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四季折々の俳句 32




「 胸張って 」

木のぼりの子らに新緑きらきらす

きのふとは大むかしなり鯉のぼり

日あたりてオリーブの花にほふ島

一杯のアイスコーヒーきれいなり

行くかぜを永遠に追ふヨットかな

目つむりてしづかなりけり夏怒濤

ひとり聴く郭公のこゑとほきかな

うで組みのまま日暮れたり田植時

柔らかにしらさぎあゆむ植田かな

小さくて大いなる母夏シャツ干す

赤々と活けてこれより薔薇の日々

魂のしづまつてをりシャワーあと

だれも来ぬバーにゆらゆら熱帯魚

京びとの扇子さばきのかるさかな

海ばらがまぶたにうかぶ香水買ふ

鳴り鳴りてしづかなりけり風鈴屋

大阪のみちにまよひしあつさかな

胸はつてうなぎを食ひに来りけり

海原へ陽をしたたらせヨット洗ふ

そしてまた港出てゆくヨットかな

kusabue

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