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#Web小説の感想とご紹介『第8回、前森コウセイ様の「転生家族」、掲載中の第一部までを読んで(一部ネタバレあり)』

ビフです。
今回、取り上げさせていただく、Web小説はこちらです!

カクヨムで第一部までが、公開中の『転生家族』の感想とご紹介をさせていただきます。


前森コウセイさまの書かれたこちらの作品を、一言で表すなら、前世で不幸な家庭を経験した人たちが、転生した異世界で出会った、それぞれに不幸な前世の記憶を持つ人たちと仮初(かりそめ)の家族になって、、、

数々の困難試練を乗り越え、成り上がってしあわせになるお話です。


前世での不幸な家庭から、仮初(かりそめ)の家族になるのは、巨漢のノルドと貴族令嬢のユリシア、遺跡で見つかった赤子のサティです。


冒頭で、ノルドとユリシアは、冒険パーティとして偶然に仲間になるのですが、そこで探索に向かった遺跡で、赤子のサティを見つけ、ふたり仮初の夫婦となって、彼女を育てる約束をします。


仮初である夫婦。婚姻関係を結びつつも、ユリシアは過去に、尽くした男性に婚約破棄をされたトラウマがありました。ノルドもそれを承知で、彼女に触れないことを約束します。


そんな仮初の夫婦ですが、回を重ねるごとに騎士であり、父親としての振る舞いを裏切らないノルドに、ユリシアの恋も募っていきます。


サティは、純粋で可愛らしい幼な子ですが、前世での虐待経験もあって、暗い一面をのぞかせる回もあります。
それを、ノルドとユリシアの愛情で、乗り越えていくのも、魅せ場となっています。


古典的な成り上がりストーリーに、夫婦愛や娘の教育といった要素もこめられ、全体的にアットホームな雰囲気がただよう作品でした(そこに「兵騎」といった、搭乗型のロボットアクションの要素も加わります)


封建社会にある、様式に縛られた異世界の王侯貴族と、庶民たちの関係や生活も、よく描かれています。


例えば、王族の処罰には減刑がなされるなど、世界設定に矛盾を感じずに、物語に没入することができたのは嬉しかったですね。


野性の魔獣をも薙ぎ倒す、巨漢ノルドの豪胆であけっぴろげな性格には、好感が持てます。
夫と娘を見守るユリシアは甲斐甲斐しく、娘サティは天真爛漫で、健康的な一家のありかた、、、理想の家族像が気持ちよく描かれていました。


それも、ひとえに前世での不幸な体験から「この転生した世界でこそ、しあわせな家族を!」と願う彼らの心が、仮初の家族を本物以上の愛で包みこんでくれているのでしょう。


2023年2月14日、今現在、1部までが、カクヨムで公開中の『転生家族』。前森コウセイ様には、素敵な物語と出逢わせてくださって、感謝するとともに、ぜひ完結までがんばっていただきたいと願っています!

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