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ベルテーン(ワルプルギス)サバト儀式のやり方と蜜猫的考察。

ベルテーン。その前夜祭ワルプルギス。4月30日~5月1日にかけて行われる、植物と農業の祭りである。耳馴染みのない響きだが、この祭りは宗教がまだない時代の、自然信仰(特に樹木に対する信仰)を表すだいじな祝祭だ。今回はこの季節行事を儀式化した魔女のベルテーンのサバトについて、わたしが実際にやって感じたことや、気付いた点を深堀りしたいと思う。

オスタラの回でも同じようなことを書いているが、ベルテーンは自然信仰をそのままサバトとして儀式化したような祭りである。だから自然信仰(ネイチャーリスト、自然派主義)だと言うならば、ベルテーンサバトはやった方が良い。理由は次の通り。

1)古くからある樹木祭・農業祭

春(オスタラ)に芽吹いた植物が、ベルテーンではぐんぐん成長し、結実する。ここで人々は結実の祝いと、その後の豊作を願って篝火へ供物を捧げ、朝までダンスをしたという。これはシャーマニズムに共通する「自然信仰」あるいは「樹木信仰」で、人間や季節のサイクルを自然や樹木に例えて神として祭りを行っていた。

現代でも、豊作祈願という名目が残っているかは様々だが、農業が盛んな地域では5月頃に祭りが行われている。そのため業に携わる方々はベルテーンの機会にサバトを行ってみてはどうか。

2)植物の結実は人間の交わり

上記のように「植物や季節のサイクルを人間に当てはめる」といった考えが自然信仰の理念であるから、当然、植物が結実する頃、人間の男女も交わる儀式が行われた。それは、単に男女の出会いであったり、お見合い、結婚、セックスといった実利的な意味もあった。

現代の観念はひとまず置いておいて、その時代は子孫繁栄がひとつの願望成就だったから、子宝に恵まれるため、女性性を育むため、などといった「女神信仰=大地や湖」などの自然ある場所に神殿や柱を立てて祈ったり、樹木自体が神が宿る依り代と考えた。

ということで、「女性的な悩み」で悩んでいる人もベルテーンサバトはもってこいである。

3)金運

現代的な繁栄となると、もしかすると金運の方が挙がるかもしれない。便宜上、金運という言葉を使っているが、お金そのものというニュアンスよりは、お金を使ってどの幸せを得るかが、繁栄と繋がりそうだ。

そのためベルテーンでは植物が成長するとともに自分の実利も成長するというイメージで儀式を行うこともできる。成果(刈り取り)というよりも、春(オスタラ)で始めたことを成長させるために行うのだ。

ベルテーンサバトをやってみた


わたしは何度もベルテーンサバトをやってきたが、このサバトをやる4月と5月の切り替えの季節、なんとも言えない神聖な空気感を感じる。
まだまだ新緑の最中、花々は我先にと咲き乱れる。庭のハナミズキ、ツツジをはじめ、畑のローズマリー、セージ、タイムなど葉がメインのハーブにも花がつく。周囲には甘い香りを漂わせ、虫が飛び交う。緑と白のコントラストが爽やかな心地よさを覚える。
わたしは日頃から農業に携わっているので、このようなことを先に感じてしまう。

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