくれません。

以前より諸説ありましたが、最近の研究論文で新しい説が発表されているので紹介します。

ようは、
人類は密林からサバンナ(平原)に進出したことで言語が誕生しやすくなった、
という話です。

興味深いのが、母音と子音の違いです。今回の研究もその移り変わりが言語という複雑な発明を助長した、としています。

母音と子音は発音の違いだけでなく、「遠くからの聞きやすさ」に大きな違いがあるそうです。
実際400メートル離れた場所では、母音の鳴き声は20%、子音は80%の確率で聞き取ることができるという実験結果も紹介されてます。

いきなり何?と思うので、人類史に戻ります。

ある時期(1600万年〰530万年)に、当時住んでいたアフリカの密林が気候変化でサバンナに変容し、ヒト科は新しい環境に適応する必要に駆られていました。

これはヒト科以外にも共通では?と疑問に思ったのですが、以前にどこかで「ヒト科は昔はそんなに強くなかった」という話を聞いた記憶があります。
つまり、弱者だからこそサバンナで生き抜く進化圧が他の種族より強かったのだろう、と想像します。
サバンナで生き抜くのに重要なのは、食糧が減ったことと、視界がひらけているので敵に見つかりやすい、という点です。

ということで、進化圧の結果、遠距離でも情報(天敵が近づいてないか、食糧があるか、など)を伝える能力が高まり、それが前述で触れた、鳴き声の子音化につながるわけです。

そもそも母音と子音の特徴すらしらなかったで、言語そのものへの関心が高まりました。

Wikiを覗くと「言語の起源」はいろいろあり、先史時代だからこそ、その証拠集めが難しいようです。

最新科学という観点では、生命科学、特に遺伝子解析からの探求も行われており、過去にもその路線で書いた記事を載せておきます。

ようは、FOXP2という人類特有の遺伝子が言語発達に貢献した、という話で、その遺伝子が発生したのはある意味偶然性(諸説ありますが個人的に支持しているのは隕石飛来によるDNA損傷)による可能性もあります。

そもそも「進化圧」という言葉も、厳密にはメカニズムがはっきりしておらず、なかにはそれこそ淘汰(環境適応できずに絶滅)でなく偶然であるという考え方もあります。関連投稿を載せておきます。

先日も紹介したように、最新科学で従来の常識とされていた人類史が覆されそうとしているように、知能探求で一番重要と思われる「言語」へのジャーニーにもゴールテープが見えてくるかもしれません。

言語の起源はAIの研究にもどこかでつながるかもしれません。この古くて最先端の研究には目を光らせておきたいと思います。

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