見出し画像

筋ジス太る!適正体重は?【公表と宣言編】

みなさんもお家時間が増えてお腹周りが気になる人も多いのではないでしょうか。「運動不足で太ってしまった」「ついつい間食してて太っちゃった」僕もそうです。ついつい間食や食後のデザートを食べたいと思った時に食べていました。お腹いっぱいの食後に食べるアイスってなんであんなに美味しいのでしょう?(笑)至福のひとときです!

重度障害があっても料理は作れる。

現在、僕は地域で一人暮らしをしています。一人暮らしと言っても難病「肢体型筋ジストロフィー」を持っているため、生活のさまざまな場面にサポートは欠かせません。信頼できる介助者の皆さんに24時間サポートをしてもらえるおかげで、行きたい所、やりたい事、自分の思う生活を叶えることができます。
料理も作りたいメニューを考えて介助者に指示を伝えます。切り方から入れる順番、火加減に入れる調味料の量もこと細かく伝えて食べたい味に近づけて行きます。分かりやすく伝えるのって案外難しいのです。このことを僕たちは「マウスクッキング」と呼んでいます。

5年前までは病院生活。

この生活を始める5年前は病院に長期入院をしていました。21年間の入院生活では自分の思う生活がなかなか出来ませんでした。決められた日程や時間に生活を合わせなければならず入院患者として管理されます。
なにより辛かったのは、食べたい時に食べたい物が食べれないことです。病院ですので食事は三食決まった時間に治療食が提供されます。その食事も一般の入院食とは別で「筋ジス食」という病気専用にカロリーや塩分量などが計算された食事でした。運動量が少なく消費エネルギーも少ないという理由でカロリーを減らされ、病名で食べるものを勝手に決められてしまうのは悲しかったです。

病院で出される夕食「筋ジス食」


「筋ジス食」は三食で塩分量5g未満、そして1500kcal以内と個人的には健康的?とは思えない食事でした。色々考えられた食事なのかもしれませんが、そもそも口にしなければ何の意味もありません。味はとても薄く、よく言えば素材の味が楽しめます。朝食には味噌汁も付きますが、その味噌汁も当然薄味です。2/3は透明でお吸いものかと勘違いをするほどお味噌が少なく下の方に少し味噌ゾーンが沈殿している程度なんです。

食べなくなり、食べれなくなる。

同じ食事メニューのサイクルにどうしても飽きてしまい、もっと脂っこく濃い味が食べたい!!そうは思っても病院では叶わず、食べられるタイミングは年数回の外出の時と親が面会の時に差し入れしてくれた時だけです。
食べることが大好きだったのにいつの日からか食べることが楽しみではなくなり、「食事の時間が面倒臭いなぁ」ともさえ思うようになっていました。食べ残すのが当たり前になってしまうと、いざ食べようとしても食べることができない身体になっていました。そもそもしっかり完食していたとしても「筋ジス食」はカロリーが制限されているので太ることありません。体重は常に小学生並みの30キロ前後しかありませんでした。

長期入院時「体重30キロ台」の写真

主治医の先生からは30キロを切ると体調や体力の維持ができなくなるからこれ以上は痩せないようにと言われ続けて、気づけば毎食に高カロリー栄養補助食品(メイバランステルミール)と牛乳がプラスでつくようになっていました。毎月の体重測定はビクビクです。また減っていないかな…30キロはあってくれよ~!食事の時間は、楽しむのではなく栄養をとる行為として高カロリー補助食品を飲む。そして、少しご飯をつまむ。そんな入院生活を続けて体重をなんとか維持していました。

一人暮らしで食欲爆発。

21年間の入院生活から退院をして地域で生活を始めると当然ながら三食自分で用意することになります。今までは黙っていても時間で食事が三食配膳されていましたが、食べたいものと栄養を考えて自分で作るようになると用意することの大変さを知り(美味しくはなかったですが…笑)作ってもらえるありがたみを自分で作るようになり感じました。
元々食べることが大好きだったので、自分で作って食べていい環境になったら、今まで食べたことがない料理に挑戦してみたくなったり、好物のメニューをたくさん作りましたね。(失敗も多数…それを一人で食べ切るのは辛いです)

マウスクッキング料理

料理も作り続けていると感覚でわかってくるようになり、塩加減や火入れのタイミングなど、計量スプーンなどを使わずに味が決まったときは「僕って天才!」と介助者に聞こえないように心でつぶやきます。
はじめの頃は、晩ご飯に一品を作ってもその晩では食べ切れず次の日お昼、それでも食べ切れずまた晩ご飯になることも度々ありましたが、地域生活も5年目になると胃も徐々に大きくなったんでしょうか?どんどん食べれちゃいます。お腹が破裂するかもと思うくらい食べるようになりました。入院していたころの自分が見たらびっくりすると思います。
作るのも楽しくて、美味しいものが食べれる今は食事が楽しみのひとつです。美味しいものを求める探求心の目覚めと共に食欲も爆発している現在、衝撃の事実が発覚します。


ついに太った!?

皆さんは体重を量るときは体重計の上に立って量るかと思いますが、僕たちのように重度障害があり体重計の上に立てない人はどうやって体重を測定すると思いますか?
多分見たことがない人が多いかもしれませんが、病院だと車椅子に乗ったままで量れる体重計や寝たままで量れるストレッチャータイプの体重計があります。車椅子の患者さんや呼吸器の患者さんはどちらかを使い量ります。僕は寝たまま量れるストレッチャータイプで毎回量っていました。

ですが、在宅ではそのような体重計がないので(高価で買えません!置く場所もありません!)病院のようにはいきません。
では、どうやって体重を量るかと言うと、とても原始的な方法で量ります。

介助者が僕をお姫様抱っこをして家庭用の体重計に一緒に乗り、僕と介助者の合計体重を出した後、介助者の体重を引いて僕の体重を割り出します。

自宅で体重測定


この方法なら普段の抱えと同じなので安全で正確に量ることができるのです。ですが、介助者は結構辛そうです(笑)なぜなら同じ体勢で一定時間僕を抱えたままフリーズしてないといけないからです。動くとエラーになってしまうので根性でいつも頑張ってもらっています。

そんな介助者の頑張りで量った体重ですが、今回、皆さんにだけ公表します(笑)2022年5月下旬現在。
な!なななんと!! 40,5キロに成長していました。
一番痩せていた入院生活時代から比べると10キロ以上も増えたことになります。身近な人からは重くなったといわれる今。美味しいものを美味しく口から食べれること。食べることに幸せを感じられると自然と体重も増える。
食事は体調と心の安定に大きく影響してくると実体験で感じました。

以前との違い。

なによりご飯が美味しいです。
痩せていた頃に比べて体調も安定しているように感じます。
身体で感じる疲れも少なくなったため、風邪などで寝込むこともなくなりました。ですが、身体は着実に重くなっているのを感じますね。動かす身体が重い!

5年間の容姿の変化


体重増加に伴い主治医の先生に相談したことがいくつかあります。それは、体重が40キロになり体調や病状的に影響ないのか問題です。血液検査や定期検査で問題は今のところないようですが、体重増加に伴い血液量が増えるので心臓への負担が増えてくるとのことでした。ですが、プラスの働きも多いとも言っていました。腸の動きにとって腹部の脂肪がある程度ある方が良く、痩せ過ぎると腸の動きが悪くなるようです。確かに思い返すと便秘が多かったと思う。肺も痩せていると気胸になりやすく胸周りの脂肪も大切なようです。
筋ジストロフィーは関節の筋肉も少ないため痩せると関節が緩くなり抱えにくくなります。なので体重が増加すると関節にも脂肪が付き、安定するので抱えやすくなります。
あとの大きな問題は…介助者が抱えられるか問題です。今のところ抱えが厳しい介助者はいませんが、今後はわかりませんね(笑)

適正体重を探る。

体重の増加により良い部分、よくない部分が見えてきましたが果たして、自分にとっては何キロぐらいが適正(生活のしやすさ、身体に負担がかからない)体重なのかが分かりません。病状や体格もそれぞれ違うので先生も一概に言えないようです。
痩せ過ぎも良くないが太りすぎもよくない。
それなら実体験で「マイ適正体重」をみつけることに決めました。
今身体が少し重いので、動きやすいなと感じるところまで、身体と相談しながらダイエットをしてみようと思います。急激な体重変化は身体に負担がかかり良くないので定期診察で健康状態を把握しながら年間を通して優しいダイエットに挑戦します。
美味しく楽しく食べながら、身体にとってベストな体重を見つける挑戦を温かく見守ってくれると嬉しいです。

また、近いうちに報告いたします。
最後までお読みいただきありがとうございました。
それでは次回【報告偏】でお会いしましょう。






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?