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歴史とまちとお祭り:遠州横須賀三熊野神社大祭

こんにちは

今月のはじめ「遠州横須賀三熊野神社大祭」に行ってきました。

このお祭りは毎年4月の第一金曜、土曜、日曜に開催され、地域に春の訪れをお知らせをするかのように賑やかな雰囲気がまちを包んでいました。

三熊野神社に咲く桜

ということで、
今回は、遠州横須賀三熊野神社大祭を訪ねたお話をしていこうと思います。

日々の合間にご覧くださると嬉しいです。

それではどうぞ

|遠州横須賀と祭事

遠州横須賀って?とお思いになるかと思いますので、その辺りのお話から始めていきます。

遠州横須賀地区は静岡県掛川市の南部に位置し、かつて横須賀城の城下町として栄えた古い町並みが残るエリア。
通りを歩いていると、城下町の内で商家が並んでいたであろう名残を感じる建築が見ることが出来ます。

割烹旅館 八百甚
江戸時代末期の老舗旅館

現在でも商売を続けている現役の商家建築もあり、個人的にも興味をそそります。

祢里の上に人形を乗せている。
江戸型の特徴

遠州横須賀三熊野神社大祭
桜も咲き誇る4月の第1金曜日・土曜日・日曜日の3日間、遠州地方の祭りのトップを飾る遠州横須賀三熊野神社大祭が盛大に行われます。
この大祭の見どころは、神輿の渡御とそれに従う華やかな13台の祢里(ねり)の曳き廻しです。笛と太鼓が奏でる祭囃子、そして「シタッ!シタッ!」の掛け声とともに町中を威勢よく曳き廻される祢里の、勇壮かつ華麗な姿に人々も引き込まれ、町は祭り一色となります。
歴史
江戸時代の元禄年間(1690年頃)には既に踊りを主体とした祭りが存在していたようですが、現在の様式の原型が作られたのは、享保年間(1720年頃)、当時江戸幕府老中職にあった第14代横須賀城主 西尾隠岐守忠尚(にしおおきのかみただなお)公が、当時の江戸天下祭(神田・山王両祭礼)の祭り文化を横須賀の地へと伝えてからだといわれています。以来、子々孫々と受け継がれてきた280余年の伝統を誇る祭りです。

掛川市観光サイトより引用
お祭りの様子

各地で開催される伝統的なお祭り、
地域の繁栄や安寧などを祈願することが共通しているのではないでしょうか。

もう少し言うと、祭事はエンターテイメント的なパフォーマンス披露とはちょっと違って、より儀式的な要素が強目だと思います。

酒屋さんの格子のファサード
歴史を感じます

所作、掛声、囃子音、一つ一つに祈りに繋がるような意味が背景にあって、(今回で言えば)「祢里(ねり)」(山車のこと)やお囃子、演者たちによって表現されていると思っています。
それらを知って日本のお祭りを見てみるともう少しだけその地域に近づける気がします。

|ハレの空間に日本的なものを感じる

お祝いの行事が行われる時を「ハレ」と言われ、
普段の日(「ケ」)に対して、非日常を指しています。

ボクはこうした「ハレ」の非日常空間に、日本文化っぽさ、が見えて面白さを感じます。
例えば、古い街並みに幕や提灯が掛かり、普段の風景からちょっと華やかな雰囲気に変化しています。

祭幕が通りを彩る
建具が外され、家が開放されている

歩いていると通りに面した商家では、表の建具が取り外されて、開放的に
そこには神棚的な祭壇が飾られたりお祭りの関係者の出入り口など、祭事用に建築が変化します。

これも時節などの行事で姿形を変容させる日本的なアイデアが詰まっていて学びがあります。

田遊び
作物の豊作を祈る儀式
神社境内では御仮屋(祭事用の仮設建造物)
奉納の舞が取り仕切られ、
地域の繁栄など諸々
祈願する儀式を見ることが出来ます。


昼間の華やかさから一変して、夜は夜でやはり素敵です。

周辺が暗くなり、浮かんでくるのは提灯や家々の灯りでとても幻想的な空間が広がります。
その中でお囃子や掛声が響き、お祭りの雰囲気をさらに盛り上げているように思います。

夜2

春が訪れ、日本各地でお祭りが開催されていきます。

祭事が開催される背景や意味合いが薄まってしまうと娯楽イベントに見えてしまうかもしれません。
しかし、まちの歴史と暮らしに祭事は密接に関わってます。

時節ごとの祭事は人々の祈り、願い、喜び、感謝を表現していることが根底にあり、それらを知ることでお祭りに行く楽しみ方や伝統的なモノゴトとの関わり方に深みがでてくるのかなぁ、なんて思います。

色々あったけど良い一年なったな、そんな風に言えるように祈願したいものです。

ということで、
今回はこの辺りで失礼します。

ここまでお付き合いくださりありがとうございました。

ではまた

▼Instagram
お祭りの様子を動画にしました。


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