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48歳からのマラソン・チャレンジーFrostbiteRoad Race(2023)



レースへのエントリーまで

これまで自転車について書いてきましたが、もともと走るのは好きでロードに乗る前から、健康のために近所の公園をグルグルと走る習慣がありました。初めは夜に走ることも多く、ラップタイムも気にせずに、距離も3〜5km程度で満足していました。
ところが、ロードバイクでヒルクライムをするようになると、脚の筋肉や心肺機能が鍛えられたのか、自然とランも速くなって走行距離も伸びて行きました。
僕の心底からの実感として、ロードのヒルクライム(とパワートレーニング)はランナーにとって最高のクロストレーニングだと思います。

そして、いつの頃からか、ランの日は早朝4〜5時くらいに起床して走るのが習慣となり、ロードとランとの二刀流でのトレーニングが日常となりました。

そんなある日(2022年)、妻が「横田基地でフロストバイトと言うハーフマラソンがあるらしいよ。そんなに走ってるなら出てみたら?」と言い出しました。調べてみると、ランナーの間ではそこそこ有名なイベントで、横田基地内を走ることができる滅多にないチャンスのよう。

大会のHPによると

一歩横田基地内に入れば、目につくもの、耳に入るもの英語だらけ!フレンドリーでオープンな雰囲気の中、スタッフもアメリカ人中心で英語でのコミュニケーションも楽しめます

Frostbite Road RaceのHPより

とのこと。さらに参加賞のトレーナーもちょっとダサカッコイイ感じのアメリカンカジュアルで魅力的

ただ僕は、あまり乗り気ではありませんでした。ひとりで公園を走って美味しいご飯を食べるだけで、十分に楽しかったからです。
普段は気ままに好きなペースで走っている僕にとって、ゴミゴミした受付、決められたスケジュール、集団でのラン……など、全てが億劫に感じました。さらに、レースにエントリーすると、やっぱりどうしてもタイムを意識してしまう。「速く走らないと!」みたいな精神的圧迫感を感じながら走るのもかなり嫌でした。

そんなわけで、しばらくはエントリーせずにいたのですが、なぜかこの時は妻が妙にしつこくフロストバイトの話を持ちだし、僕もなんとなく「エントリーしてみようかな…」という気分になっていきました。

レース準備

基本はロングラン

初めてレースにエントリーしたとはいえ、所詮は近所の公園800mを音楽を聴きながら走っていた中年なので、凝ったトレーニングメニューは思いつきません。
とりあえず何冊かの本に目を通し、考えたのはとりあえず距離を踏むというシンプルな計画でした。そもそも息が弾みつつも気持ちの良いくらいの強度で長く走るのは好きだったので、楽しんで取り組めるロングランを軸にしたわけです。

12月前半のトレーニング記録。ランニングと自転車(オレンジ)。ランニングは基本ロングラン。

走れない期間はローラー(自転車)トレーニング

私の実家は東北地方。年末は家族で帰省します。
そう、雪です。雪なんです。雪が積もってランニングは難しいのです。
そこでローラー台を車に積んで、実家の縁側に設置して、基本的に年末年始はローラーでトレーニングをしていました。L4(僕の場合、230W以上)でのインターバルや130bpm程度で一定時間踏み続けるトレーニングが中心でした。

年末年始のトレーニング記録。自転車中心。ただ心肺機能はランニングだけよりも鍛えられたと思う。

怪我と故障…

東京に戻ってきて「ようやく走れるぜ!」と喜んだ僕は、いつも通り早朝走り始めたのですが、膝周りに妙な痛みが…
実家でのトレーニングは大半が自転車で足休めができたと考えていた僕は、この痛みの原因が理解できませんでした。しかし今ならわかります。着地衝撃があるランニングは、むしろ、しばらく走らなかった後が要注意。着地衝撃に慣れてない足が突然の衝撃を受けて故障することが多いです。休み過ぎは逆に衝撃耐性を弱体化させて怪我しやすくなる気がします。

足に違和感を覚えた時期。ランは1日おきになっています。ランも低強度にして、かわりに自転車を入れています。

ここからはレースも目前なので、いかに脚に負担をかけずに鍛えるかという微妙なバランスを模索しました。基本的に二日連続して走ることはせずに、走ったとしても強度は落として、補完的に自転車のトレーニングを利用しました。

レース直前

レースまでのトレーニング記録。

レース直前はとりあえず「当日走れる脚」を作るためにランニングは最小限にして、ローラーを利用したパワートレーニングで心肺機能は維持していました。
とりあえず重要なのは参加賞のトレーナーをゲットすることで、「あとはなるようになれ」といった気分で本番を迎えました。

レース当日

「外国」としての横田基地

何度も前を通り過ぎている横田基地でしたがそこはやはり「外国」を感じる場所でした。パスポートを提示して中に入ると、すでに多くのランナーが集結。グループで参加してテントまで用意している人が多いのに驚きました。

横田基地の入り口
当日の様子

しかしとにかく寒かった! 体育館のような場所で受付なのでそこに滞留して寒さをしのぎつつ、スタート地点に向かったのですが、しばらくしたらアナウンスがあり大幅にスタート時間が遅れるとのこと…… 震える寒空の下、難民のように避難先を探す群れ(笑)。さすがアメリカン。かなり大雑把な大会運営ですが、それも「味」と言えるかもしれませんね。

レース記録

レースが始まって驚いたのは、自分がキロ3分50秒台で走っているということでした。普段の練習では走ったことのない速さでしたが、心肺的には問題ない感じ。不思議に感じました。
以下が当日のスプリットです。

Stravaの記録

アドレナリンが出ていたということもあるかもしれません。
しかし普段、あまり恵まれない(?)コースでトレーニングしていた効果が発揮されたのが大きかったように思います。
普段、僕は800mの曲がりくねった公園を、速いペースだと4:15/km程度で走っていました。そこしか知らないので、それを当たり前だと思っていましたが、横田基地内の広く、直線的な走りやすいロードだと、普段通りに走っていてもラップタイムが短縮されるようです。

また以前の記事にも書きましたが、僕は基本的に早朝早く起きて子供が起きてくる前にトレーニングを終えるようにしています。必然的に朝飯前に無補給で走るのが普通なのですが、それが代謝の効率性を高めていたのではないかとも考えています。本番では朝食でエネルギー補給をしてレースに出ているので、その分身体に余裕がありました。

結果は以下の通り。

レース結果

実際はハーフよりも距離が短いです(笑)。スタート時間だけでなく、距離までもが大雑把な大会でしたが、みんなフレンドリーで愛すべき大会でした。

初めてのハーフマラソン雑感

初めてレースに参加して感じたことをここにまとめておきます(トレーニングに関しての体系だった考察はまた別に書いてみたいと思います)。

ロングランは効果的

今回は基本的に「無理せず、楽せず、リズム良く」を旨とした有酸素レベルのロングランが主体でしたが、初心者が長距離を走れるようになるには、これが最も効果的だと今でも思います。

故障しないのが最良のトレーニング

ただし、ロングランの強度は考える必要があります。それは着地衝撃による故障の問題です。歩きも混ぜながら、低強度からじっくりとトレーニングを計画すれば今回のような故障は避けられたかもしれません。また休養明けが(衝撃耐性を失っているので)むしろ要注意という点も学びました。

クロストレーニングの効能

ラッキーだったのは、僕がサイクリストだったという点です。使う筋肉が異なるため、ランニングで痛めた脚も自転車は問題ないことが多いです。そのため心肺機能はきちんと維持することができました。また消費カロリーも一定に維持できるので体重増加もありませんでした。
ただ僕にとって自転車は補助的役割というよりももっと積極的な意味を持っています。心肺機能、代謝の効率化という点において、ロードでパワートレーニングをした方が、ランニングだけしているよりも速く走れるようになる気がしています。

本番は基本速く走れる

結局、普段のトレーニングで無理してレースペースにこだわる必要はないのではないかと思います。環境の整ったレース本番は、どっちにせよ歩道や公園内を走るよりも速く走れるからです。
たまに目指す速さを体感するために頑張ってみるのも良いかと思いますが、脳に誤った「限界値」をインプットする気がして、僕は今でも練習では100%で走りません。基本、トレーニングの後に「まだ行けるよね」と脳が感じられる程度の強度で終えています。

ダサカッコイイ?アメリカンカジュアルなトレーナー。
今では息子が好んで着用。これだけでも参加する価値がある(かな?)。

初挑戦となったハーフマラソンは、意外と楽しいものでしたが、ここで頑張ったツケがきて、しばらく僕はシンスプリントで苦しむ羽目になります。その後にひょんなことからエントリーすることになったつくばマラソンについては、また次回?書いてみたいと思います。

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