三鷹・ニンカフェ|寒い日こそサイフォンコーヒーで温まりたい
コーヒーとスイーツ。わたしのなかで定番のペアリングはガトーショコラですが、最近気になるのがプリンです。
カフェや喫茶店のプリンは、コーヒーのお供であることを考えてつくられているので、間違いなく相性よし。三鷹にてプリンが評判のカフェをみつけました。
ニンカフェ NING'S COFFEE
三鷹駅から徒歩約12分、休日にもかかわらず閑静なエリアにたたずむ、自家焙煎・サイフォンコーヒーのお店ニンカフェ。瓦屋根にネイビーを基調とした外観は、街の景観に馴染むクラシカルな装いです。
店主である長谷川寧子(やすこ)さんは、北京に駐在していた頃、海外で珈琲店を開業したいという想いを抱いていました。退職後に北京でオープンし、帰国後は武蔵野の地で2021年1月26日に再スタート。ちなみに「ニンカフェ」という店名は、寧子さんの名前を一文字とり、中国語で発音したのが由来です。
光がゆらぐサイフォンにうっとり
休日の10時頃に訪れると、先客は男性1名。ジャズが聴こえる店内は、席の間隔が広めにとられていて、息苦しさのない配置です。
プリンが評判と聞いて勝手なイメージから若い女性客ばかりを想像していましたが、のちに訪れる方も男性のひとり客、なかにはご年配の方も。雑誌や本を読みながらカフェ時間を満喫する方や、15分ほどでコーヒーを飲み終えてサッと立ち去る方、それぞれの時間の流れを感じられます。
ニンカフェは入口で先にオーダーするスタイルです。注文後、ストーブが近い窓際の席に座り、サイフォンで抽出される様子を遠目からじっくりと眺めます。やわらかなオレンジ色に光るサイフォンが幻想的で目が離せません。だんだんと広がるコーヒーの香りに光の演出が加わり、癒しの相乗効果が生まれています。
ニンカフェのおすすめ「オリジナルブレンド」と、人気のスイーツメニュー「クラシック・プリン」を注文しました。ちなみに、食べ物+ドリンクで50円引きになります。
ニンカフェのコーヒーはラインアップが豊富です。メニューにあるコーヒーのほかに期間限定のコーヒーもあり、レジカウンター横にあるコーヒーチャートでチェックできますよ。
たっぷりサイズを注文したっけ? と思い返してしまうほど、大きなマグカップに注がれてやってきました。「ニンカフェ オリジナルブレンド」は、コロンビアをベースに4種類の豆をブレンドした、中深煎りのコーヒーです。
フルーティで華やぐ香りにと深みのある余韻、香ばしさとコクが広がります。初めはハンドドリップのコーヒーよりも熱々でいただけるのがサイフォンの醍醐味ですね。
くびれフォルムが洗練さを際立てる厚口ボディのマグによって、口あたりがやわらかく、なんだかやさしい気持ちになります。時間が経つと、丸みのある味わいになり、あっさりとした後味に変わりました。
「喫茶店のクラシックプリン」は、オープン当時に試作を繰り返し、サイフォンで淹れたオリジナルブレンドに一番あう配合に調整されたとのこと。プリンについて友人に意見を聞いたとき、シンプル派と生クリーム派にわかれたのをきっかけに、生クリームトッピングがメニューに加わっています。
プリンをすくいあげるとき、スプーンにぴったり沿う、むちっとした感触が手に伝わります。口に運ぶとつるんとしていて、シルキーなやわらかさ。メニューにしっかりめのプリンとありましたが、思ったほど硬めではありません。
生クリームなしでもしっかりとした甘さがあり、たまごのミルキーなコクも感じます。昔ながらのレシピを受け継いでつくられた素朴さや、ほかにはない特別感というよりも、洋菓子店のプリンに近く馴染みのある味わいでした。濃密なプリンが好みのわたしは、少し物足りないなというのが正直な感想です。
サイフォンに見出す移ろいとはかなさ
店内に入らずとも外から注文できるので、テイクアウトの方をちらほらみかけます。近くから来たと思われる軽装の方や、ジョギング終わりの方がコーヒースタンドのように利用していて、近くにふらっと立ち寄れる珈琲店があるのがうらやましいです。
雑誌を読みながらコーヒーを飲むのが好きですが、手にとるタイミングを失うくらいサイフォンに見入ってしまいます。おそるおそる最初のひと口をすする熱々の状態から、ためらいなく飲めるようになるまで、ゆっくりと変わっていくサイフォン式コーヒーの楽しさを味わいました。
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