時代を越えて:法隆寺
こんにちは
奈良を行ったときに訪れた内の一つ「法隆寺」
歴史好きで建築好きな自分にとって気持ちが高揚する場所です。
初めて法隆寺を訪ねた時、とても不思議な感覚になりました。
総門(南大門)をくぐると別世界が広がっています。
直感的に言うと、日本っぽさ、が感じられず、どこか異国に来たような印象。
寺院、門、土塀、それらはボクたち日本人とって慣れ親しんでいるはずなのですが、何故だか違和感を感じてしまいます。
そして徐々に参道を進んでいくと中門の背後に現れる五重塔と金堂。
見えた時はちょっと鳥肌が立つような感動を覚えます。
これが、、って感じです。
ということで、今回は「法隆寺」のお話をしていこうと思います。
日々の合間にのぞいてもらえたら嬉しいです。
それではどうぞ
|世界最古の木造建築「法隆寺」
まずは、法隆寺とはどのような寺院で、歴史があるのかをみていこうと思います。
法隆寺は1000年以上の歴史を持つ寺院で、聖徳太子が建立に関わり、世界文化遺産としても有名です。
お墓はなく学問寺(今で言う学校)、また世界最古の木造建築と言われています。
御堂(西院伽藍)の配置は法隆寺伽藍(仏塔、金堂、講堂などで構成された施設のこと)と呼ばれ、特殊性のある配置としても知られています。
これは諸説あるようですが、
仏塔は仏舎利(お釈迦様の遺骨)安置する建造物、金堂は菩薩様など仏像を安置する建造物とされています。
仏教では格は仏塔が優先のなかで、法隆寺伽藍は金堂と並列している(同等の位とみている)辺りに特殊性がある、とも言われています。
※色々ある説の一つ
飛鳥時代、最先端の学問が仏教とされ積極的に取り入れようとした聖徳太子、そうした背景から建築に目を向けていくと大陸(中国)の影響を受けたであろうというのが至る所で見ることが出来ます。
|時代を越えた教材
冒頭で、ちょっと触れましたが法隆寺に足を踏み入れると今のボクたちが知っている日本的な寺院の感じとは異なります。
その一つが屋根の形状です。
日本で見かける寺社建築の屋根はどちらかというと直線的で、端部が少し反っているものが多いかと思います。
しかし、法隆寺のような飛鳥時代の屋根は全体的に反りあがり、より円弧を描いている印象を受けます。
金堂や五重塔の木造部材の装飾性を見ても、直線よりも曲線的な意匠に当時の中国(大陸)の様式が色濃く出ているのではないかと思うことが出来ます。
さらに参道の土塀、木、瓦、などの素材が当時を感じさせてくれる経年による変化や変色に囲まれるので、法隆寺の総門から中は別の空間(飛鳥時代)に移動している感覚になるのではないかと思います。
そうした法隆寺空間は時代を越えた教材のような建築で溢れています。
特に西院伽藍は世界最古と言われる木造建築物で、各建物を支える柱や梁などの木構造部材の圧倒的な大きさ、エンタシス(胴張り)の柱と呼ばれる回廊や中門の列柱に目を奪われます。
さらに、
金堂と五重塔の美しさの秘密には日本人に好まれる比率が隠されています。
1階の屋根の幅と上部階の屋根の幅、その差が1.4倍。
つまり、1:√2(ルート2)、という比率バランスになっていると言われています。これを白銀比、または大和比と呼ばれ、西洋では1:1.61の黄金比が有名です。(モナリザの顔比率等)
大工さんの道具にサシガネという直角の定規がありますが、この道具の表目盛りは1㎜刻みで、裏返すと表の目盛りをルート2した目盛りになっています。
ですので、大工さん、というか日本の職人さんは直感的に白銀比を使っていた、そう思うと面白みが湧いてきます。
この1:√2は現代でも慣れ親しんでいる比率でして、身近なところだとA版用紙、またはドラえもんやキティちゃんなどのキャラクターが白銀比のバランスでデザインされているとも。
こうした背景を知ると、現代の自分たちにとって慣れ親しんでいる、見慣れているモノゴトの原点は法隆寺にあるかもしれませんね。
時代を越えて多くを学べる場所、まさに学問寺という感じです。
いかがでしたでしょうか、
お話は主に法隆寺西院伽藍での体験を綴ってきましたが、訪れた際には東院伽藍(夢殿がある)もぜひ足を運んでほしいと思います。
敷地内に居るだけで古の空間を体験しているような気持ちにさせてくれます。
ということで、
今回はこの辺りで失礼します。
ここまでお付き合いくださりありがとうございました。
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