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2021年に応募した文学賞の記録と創作話

ようこそ、ケイです。
小説を書いてこのnoteで公開し始めて、もうすぐ4年になります。

いつか賞を取りたいと思って文学賞に応募しています。2021年に取り組んだ小説とその結果について備忘録も兼ねてここで紹介します。

第18回 坊っちゃん文学賞

応募総数6,952点というさすがの数で、すっかりショートショートの登竜門のような存在になっています。
審査員長はショートショート作家の田丸雅智さん。意欲的にショートショート界を盛り上げている方で、文学の裾野を広げて実力者の底上げにつながっていると感じます。

大賞になった椿あやかさんは、Twitterで相互フォローの間柄です。
独特の世界観のある文章に魅了されて、ずっと応援していたので選考に名前が残っていたときから興奮が止みませんでした。
おめでとうございます!

私の応募作はこちら。

ショートショートの神様である星新一氏の作品を読んで育って、お金がなくてボロボロの古本を集めたりもしていました。そんな自分の生い立ちを振り返りながら、先生との出会いをファンタジーに描いた作品です。
受賞に至らなかったものの、書きたかったことを書けた充足感があります。

第19回の募集もすでに始まっています。

4,000字以内のショートショートは、取り組みやすさと削ぎ落とす難しさの両方を体感できます。どうか挑戦してみてください。私もまた応募します。

第9回 星新一賞

いつか欲しいと願う賞です。
数多くのSF作品を生み出した星新一氏の名を冠することから「理系文学」を謳うこの文学賞。応募総数2,603編の結果発表はこちらでした。

漫画家のヤマザキマリさん、俳優のムロツヨシさんが審査員にいることで俄然やる気を出して応募しました。

選考に残らなかったのは作品として諸々至らなかった結果だろうと受け止めています。
正直に白状すると、ムロツヨシさんをイメージして書いた作品でした。
他の受賞作のコメントで「もし映像化するなら僕が演じたい」とおっしゃっていたのを見たとき、私はその言葉が欲しかったと強く羨望したし、自身の努力不足を痛感しました。

第10回の募集も始まっています。

審査員の名前を眺めながら高揚しています。宇宙飛行士の野口聡一さんに読んでいただけたら、これほど嬉しいことはないでしょう。

第11回 ポプラズッコケ文学新人賞

ポプラ社が主催する児童文学賞です。
自分自身が子どもの頃からポプラ社発行の本に親しんで育ったので、子どもたちが読む小説を書きたいという願いが強くあり、ポプラ社さんの発信するnoteの購読を通してその決意が固まって今回の応募に至りました。

応募要項の文字数はなんと6万字~9万字。せいぜい数千字~1万字程度の作品しか完成してこなかった私にとっては初めての長さのチャレンジとなります。

主人公を含む4人の小学生が、学校で起きた事件をきっかけに関わり合うようになり、それぞれの家庭環境を交えながら展開するストーリー。

一気に数万字というゴールはあまりにも果てしないので、数千字に分割したエピソードを合わせて一つの作品とすれば、個々のゴールは見えやすく達成しやすくなると考えました。
そこで、まずは8万字を目標としてざっくりとした構成を作りました。

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もちろんこの文字数は概算で、実際には文字数も各構成の数も変動しますが、おおよその見当がつきやすくなります。

そして、より細かなプロットを立てるために、Nolaという小説執筆ソフトを使用させていただきました。

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小説に必要な機能が充実していて使いやすかったです。中でもプロット機能は大変活用させていただきました。

結末は決まっていたので、そこに至る流れに沿ってエピソードを織り交ぜながらひたすら書き続けました。
これだけ長いと軌道修正もかなりあります。例えば、保護者と担任教師とのやり取りのシーンは数千字あまり書いていました。子どもたちの関係性の裏舞台として重要視していたのですが、書きながら「これって子どもたちに直接関係ないし、知らなくてもいいことなのでは」とふと思い直すことになり、読み手として想定しているのもまた子どもたちなので、丸々削除しました。その結果、当初の計画が崩れて文字数不足にひどく苦しむことになります。

そんな未熟な試行錯誤の連続で、作品は締め切りを迎えてしまいました。
応募後に、システム障害の影響で締め切りが2日伸びていたことを知って、あと2日あったらもう少し見直しができたのに、と、自身の中の言い訳と悪あがきを直視する羽目にもなりました。

私の応募作は当然かすりもしなかったのですが、入賞作に対する選評は厳しくも真摯で、姿勢を正してすべて読むようにしています。
あらゆる意味で不足だらけの作品を応募してしまった私が出禁になってしまっていないだろうかと心配になるほど、ポプラ社は目標とする出版社です。

今まで、文学賞への応募作品が落選した場合は手直ししたうえでこのnoteに無料公開していましたが、この作品は文字数が多いことに加えて、未成熟すぎた彼らをもう一度丁寧に見直してから世に出したいという気持ちでいるため、もうしばらく手元に置いておきます。

結果発表後にnoteを書いているので良かったらご覧ください。

2022年の取り組み

毎年応募している坊っちゃん文学賞と星新一賞は、今年も募集要項が出ているので続けてチャレンジしていきます。
他にも気になる文学賞をチェックして、自分のキャパシティと相談しながら検討します。

毎年のパターンとして、夏に執筆開始、秋に応募、年明け~春に発表というサイクルがこのところ定着してきています。
気候も一気に夏になったことだし、来週からは2022年も下半期。
7月からの取り組みが本格的に始まります。

スキやシェア、コメントはとても励みになります。ありがとうございます。いただいたサポートは取材や書籍等に使用します。これからも様々な体験を通して知見を広めます。