四季折々の俳句 56
「 令和へと 」
てっぺんに富士あるそらよ正月凧
たび立つ子さくら前線追いかけて
舞いふぶくさくらもひとも平成も
みなゆめのまっただなかに花吹雪
くにじゅうの桜ふぶいて令和へと
見ては去るひとも花びら大ざくら
村までがにぎわうときぞ花ふぶき
この胸に咲くまで花見たのしむよ
このひとも桜だったかふぶくなか
◇
射してくる日のひかりごと耕すか
仕事してうたた寝もして永い日よ
祝いごとつづくさわらがうまい頃
おおぞらへこころひらいて遍路笠
自由とはきびしいものよ蝶がとぶ
おどろきに反っくり返る猫の子よ
蝶々のめぐりあうため羽ばたくか
今日という日がよくふぶく花の宴
目つむってしまうあまさよ草の餅
◇
花見してはるばると時こえゆくか
ろうじんになっても春は春のまま
鳥かえる空はまさしくおおぞらよ
ふるさとのおおぞららしい初虹よ
かおりまであたらしい旅花りんご
子どもらもだまってないぞ百千鳥
家建ててそれからながい春のゆめ
みらいへとふぶきつくして葉桜に
それぞれのじんせい絵巻麗らかに
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