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田勢康弘「ここだけの話」just between us

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政治ジャーナリストの田勢康弘代表が今世界で起こっている事象を独自の視点で分析します! ここだけでしか読むことができない、まさに「ここだけの話」~just between us~ … もっと読む
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記事一覧

東京都議選  真の敗者は“友だち主義”

東京都議選  真の敗者は“友だち主義”

 東京都議選の真の敗者は安倍首相である。安倍首相の“お友だち優遇主義”に東京の有権者がレッドカードを突きつけたのだ。森友学園、加計学園問題、なぜか依怙贔屓し続ける稲田防衛大臣、同じ派閥の豊田真由子代議士、そしてトドメは側近の下村都連会長の献金疑惑。これらの疑惑がまったく解明されぬまま選挙戦に突入した。高水準だった内閣支持率は急落し、盤石に見えた「安倍一強」の石組みは音を立てて崩れ始めている。

 

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権力との距離見失うメディア

 新聞やテレビなど報道機関とそこで報道に携わる者は、権力と一定の距離を置かねばならない。この当たり前のことが忘れられている。新聞が新聞であるために必要なことは「権力の監視」であって権力の弁護などではない。安倍首相と報道機関の関係で、その規範が崩れてしまっている。憲法改正に対する考え方を国会で問われた安倍首相は、自らのインタビュー記事を大きく載せた読売新聞を熟読してほしい、と答弁した。半世紀、政治を

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加計学園問題 安倍ー中曽根戦争か

 愛媛県今治市に新たに岡山理科大の獣医学部をつくるという加計学園問題は、思わぬ方向に発展しそうな気配である。「官邸のトップレベルのご意向」などと記された文部科学省内の文書が出回り、官邸サイドは「怪文書のようなもの」と一蹴してきたが、最近まで文科省のトップだった前川喜平前事務次官が「私の手元にあるものと同じで、文書は本物」とインタビューで断言した。官邸サイドや自民党内では、そもそもこの文書をリークし

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ロシアゲート トランプ氏窮地に

四国新聞掲載「愛しき日本」5月22日付けより

 就任してまだ4ヶ月のトランプ米大統領、いま中東・欧州を旅行中だが、ロシアとの不透明な関係をめぐる「ロシアゲート」問題で「終わりの始まり」などといわれている。北朝鮮危機や米国の保護主義をめぐる世界経済の混乱のさなか、特別検察官ロバート・モラー氏(前FBI長官)による捜査の結果次第では、全世界に大きな影響を及ぼす。唯一の大国のふがいなさに愕然とする一方

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ポピュリズム全盛の世界で日本だけ例外の理由

 世界の政治からイデオロギーが消えポピュリズム全盛時代となった。その中で日本だけはなぜポピュリズムではないのか。なぜ安倍一強なのか。そういう問い掛けにはこう答えることにしている。有権者がポピュリズムを志向する前に総理大臣自身がポピュリズムに走っているから。この答えは日本人よりも外国人に受ける。

 ポピュリズム総理は国会答弁をまるで寄席で落語でもやるように遊んでいる。憲法改正について聞かれて「私の

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憲法改正  国民巻き込む議論へ

四国新聞掲載「愛しき日本」5月9日付けより

 安倍首相が憲法改正について重大な発言をした。2020年に改正憲法を施行したいということと憲法9条に新たに第3項を加え、自衛隊の存在を明文化するという内容で、いずれもこれまでに議論さえなかったものである。なぜこの時期にこの内容なのかとさまざまな憶測が飛び交うが、3年後の施行と時期を明示したことから、国民的な議論が巻き起こることは確かだろう。



 

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緊迫の「米・北」 誰も理解不能、金正恩氏

四国新聞掲載「愛しき日本」4月24日付けより

 米海軍原子力空母カールビンソンが日本海へ向け北上。海上自衛隊護衛艦2隻が同行する。朝鮮人民軍創設記念日の25日を前に緊張する北東アジア。55年前のキューバ危機は米国とソ連の核戦争直前まで行った。あのときのように直前で危機を回避できるのか、それとも…。その鍵は「金正恩」という理解不能な指導者が握る。

 「金正恩」という人物はいかなる人物なのだろうか

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金正恩斬首作戦の真実味

 サリンを撒いたという理由でトランプ大統領はシリアを爆撃した。米国は絶対まちがいないと断定しているが、証拠を示していない。ロシアは証拠を示せと批判する。

 シリアのアサド政権側は反政府軍より優位に立っていた。首都アレッポを奪還制圧しこのまま推移すれば勝利は時間の問題だった。国際的な批判は確実に予想されたのに、あえて危険を犯してサリンを使う必要がどこにあるのかといぶかる声が強まってきた。またトラン

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にわかに「解散風」 森友学園籠池理事長証人喚問後のゆくえ

 「それなら籠池を呼べ!証人喚問だ」と安倍首相の鶴の一声で、参考人招致さえ拒否していた与党が、森友学園籠池理事長の証人喚問に応じた。側近の菅官房長官は反対したが、“殿”の怒りは収まらぬ。

 ここで収拾しないと大変なことになりかねないと与党は綿密な作戦会議を開いて証人喚問に臨んだ。結果は大失敗。安倍首相をかばおうとする与党の姿勢が見え見えでかえって逆効果だった。

 おまけに「昭恵夫人の証人喚問を

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籠池発言の意外な信憑性 森友学園籠池理事長証人喚問

 WBC野球で日本代表が決勝に出られなかったため、森友学園の籠池理事長の証人喚問を参院、衆院と全部ネット中継で見た。野球とぶつければ視聴者は減るだろうと目論んだ与党は、計算違いだったろう。それより誤算だったのは籠池という人物の胡散臭さを印象づけようとしたが失敗したことだ。

 すべての応答を聞いてみてびっくりしたのは、籠池氏の発言に説得力があることだ。あの受け答えと表情から、嘘をついているようには

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WBC野球決勝戦か証人喚問か

 森友学園問題は3月23日、国会での証人喚問で最大のヤマ場を迎える。

 これまで「参考人」としての国会招致を拒んできた自民・公明の与党が、一転して「証人喚問」に応じることになった。出席を拒んだり、虚偽の発言をすれば刑事罰が加えられる証人は、参考人とはまったく違う。かつてロッキード事件で証人として招かれたある民間企業の経営者は、極度の緊張で宣誓書への署名の際に手の震えが止まらなかったことがある。

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誰かが嘘をついている

 大阪の森友学園問題が何やら風雲急を告げそうな気配になってきた。

 籠池理事長が「たくさんの人の意思をいただきこの小学校ができることになった。その意思の中には安倍内閣総理大臣からの寄付も含まれている」と爆弾発言をした。きちんと手続きを踏んだ寄付であれば違法ではないが、一切の関係を否定してきただけに仮に真実なら大変なことになる。首相はすぐに否定したが、籠池氏にインタビューしたジャーナリストによれば

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朝鮮半島から目が離せない

 朝鮮半島で何かとんでもないことが起こりそうな気がする。

 金正男暗殺で、さすがの中国も金正恩を見限ったようだ。中朝国境が軍事的に緊張状態にあるという情報もある。もはや北の金正恩をかばおうとする国は1つもない。完全に孤立した金正恩が窮鼠猫を噛むでとんでもないことをやらかすか、あるいは密かに金正恩体制の転覆をねらった国際的工作が奏功するか。

 米国CIAはかつてイラクのフセインやリビアのカダフィ

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官邸がおかしい

 森友学園問題はずっと安定してきた安倍政権をゆさぶっている。二度目の首相就任以来、最大の危機に直面している。そのせいかこのところの首相官邸はどこかぴりぴりした雰囲気に包まれていると多くの政府自民党関係者が口をそろえる。

 籠池理事長が記者会見を開き、テレビ各局が中継し、終わりかけたころ、NHKは突然、南スーダンからの自衛隊の撤収ニュース。安倍首相が「危険な状況という理由ではない」と記者団に語った

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