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四季折々の俳句 22




「 きつとしあはせ 」

世にひとり立てば北風つのりけり

凍てついた心ほぐるる湯ぶねかな

先頭を追うてつぎつぎいるか飛ぶ

見てをればこころにも雪舞ひ初む

腕くんでながめる人も冬の山

見はるかし歩みだすなり枯野みち

踏み抜くやたちまちひかる初氷

背をむけし都心あかるきおでん酒

入りてより時のとまりし炬燵かな

ほろ酔うてこころはやばや年の暮

水たまり一つ跳びしてボーナス日

来る年の平和しんじて日記買ふ

神だなにかしは手打ちて煤払ひ

かがやかな玉になるまで餅つけり

抜け出して火ともすたばこ忘年会

背ただしてまたいち枚の賀状書く

舞ひ降りしひとひらならん雪の本

一人でもきつとしあはせ蜜柑食ふ

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