はじめて愛されて、パニック障害になりました。③

大学入学後、2ヶ月で出会った知らない先輩は、私を丸ごと愛してくれるはじめての人でした。

今日は、付き合い始めた私に起きた異変のお話です。


お互い一人暮らしだったこともあり、付き合った次の日から、当たり前のように半同棲の日々が始まりました。

その結果、すぐに私は

彼より後に、家を出られなくなった

のです。文字通り、彼をいってらっしゃいと送り出せない。自分も一緒に家を出るか、自分が彼より早く家を出るかしないと、一歩も外に出られなくなりました。

彼が、私より先に家を出るときは玄関で泣きじゃくる。まるで、保育園にはじめて預けられる子どもみたいに。
当時の気持ちもまさに子どもそのもので、二度と戻ってこないんじゃないか。という不安に押しつぶされそうで、泣きじゃくったあとは疲れ切って家から一歩も出られなくなるのです。

そんな生活がしばらく続きました。用事がなくても家を出るしかない。そうしないとご飯も食べずに、ベッドで干からびていくのを待つしかない。当時のわたしにとって、『予定を入れること』はまさに死活問題でした。

結果として、朝は6時からアルバイトを入れ、講義に出て、夜は塾講師のバイトをして23時過ぎに帰るという生活が続きました。土日もバイトもしくはサークル。休むのは彼も丸一日休みで一緒になったときだけ。もしくは、泣きじゃくったあと家で死んだように過ごしているか。

そんな両極端な生活を続けていると、漠然とした希死念慮に襲われることになりました。しかし、実家にいる間中、ずっと感じていた疎外感と希死念慮のせいで、それが特段の心のSOSだとは思えなかったのです。

本格的に通院を始めたのは、1年半がたったあとでした。自分の意志とは全く関係のないところで、突然心拍数が上がり、息ができなくなりこのまま消えてしまうのではないかという不安感に襲われるようになったのです。

医師から診断されたのは『パニック障害』

そこから長い闘病生活が始まります。精神科からもらう薬では、症状を抑えることができても、根本的な解決をすることはできません。それでも、薬で自分の気持ちを押さえつけながら、3年生の前期を過ごすことになりました。

この頃には、無意識で車道を歩く・電車のホームに吸い込まれるような感覚に襲われる・歩道橋で気づくと下を見下ろし立ち止まっているというような出来事が毎日でした。

自分に殺される。

大げさでもなんでもなく、本当に心からそう思いました。そして、①に書いたように、ある日突然、自分でも予期せぬタイミングで、死にかけることになるのです。


シンデレラストーリーでも、精神疾患の指南書でもない完全ノンフィクションの私の軌跡です。誰のためでもなく、私が忘れないために。それでもその過程で誰かをほんの少しでも勇気づけられたらなと思います。

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