四季折々の俳句 22
「 きつとしあはせ 」
世にひとり立てば北風つのりけり
凍てついた心ほぐるる湯ぶねかな
先頭を追うてつぎつぎいるか飛ぶ
見てをればこころにも雪舞ひ初む
腕くんでながめる人も冬の山
見はるかし歩みだすなり枯野みち
踏み抜くやたちまちひかる初氷
背をむけし都心あかるきおでん酒
入りてより時のとまりし炬燵かな
☆
ほろ酔うてこころはやばや年の暮
水たまり一つ跳びしてボーナス日
来る年の平和しんじて日記買ふ
神だなにかしは手打ちて煤払ひ
かがやかな玉になるまで餅つけり
抜け出して火ともすたばこ忘年会
背ただしてまたいち枚の賀状書く
舞ひ降りしひとひらならん雪の本
一人でもきつとしあはせ蜜柑食ふ
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