見出し画像

四季折々の俳句 19






「 駆け抜けよ 」

月へとぶからすが一羽ハロウィン

湯あがりの下駄をからころ十三夜

早足であゆむ人びと冬近し

鼻歌は恋のうたなる小春かな

子どもらの口からも湯気おでん鍋

雑踏にゐてひとりなるマスクかな

駆け抜けよいま歓声のラグビー場

恋ごころ言葉にならず白き息

ホットレモンひと口飲んで放心す

おむすびはしあはせの味文化の日

幸せが湯気たててをりちやんこ鍋

わがこころ広がつてゐる枯野かな

真青なるマフラー巻いてより孤独

呼ぶ声のひとへとどかぬ冬田かな

一日の旅の終はりにししやも焼く

ひろびろと炬燵をつかふ孤独かな

風邪ひいてひとり寝床に沈みけり

腹の底あたたまりけり牡蠣雑炊

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?