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扉を開くとそこは魔界でした。

*このnoteは、骨や剥製などセンシティブな画像を含みますので苦手な方はご注意ください。

以前に書いた記事がきっかけで、最近 noteで繋がっている方がSipkaにご来店頂くことが多くて嬉しいです。


オリンピア様モテモテですね。。。

そして皆さん、Sipkaにご来店頂いた際のことを、素敵にnoteに書いてくださいました(ワーイ!)のでシェアさせて頂きます。

桝ゆりのさん↓

玖躬琉(くくる)@砂短さん↓


お二人とお話していて、オリンピア様がこの時期になると特殊なニオイを放つ(端的に言うとクサイ)という話から、でも以前にマンタムさんの個展をした時はもっとヤバかったという事をご説明したのですが、言葉だけではどうヤバかったのか伝わりにくいかと思ったので、過去のマンタムさんの個展関連の画像を掘り出してみました。

画像と共に個展の時の様子や、マンタムさんとの思い出を振り返ってみようと思います。


2011年開催の「錬金術師の遠望」の展示風景の一コマ。

手前は、個展メインヴィジュアルにもなった作品

【Po. noc(ガランドウの身体とそれが紡ぎだす夜について) 】

『 悲しい物語から生みだされた生の残骸。身体に蓄音器を埋め込まれそれによって唄う事が出来る。』

とあるように、腹部に組み込まれた蓄音機にSP盤をセットして、音楽を奏でる事が出来ます。

これ、お客様が来る度に僕が、お腹にレコードをセットして、蓄音機のハンドルをぐるぐる回して音楽を再生していたのですが、その際、ちょうどポノックちゃんのお顔が僕の顔の横に位置して、その豚骨臭の凄まじさに最初はオエーオエーってなってました(途中で慣れた)

この子は個展終了後にコレクター様のところに嫁いでいきました。

奥にちらっと見えるのはオリンピア様です。


展示スペース窓際に設置された【オテサーネク】

2階から、外の道路を見下ろすように設置されています。
チェコの民話を下敷きにした作品で、マンタムさんと親交の深いヤン・シュヴァンクマイエル氏へのオマージュで制作された(だったような気が)ものです。

道路を歩いている人がSipkaの方を見上げると、このオテサーネクと目が合うように意図されています。

マンタムさん曰く以前別の場所で展示した時は、恐怖のあまり、近所の小学生たちが通勤ルートを変更したとか。
昼間はともかく夜下から見るとかなり怖かったです。

お店なのに来店しようとする人を怖がらせてどうすんだよ!と思いました。

【魔術師の為の杖】。

山羊の頭骨と角を用いて作られた杖。
重いので杖としての使用は難しいです。
この杖は人気ですぐに売れてしまいました。

個展会期中、オリンピアを遥かに凌ぐ人気で、アイドル的存在(主に女子に)だった【ファキイル】

澁澤龍彦氏の短編小説「犬狼都市(キュノポリス)」に登場する、ダイヤモンドの中に棲む狼の名を冠しています。

「犬狼都市」はマンタムさんが若い頃にとても影響を受けた作品との事で、ファキイルの事もかなりお気に入り〜流星号(マンタムさんの愛車:廃車寸前のバン。その後、廃車になり現在は汚いトーマスみたいな2代目流星号が活躍中)でいつも一緒に旅していたのですが、個展終了後、コレクターさんのところに嫁いでいきました。

ファキイル元気かなー。

骨董商"アウトローブラザーズ”としての一面をフィーチャーした第2回個展
「アウトローブラザーズ骨董市」(2012年開催)

展示設営の時は、流星号(マンタムさんの愛車:いろんな意味で絶対乗りたくない)から運び込まれるガラク。。。骨董品たちと、木の枝やボロボロの布や、なんだかよく分からないものが店内にどんどん積まれていき、「あぁ。。。シプカどうなっちゃうんだろう。。。だいじょうぶかな。。。」と思っていたのですが、色んなとこから虫がワラワラ湧いてきたのをみて、「あ〜。もういっかなんでもいいや。。。」と諦めの境地に達したのを覚えています。(この経験が元で色々な耐性が出来た)

骨董市の名の通り、マンタムさんの持っていた色々なガラク。。。骨董品たちの販売もしていたのですが、中でも医療器具が大人気で、追加入荷してもすぐ完売してしまう。。。
入荷のアナウンスをする度に、若い女の子たちが連日、大量に買っていったのが印象深いです。

あと若い女の子がお買い上げして頂いた巨大なワニの剥製をそのまま電車で持って帰りますと言われて、そのままでは電車まずいですよね〜ってことで、梱包材でぐるぐる巻きにしてみたものの、余計不穏な感じになってしまい申し訳なかったです。(でも無事持って帰れたそうです)


「アウトローブラザーズ骨董市」のフライヤーは、個人的に偏愛するB級ホラー映画のチラシ風にしたくて、デザイナーのyumくんが頑張って綺麗に切り抜いてコラージュ〜配置してくれたのを、もっと雑でチープに!如何わしい感じで!と修正を繰り返して出来ました。

紙も薄く!ペラペラに!ってお願いして、良い感じでチープなチラシ感が出せて満足です。


2014年「記憶の残骸物とそれを照らす為の月」

マンタムさんの個展も、3回目ともなると、こちらもかなり耐性がついてきて、もうなんでもござれ どんと来い!状態です。

でも「窓を真っ黒に塗って外から見えないようにしたい」っていうのと、「床に水を張りたい」って言われたのはお断りしました。


結局、展示スペース内に2階建ての小屋を作ってしまいました。止めてもどうせやっちゃうし。。。

廃材や金属や様々な物を使って作られるマンタムさんの展示空間。
色々なところから棘とか出てたり、金網が下がってたりしてかなりデンジャーゾーンです。

危険地帯に潜り込んで、お構いなしに設営してるので「マンタムさん大丈夫ですか?!」と声を掛けるも、「大丈夫、大丈夫」と軽口を叩きつつ、瞬く間に空間を作りあげていくマンタムさん。

その後、設営中にマンタムさんの服が色んなところに引っかかって破れ、ちぎれて、瞬く間にボロ雑巾のようになっていき、ちょっとお尻とか露出しちゃってたりしたのがドリフのコントみたいで面白かったです。
(危険なので僕はデンジャーゾーンに入りませんでした)


写真は2階にディスプレイされた「畜骸曲舞団」。
2階にいくための階段も設置されました。
「畜骸曲舞団」のお話はこちらからお読み頂けます↓
※長いので読まなくても大丈夫です。



ギター職人でもあるマンタムさんの【Perdurabo】を抱えたシプカクルーのひどらちゃん。

20世紀最大の魔術師とも呼ばれるイギリスのオカルティスト「アレイスター・クロウリー(Aleister Crowley)」の魔法名である「Perdurabo (ペルデュラボー)」の名を冠し、マンタムが考える "今迄、誰も作らなかったオリジナルギター" への構想15年を経てのひとつの解答でもあり、究極のギターのシリーズ名でもあります。型番428 とされる今モデルは、同シリーズの旗艦モデルともなる作品です。

。。。とのことですが、うん確かにこれはマンタムさん以外誰もつくらん。
仰々しいコンセプトがついてますが、みんな「ぺるちゃん」て読んでました。

↑ぺるちゃん。

「記憶の残骸物とそれを照らす為の月」というタイトルの通り、照明型作品も多く発表されました。
写真は、豚の頭骨を用いた【Lebka konjugát】。

と、そのお話↓

※長いので読まなくても大丈夫です。


う〜ん。。。改めて振り返ってみると、めちゃめちゃ濃いな!
当時は完全に麻痺してましたが、よくシプカ無くならなかったな〜(笑い事ではない)

設営の度に、近くの駐車場に停めた流星号から、夜中に妖しげな骨やら巨大な剥製やら、欠損したマネキンの一部やらをえっちらおっちら運ぶ僕たち。
近隣の方々にはかなり不審がられていたと思います(近隣の住人の皆様ごめんなさい)。

この頃は溢れ出る熱量と、ひたすら面白いことがしたい!っていうパッションで、寝る間も惜しんで動いてましたね。。。
今やったら死んじゃうかな。

この他にもマンタムさん関連の面白エピソードは山のようにあるのですが(マンタムさんに僕が頭に蛆虫を振りかけられた話とか)
大長編になってしまいそうなので、今回はこの辺で。
また機会を見つけて書きたいと思います。

面白エピソードだけだと、マンタムさん=ただの変な面白おじさんだと思われちゃうとアレなので(変な面白おじさんですが)、
最後にマンタムさんの真面目なお言葉で締めたいと思います。

「ものを作る時にはものの組み合わせの理由がないとできない。
世界、ものがそうあるべき世界が先に必要。
やっていることはコラージュとは違う。
だから物語を作る。」
(夜想bis マンタムinterview より抜粋)。」


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