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初めて上海に行ってきた(中国も初めて)

とにかく都市としてのスケールが大きい。高速道路を走っていても高層ビルがいつまでも続く。東京は駅を中心として密集しているけど、上海は広大な土地に途切れず大きなビルが建てられている。そしてビルの形は個性的。その足元には古い建造物も至る所にあり、最先端のビルと古くて朽ちかけている建物が混在している。スクーターがやたらと多いが、音は静か。どうやら殆どが電動なんだとか。ただ、街中はクラクションが常にけたたましく鳴り響いている。ヘルメットを被っていないので、日本のルールに慣れていると風景に違和感を感じる。大都会なのに荷物を大量に乗せたリヤカーがたくさん走っている。見た目は昭和の日本にいたような、でも、よくみると電動で走っている。
ある店に行ったらイスラエル人がオーナーで、ブラジル人がメインのスタッフ、オペレーションはフィリピン人とカンボジア人、清掃は中国人、顧客は多国籍、言語は英語、というところがあった。街の中心部にはH&Mとコラボした安室奈美恵さんの巨大な写真があって驚いた。日系企業ではないのにそれだけ人気があるのだろうか。自分が見た範囲では、コンビニは日系企業のものが多い。ファミマがけっこうある。ローソンもあった。コンビニの店舗スペースは日本に比べるとかなり小さい。他にも、ユニクロもあればMUJIもJINSもある。
街がきれいかと言うと、そういう場所もあるが、東京に比べるとそうではないところがたくさんある。工事現場の整頓のされていなさや、きれいなオフィスビルでさえも天井などは日本だったら竣工検査を通らないような雑な仕上がりだったり。日本人的感覚だと品質が悪い、という話になるのだろうけど。
中国のWiFiを使うとGoogleやFacebookがつながらない(日本から持っていったスマホの4Gからはつながる)。米国ITジャイアントの一部分を大胆に国から締め出しているのは、よく知られている話だけど、何だかすごい。一方で、中国ITジャイアントと呼ばれるアリババ、テンセント、バイドゥの存在感は日本にいるとわからない。僕も遅ればせながらWeChatを使い始めてみた。使わないと新たに出会った人とチャットができない。1999年に創業のアリババ、1998年に創業のテンセントは今や日本で1番時価総額が大きいトヨタの2倍以上の時価総額になっている。これで言うと、上海だけじゃなくて、中国の多くのハイテク企業の本社所在地になっている深圳にも行かないと。
Uberの中国事業を買収した企業価値600億ドルの配車サービスDidiのアプリは本当に便利で安い。ドライバーは英語が通じないことが多いのだけど、会話もせずに行き先を確実に伝えて支払いもドライバーとする必要がないのは外国人にとっても大変便利。新たな雇用を産み出しているのだろうけど、ユーザーが支払う価格は安いので、働き手でたくさん稼げる人はほんの一握りなのではないだろうか。全体的に人ごとの経済格差はかなりあるように見える。鄧小平の唱えた先富論は脈々と受け継がれているのだろうか。つい最近、大きな事件があって大問題になってもいる。それでも止まらずに発展していくのだろうか。そうだとしたら流石は中国という気がする。
どこかでコントロールしている巨大な何かがあるようで、それでもいろいろなものを取り込んで、さまざまな文化がミックスされて、その中で生きている人々には力強さと活気がある。ブレードランナーの世界を彷彿とさせる街だった。
この雑然としたものを許容するカルチャーと、トップダウンの力強さがミックスされての経済・技術発展なのだろうな、と肌で実感した。過剰品質は、日本から世界の中での活力と経済力を奪ってはいないだろうか。この近くて遠い偉大な隣人から学べることはたくさんある。

その上海から離れる時、長く上海に在住されている大先輩から人生のTipsを聞かせていただき1つ早速真似をしてみた。異国に行ったらエアメールを子どもに送る。僕もホテルをチェックアウトする時にポストカードに自筆でメッセージを書き、家族と実家の父宛に送ってみた。届くのは数日後になるのだろうけど、特に娘にとってはメールやLINEよりも記憶に残るような気がするし、もしかしたら記念に長く持ち続けてくれるかもしれないと期待しながら。そして、娘の視野が広がる一助になることを願って。


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