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ネタにできる古典

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古文や漢文の作品から、生徒受けが良さそうなものをピックアップしておいておきます。備忘録。
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記事一覧

<ネタにできる古典(18)>手紙の話(源氏物語、十訓抄、徒然草)

 不用意な文言が炎上を招くのは現代に限ったことではないのかも知れません。建長四年(1252)…

Kei
1年前
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<ネタにできる古典(17)>恋して死ねって言われる男たち(万葉集、伊勢物語、後撰集…

 「好きすぎて死んじゃう!」という死ぬ死ぬ詐欺の片思い男は傍目から見ていてもうざったらし…

Kei
1年前
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<ネタにできる古典(16)>対バン勝負のコツ?(『風姿花伝』より)

 「秘すれば花」で知られる『風姿花伝』。哲学的な言葉で深淵を覗かせてくれる奥義書のような…

Kei
1年前

<ネタにできる古典(15)>星の歌(『建礼門院右京大夫集』など)

 今夜は星について少し。  星は『枕草子』に「星はすばる。彦星。夕づつ。よばひ星。すこし…

Kei
1年前
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<ネタにできる古典(14)>夕暮れについて対話する古典(和歌、連歌、枕草子より)

 和歌を軸とした「秋」そして「夕暮れ」にかかわる言葉たちが織りなす、数百年をかけた対話を…

Kei
1年前
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<ネタにできる古典(13)>この話のヒロインの年齢、だいたい君らの母ちゃんくらい(…

 この話を使って高校生に授業すると、だいぶ盛り上がります。  恋のこと、夢の通い路のこと…

Kei
1年前
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<ネタにできる古典(12)>男の色気(『徒然草』より)

 今夜は兼好法師『徒然草』より恋の指南。と言っても口説き方などではなくて心構えの話です。  いのち短し恋せよ少年。  

〈ネタにできる古典(11)〉たのしみは(橘曙覧の歌から)

 古典入門本で取り上げられることも多い橘曙覧。その「独楽吟」は原文のままで今なお僕らに刺…

Kei
1年前

<ネタにできる古典(9)>宴の松原はガチ

 高校で読むことも多い『大鏡』の肝試し話です。  長いのであらすじだけ。   ある雨夜の…

Kei
1年前

<ネタにできる古典(8)>人は見た目が9割

 イケメンは正義。  そういう身も蓋もねえ話をスパッとしちゃえるのが清少納言の姉さんです…

Kei
1年前
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<ネタにできる古典(7)>琵琶湖の氷

  今夜は最後の勅撰集『新続古今和歌集』春歌上から、琵琶湖の氷のイメージを探ります。  …

Kei
1年前
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<ネタにできる古典(6)>別に君を求めてないけど 横にいられると思い出す

 香りは過去を連れて来ます。『失われた時を求めて』などは正しくそれ。マドレーヌを紅茶に浸…

Kei
1年前

<ネタにできる古典(5)>稲妻の歌

 『六百番歌合』の名勝負からひとつ。良く似た稲妻の歌。  同じ稲妻を歌った二首で、「露に…

Kei
1年前

<ネタにできる古典(4)>悪役令嬢in平安王朝

 『大鏡』より、悪役中宮・安子にまつわるエピソードです。安子さまのライバルの小一条女御は髪の長さで有名でした。彼女の髪があまりに長く、牛車に乗り込んだときでも髪の先端が建物の中に残っていたほどだったとか。  そんな小一条女御と安子さまは同時に帝に呼ばれたようです。安子さまはセット扱いされて怒ります。プライドもありますでしょうし、そりゃ怒りますよね。  安子さまの怒りはまず女御へ向かいます。壁に穴を開けて土器のかけらをぶつけてます。土器のかけらをぶつけられてる女御はきっと、