見出し画像

心の治療は"自分探しの旅"

大どんでん返し

半月ほど前に診察に行った際に、主治医にこう切り出してみました。

「前も一度お聞きしたと思うんですけど、わたし、発達障害の疑いはないでしょうか?」

前回書いた文( https://note.mu/ktrashake_/n/n00e5b42f631f )を通して似たような境遇の方とお話できたことで、改めて自分と向き合ってみようという気持ちになったのです。
先生はもうずっと診てきてもらってる人で信頼しているし、当初から「初めからそんな印象はなかったし、話を聞くに周囲の環境要因だ、適応障害だ」と言っていたけれど、
実際仕事を休んでみても気分の浮き沈みがなかなか治らないのはなぜなのか知りたかったし、少しでも早く心身を落ち着かせたい、自分との付き合い方を見つけたいという、前向き且つ焦るような気持ちもありました。
そこで、わたし本来が持つ性質マターな部分は本当に1mmもないのだろうか?という疑念を改めてぶつけてみました。

主治医は初めは違うと思うけど…と言っていましたが、子供の頃のこと(大人しかったけど、ぼーっとしがちだったりとか)や仕事でどんなミスが多いかなどを聞いてきました。その後、ネットに載っている自己診断よりは詳しめのチェックリストのような検査をしてみると、不注意優位型の項目が多く当てはまりっていました。
こうして、ADHD用のコンサータという薬を初めて処方されることになりました。

「やっぱり発達障害だったんだ」「環境マターの不調と思っていたけど、もしかして今までのことも全て自分のせいだったのではないか」という絶望感と、
「でもこの薬を飲んだらそれらの症状が治るかもしれない、この苦しみから抜け出す活路が見出せるかもしれない」という希望とが綯い交ぜになって、
(自分で切り出しといてアレなんですが)
わたしの気持ちはゴチャゴチャになってしまいました。

帰ってきて彼にその旨を報告すると、症状を調べて、「あーわかる。」「君は確かに俺と付き合った時からこういうところある。」と言われました。
「だよね、わたしもよく当てはまると思ってる。でもいざ診断されると『今までのことも環境じゃなくて全て自分が悪かったんじゃないか』って悲しくなってきてしまった。薬の副作用が強いらしいのも怖い。今までの薬が効いた感じがなくて、もしかしたら今までの診断が違うのかもしれない、もしそうなら改めて診てもらって早く治したい、と思って自分から切り出したのに、自分でももうよくわからない」と話をしているうちに、不安が溢れて泣き出してしまいました。
彼もそういった病気を初めて知ったようで、戸惑わせてしまいましたが、「病気のことはよくわからないけど、少なくとも過去のいじめとかについては絶対に君のせいではないよ。もし今つらいと思ってる症状がこの薬で治ったらラッキーくらいに思って、まずは無理ない範囲でやってみなよ。」と言われました。

初めての副作用

今まで処方された薬では、副作用が出たことはありませんでした。
しかし今回、初めて副作用?と切れた時の猛烈な虚脱感というものを経験することになりました。

主治医からは頭痛や食欲不振があるかもと言われていましたがそれらは起こらず、まず起きた副作用は猛烈な頻尿(すみません)。
投薬一日目は残尿感がひどくずっとそわそわするので、ほぼ一日トイレから離れられませんでした。
市販の漢方を飲んでも効かず、翌日泌尿器科へ行きましたが、コンサータの副作用という話はあまり聞いたことがない、と普通の膀胱炎と診断されました。

では実際コンサータの本来の効果のほどは?というと、休職中で仕事など集中すべき作業をしているわけではないので、効いているという実感が自分ではイマイチ湧いていませんでした。
というか、入社して心身壊れ始めてからの4年弱(もし本当に発達障害なら下手したら20数年間)"""普通"""な状態というものがどういうものなのかすら分からなくなっている状況なので…目は冴えて昼の眠気がなくなったとか、用事がなくても着替えようと思うとか、寝る前もしくは朝にきちんとお風呂に入れたとか、ふわふわした感想しか言えませんでした。

とりあえず、当初言われていた食欲不振や頭痛といった副作用はなかったが膀胱炎になってしんどかった、これは副作用なのか?また薬が切れた時の虚脱感がひどいといった旨を伝えたものの、目は冴えてるとか着替えれるとかも答えたためか
「それは効いてるってことです、慣れもあると思うし。このまま服用は続けて。今週は量も増やしてみましょうね。」
と、薬の含有量を一段階増やされてしまいました(27mg)。

27mgを飲み始めた週初め、今度は性器の腫れと痒み(もうほんとすみません)が出ました。
生理も終わったばかりだし、妊娠の可能性はなさそう…でも、市販の塗り薬も使ってみても治りません。まさか性病?!怖い!と思い翌日には婦人科に行きましたが
「コンサータの副作用で腫れたとかは聞いたことないなー」なんて言われながら座薬的なものを突っ込まれ、塗り薬を処方されて治りました。

すると今度は、4月に抜歯した親知らず跡が痛み出しました(こちらはあまり激しい痛みではなかったので、歯磨きを丹念にするようにしして様子見しているうちに収まりましたが。)。

さすがに色々出過ぎなのでは?これ全部副作用なの?と不安になり、(病院が休診だったため)薬局に相談すると「免疫力が下がるという副作用はあるのでもしかしたらそれかもしれない。」とのことでした。
ちょっとした腫れくらいならまだ良いけど、この先服用を続けた末に重篤な感染症とかになったら怖いな…と不安を感じ始めました。

周囲の反応

主治医からはADHDとの診断がおりましたが、初めて実感した薬の副作用とトントン拍子で増えていく量にすっかりビビってしまったわたしは、セカンドオピニオンを検討し始めました。

そこまで思い至った最初のきっかけは、両親の言葉です。

新しい診断について報告したときの両親の第一声は「信じ難い」というものでした。
娘が病気というのを認めたくないのか・受け入れてくれないのか・わたしはまた親に自分を否定されてしまうのか…( https://note.mu/ktrashake_/n/n6b8aa5b5dd20 )と、一旦は一方的にむくむくとネガティブ思考に陥り悲しい気持ちになってしまいました。
しかし、母子手帳等を見直してみたというので改めてよく話を聞くと

「子どもの時の様子ではそういう傾向は見られなかったし、手帳を見返してもそういった診断を受けた経緯は見つからなかった。
大人しかったりボーッとしてるところがあったり、好きなことへの集中力が凄かったりという傾向は確かにあったけど、あくまで個性のレベルという認識だった。
社会に出て以降周囲とうまくやれていなかったこともずっと聞いてきたから(それについてもどう見ても環境要因だと思ってたし)、やっぱりその(わたし自身に要因があるという)ADHDという診断結果は未だに信じ難いけれど、その診断が下りることで適切な薬がもらえて、その薬であなたが楽になるのなら、それはそれで良いと思っている。
でも今実際、副作用や薬が切れた後の虚脱感があるというのは心配なので、今一度他の医師にも診てもらってはどうか。」

と言われたのです。
そこで初めて、今の主治医は二年ほどずっと診てもらっている人なので、客観的にフラットな状態で改めて診てもらうことも必要かもしれないと思い始めました。

また、やはり副作用の強さと虚脱感がどうしても気になりました。実際に仕事を再開してみたら薬の効果を実感できるものなのかもしれませんが、定時で働いたとして朝飲んだ場合定時で上がる時間帯にちょうど虚脱感が襲ってくるのかと考えると、継続するのが怖くなりました。
残業で夜遅くに彼が帰ってくるので、ずっとぐったりとした姿しか見せられておらず、

「なんかドーピングしてるみたいで、見てて心配。」
「今まで飲まずになんとかやってこれていたわけだし、もう飲むのやめたら?効いてるのかもしれないけどこうも色々あると、この先が怖い。元気になりたい、治したいという気持ちはわかってるけど、そこまでして飲まなきゃダメ?」

と言われてしまい、慣れれば副作用も収まるのかもしれないし今は耐えなきゃと飲んでいたけれど、やっぱり今のわたしはおかしいのかな?と思い始めました。

さらに、コンサータの値段がとても高かったので、各自治体にある「自立支援医療制度(精神科に通院しており負担額がある条件額に達した場合、申請が承認されれば医療機関一つと薬局三つまで指定でき、そこで受ける診察と処方される薬については一割負担になるのだそう。自治体によって異なるかもですのでそこは各自でご確認ください。)」を利用しようと書類を揃え、医師に書いてもらう欄への記載を依頼したところ
「まだ量を調整しているところだから出せない」
と言われたのですが、休職経験のある友人や薬局の方・役所の担当の方に相談したところ「そう言って止められた例は今まであまり聞いたことがない」と言われ、主治医に少し不信感を抱いてしまったことが決め手となりました。
(副作用が辛すぎて、今はストラテラという薬に変えてもらいましたが、未だに申請させてもらえていません。ストラテラは、中途覚醒と便秘と胸焼けと口臭といった副作用があるけどコンサータよりは全然マシ、ぐったり感もなし。だけど効果の実感はまだなく、そのまま継続中。)

ちょうどお世話になっているカウンセラーの先生が転院される予定があったため、その転院先の先生にセカンドオピニオンを依頼しようと考えました。

セカンドオピニオンの前に

まず、カウンセラーの先生に相談をしました。

・今の主治医からADHDの診断がおりてコンサータを飲み始めたが副作用と虚脱感が気になっていること
・親にも母子手帳等を見直してもらったが、幼少期にそういう診断を受けたことはないしそういった傾向も見られなかったと言っていること
・それでも薬の量が増えたり自立支援制度の書類を出してもらえなかったりして主治医への不信感が募ってきており、セカンドオピニオンを検討していること

を打ち明け、転院先の先生がどんな方なのか等質問しました。

・ADHDの傾向はないと思っていた、あってもADDのグレーゾーン(多動性がない、不注意性優位)くらいに感じていた
・それよりむしろASD(他人の言葉を気にしすぎて受け止めすぎて冗談通じなかったりとか、そのくせ人のことすぐ信じたりとか)寄りだと思ってたけどこれもあくまでグレー
発達障害のグレーゾーンの人というのはもともと沢山いるものなので"病気である"と診断されたこと自体はあまり気にしないで良い。あとADHDとASDは併発する人も多いのでそこも重く捉えすぎなくて良い。しかし目が覚めたり少しだけどやる気が出ているなら薬が効いてると言えるかもしれないので、もう少し様子を見てみてはどうか。副作用がしんどいようなのでもちろん無理のない範囲で。何かあればすぐ相談を。
・ただ診断が覆ったというよりは、元々診断されている適応障害のさらに根幹がわかったという風に捉えた方が良いかも。発達障害の生きづらさからの二次障害で、環境と合わずに適応障害が出るというのもまたよくあること。診断が自分本来の持つ傾向のADHDと出たことで、今までのことも全部自分のせいとは思わなくて良いよ。実際過去のいじめ等はあなたのせいではない。劣悪な環境で、グレーくらいだった傾向が一時的に強まっているだけだと思うのだけど…まだ診断もおりたばかりだしなんとも言えないのが正直なところ。でもどうしても気になるのなら、腰が低くて良い先生なので一度診てもらってごらん。
・でもやっぱりあなたの今の心身不調の要因は、過去のトラウマが一番大きいと思っている。その治療は復職するにしても転職するにしても必要。
・あなたには他人の言動に対する防具がなさすぎる。その武器を今後も身につけさせたい。その大元となるのが"自己肯定感"!今後も頑張って特訓しましょう!

といったことを言ってもらえて、少し安心しました。

セカンドオピニオンにて

セカンドオピニオンの先生には、主治医に副作用の話もしたけどなんかトントン拍子で薬の量増やされて怖いのだという話もして、子供時代の話や、過去のいじめの話とか職場でのこと( https://note.mu/ktrashake_/n/n6c9862faf33d )とか家の宗教のこと( https://note.mu/ktrashake_/n/n6b8aa5b5dd20 )とか全部聞いてもらった上で、ADHDとASDの質問紙調査をしていただきました。その結果は、ADHDは真っ黒、ASDはグレーゾーンというものでした。
しかし先生からの回答は、

・そもそも発達障害は子供時代からその特性が現れるはずのものなので、親子さんのいう通り子供の頃に診断されていないのなら発達障害とは言い難い。
質問紙調査は自分で回答をするため、客観的なものではないので、これだけで診断するのは難しいものがある。
・また、子供〜学生時代にかけてはそのような症状が見られておらず、社会人になってから症状が出始めているのなら、一層環境起因の方が大きいと思われる。
・むしろ過去のいじめ等のトラウマ起因の自己肯定感の低さ(アダルトチルドレン的な?)が就職した環境が劣悪だったために過去のフラッシュバックしたりして顕著に現れただけ、それに伴う二次障害としての自律神経の乱れ(適応障害)なだけだと思う。

といったものでした。
そこで、まあ他の検査もやってみますか、ということになり、先日知能検査(WAIS-Ⅲ)を受け、今はまだ結果待ちという段階です。

セカンドオピニオンまで受けてみて

感想としては「自分のことが余計わからなくなった!」が正直なところです…笑

というか前々から思っていたけど
グレーゾーンってなんだよ!!!!!

診断ついたらついたで「ああやっぱり自分はそうなんだ…これからどうやって生きていこう…理解者はまだまだ少ない…すでに生きるのしんどい…」と苦しくなるけど
グレーならグレーで薬はもらえないくなって「病院行ってもこのつらさは治せないの…じゃあもうわたしはこれ以上何をすれば…」ってつらくなるのだろうし
袋小路だなあという感じです。

自分の生きにくさの証明書が欲しいといいますか、とにかくこの満遍ないつらさの取扱説明書が欲しいといいますか、なんていうか縋るような気持ちで通院し始めたので、
①一応病名がついて薬も出たけどなかなかピンとこない →
②違いましたこっちの病気でしたわー!って特に詳細な検査もしないままあんまりにすんなりコロッと診断が変わる →
③不安になって他のお医者さんに聞いてみたらえーそれじゃないんじゃね?って言われる…
というふわふわした今の状況は堪らなく不安で
もう、結局どっちなの?!?!
と通院するたび今にも先生の前で叫び出しそうになっています(自分から切り出しといてwって感じですがw)。

お医者さんも人間だし、
心のことって日々変わるから
診断も難しいだろうし、
白黒ばかりで物を判断したがるところが
確かにわたしは強いので、
それもまた良くないというのは
わかっているけれど…
なんだか苦しいなあと思ってしまうのです。

果たして"答え"は必要なのか

そんな今の状況を友人に相談したところ

どうしてあなたは"答え"を欲しがるの?
病名がつくと安心するのはわかるけど
それはあくまで結果論。
あなたが一番元気になる方法さえ見つかれば
それで良い
じゃない?

と言われ、ハッとする部分がありました。

確かに、病名がハッキリと診断されることは
自分のある一部分の証明書や説明書になり得るけれど、
実際今度はその病名に縛られてしまう自分がいるのも確かなのです。

そういえば彼も、親も、主治医も、カウンセラーの先生も、セカンドオピニオンの先生も、

「病名はあまり気にしないこと!(薬が)効いたら儲けもん!くらいな気持ちでいなさい。」

と言っていたっけ。
(何回言われてるんだ、そして何回忘れては同じネガティブ思考に陥るんだわたしは…笑
気持ちの切替が本当に苦手なんです…)

この状態がいつまで続くのかと心配し始めると
確かにしんどいけれど、
焦らずに自分に合う薬や治療を探して気長にやっていくことが大事、その為のお休みだ!と言い聞かせてやっていくしかないのだよなあと
改めて(6人目にして笑)思い出させてもらった気がします。

自分探しの旅

…とはいえ、正直未だに自分の中で納得できてはいません。
精神科に足を踏み入れる時もそうだったけれど、自分の病気や障害を認めるって、なかなか勇気が要りますよね。

冒頭にも書いたように、もっと自分のことを掘り下げて、早く元気になる方法を見つけたいという前向きな気持ちはもちろんありましたが
ADHDと診断される前は正直、ひょっとしたらその病名が、今までの自分の裏付け?というか、在り方を肯定してくれるのではないかという淡い期待もありました。
所謂"甘え"と取られてしまうかもしれませんが( https://note.mu/ktrashake_/n/n00e5b42f631f )、責任転嫁をしたいわけではなくて、例えれば心理テストや占いの結果を見るような気持ちです。
「○座のあなたは△なところがあるから□をしたらうまくいくよ!ラッキカラーは◇!」というのを見るのと同じ感覚で、
「わたしが悩んでいるこういう所は、これ(病気や障害)が原因で、だからこうすれば楽になれるよ!」みたいな。それこそやっぱり、証明書や説明書ですね、それが欲しかった。
それさえあれば、早く元気になれるんじゃないか、今よりもう少し健やかに生きられるようになるんじゃないかと、漠然と思っていたんです。

でも、そんな期待を粉々にされるほど、わたしには「これからの自分の生き方をどうしていけば良いのかわからなくなった」絶望感の方が圧倒的に強かったみたいです。過去についても肯定された感じはなく、むしろフラッシュバックして「やっぱりすべてわたしのせいだったんだ」とネガティブ思考の悪循環に陥ってもっとつらくなって、より診断を認めがたくなってしまったりして。
初めて味わった薬の副作用がつらかったのもあったけど、それよりも過去の後悔と今後への不安の方がずっとずっと大きくて、診断されたらされたで茨の道でした。笑
むしろゴールどころか、薬も治療も自分の納得どころを探していく、なかなか過酷な旅路のほんの序章でしかなかったんだなあと思います。

頑固者なわたしは既に困難を極めそうな予感がしていますが笑、"気長に"ゆるりといきたいな。

唯一、お金がないのが本当につらいのだけど〜泣
(通院も回数が多いし、何より薬代が高くてほんとにしんどい〜泣)

だから出来るだけ早く、病気とか障害とか以前に自分との付き合い方を見つけられると良いなと思っています。

がんばりすぎずにがんばる、ぞー


#エッセイ #コラム #日記 #トラウマ克服 #PTSD #鬱病 #適応障害 #ADHD #ASD #不眠症 #PMS #自立 #自尊心 #自己肯定感 #休職日記 #新刊わたし #コンサータ #ストラテラ #副作用 #フラッシュバック

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?