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「ヨガのポーズ」が「できる」ようになるために必要なもの(1)  「ヨガの常識」ぶっ壊れたら「できる」ようになった!

2007年。シンガポール。競馬場跡地のヨガスタジオ。人生初のヨガのクラスに参加。見よう見真似でやってみるが、どうやったって、周りの人よりワンテンポずれる。必死すぎて何も耳に入らなかった。が、ふと気づいたら、先生の声が耳に入ってきた。先生は、自分でもポーズを取りながら、手順を説明してくれていたのだった。

   息を吸いながら両手を頭の上にあげます。
   吐いて、股関節から前屈。両手は足の横かスネに。
   吸って、頭を上げて前を見ます。
   吐いて、足を後ろに引きます。

私が最初に学んだことは、ポーズを取るための手順だ。これは何回もクラスに通えば、覚えられる。わからなくても、先生や周りの人たちを見ればよい。

1手順

次に学んだことは、「ポーズには理想の形があるらしい」ということ。

ポーズを保持しながら呼吸を深めていると、先生がやってきて、アジャストしてくれる。腕をもっと天井に伸ばしたり、前屈がもっと深まるように、手を添えて手伝ってくれる。先生の手は、

「今は、柔軟性が足りなくてできないのだけれど、ゆくゆくはこうなるといいよ」

と語っている。それをからだで覚える。正確には、からだがびっくりするので、覚えざるを得ない。

さらに、何回か通ううちに、

(なるほど、呼吸が大切なのか・・・)

と気がつく。「吸って手を上げて、吐きながら前屈」という具合に、呼吸に合わせて動くのだ。簡単そうだが、ややこしいポーズやからだがついていけなくなると、呼吸は止まってしまっている。

2呼吸

(自分のからだなのに、思い通りに動かないもんだなぁ・・・)

と思い知る。一方で、少しずつできることも増えて、友だちができて、、新しいポーズが出てくるとワクワクするようにもなっていった。


ある日、ニカッと笑いながら、シンガポール在住インド系マレーシア人の先生が近づいて来た。

「ヨガ・ティーチャー養成講座が始まるよ。キミにピッタリだよ」

「いやいや、いいです。ティーチャーって・・・」

「ティーチャーにならなくてもいいんだよ。ヨガのことがもっともっとわかるよ」

先生の黒い髭と白い歯のコントラストのおみごとさに見とれているうちに、養成講座についてのお知らせの紙を手渡されていた。

これまでは、ひらけた明るい場所でヨガをしていたんだなと。ヨガ・ティーチャー養成講座が始まってすぐに、感じた。私は、薄暗いヨガのジャングルに独りで分け入るような心細さを覚えていた。ジャングルの案内人は、インド・バンガロールからやってきたインド人の先生。

はじめて耳にするインド人のインド訛りの英語・・・で先生は講座の概要を話す。

「クラスの後半は、”Kriya”をします。浄化です。胃のなかを綺麗にしましょうね。ほんとは長い布を飲み込むのですが、初心者は食塩水です。ご安心ください」

「今から配るのは、テキスト、鼻うがいのポット、それから鼻から喉に通すゴムでーす。これができないと、ヨガティーチャーの修了証書はあげられません。あっ、でも、大丈夫。苦しいのは最初だけだから・・・」

(めちゃくちゃ不安だ・・・あぁ、なんで申し込んじゃったんだろう・・・私のバカバカ・・・あぁ、もう腹を括るしかないか・・・)

顔にめちゃくちゃ出ていたのだろう・・・「あなた、大丈夫?」と目の前に先生が立っていて、やはりニカっと笑った。

講義は、とてもおもしろかった。

ポーズには効能と禁忌がある。これは腰痛に良いポーズだが、あのポーズは腰痛の人は決してやってはいけない。インドの国立病院には、必ずヨガスタジオが併設されていて、食事療法と合わせてヨガ療法も取り入れられているそうだ。病気や体質に合わせた、ヨガのポーズを処方するヨガ・セラピストさんが活躍している。

インスタ3 のコピー


それから、ヨガ哲学。

陽が落ちて薄暗くなっているのに、道端で、なくしてしまった縫い針を探すおばあさんがいた。思わず、手伝ったが、見つからない。「どのへんで落としたの?」と聞くと、「家の中」という答え。私たちは、幸せをこんなふうに探しているのだ。洋服やバッグで外側を飾ったときの幸せは長くは続かない。けれども、自分の内面に幸せを見つけたのなら、それは本物だ。長く続く。

釈迦のいるところを中心とした、半径30Kmの範囲の中では、決して暴力が起こらなかったそうだ。「非暴力」に強い意志をもっていたから。釈迦のような力がなくても、たくさんのヨギーが平和を願えば、地球は平和になる!のだ。
先生の強くて希望に満ちた声を聞きながら、週末ごとに、顔を合わせ仲良くなった仲間たちは、みんなで顔を見合わせて深くうなずいた。国籍も人種もバラバラだったが、心は一つになっていた。

3ヨガ哲学

日本に戻り、ときどきヨガのワークショップに参加するほかは、DVDなどを見てときどき宅練。あっという間に10年経ってしまった。

子供の手が離れて、友だちが「良かった!」という、
「チャクラ・ヨガ」
のリトリートを、思いきって、思いきって、インドネシア・バリ島で受けたのが2020年2月。
素敵な先生たちと仲間たち。すてきなステイ先。バリの自然。滋養あふれるお食事とバリの儀式・・・それはそれは素敵で、夢のような時間を過ごした。1週間後、帰国したら、コロナで世界が一変していた。

(「チャクラ」こそ、心とからだをつなぐものだ!やっと探していたヨガに出会った!心理的にも肉体的にも癒して、エネルギー満タンにして生きていくんだ!)

4チャクラ

太陽が登ってくるのを見て感動し、鳥のさえずりが愛おしく、感謝があふれた。

が、が、が、ポーズができない!できないポーズができないまま!
そして、教えてもらった「バンダ」が使えない・・・

(しっかり理解できていなかった・・・)

「バンダ」と検索すると、「アシュタンガヨガ」と出てくる。「チャクラ・ヨガ」は、ハタヨガがベースだ。

またまた、思い切って思い切った!オンラインでアシュタンガを学ぶ。

5身体の使い方

解剖学、バンダ(「エネルギー・ロック」と説明されることが多い)、ドリシティ(目線の使い方)、ウジャーイ呼吸、身体の使い方のこつなどなど・・・

5解剖学

たくさん教えてもらった。またまた、先生たちも仲間たちも素敵だった!

が、が、が、どうしてもできないポーズが、まだまだある!

「ヨガの上達はヨガの練習で得る」しかないと習った。そうなのかと思っていた。アシュタンガヨガの創始者のパタビ・ジョイス先生も

「プラクティス、プラクティス、プラクティス。そうすれば向こうからやってくる」

6プラクティス

というお言葉を残している。講座は終わってしまい、坐骨の周りに痛みが残った。

(これで合っている?先生から教わったことからズレちゃった?)

先生からもらったアドバイスを一つひとつ読み返してみるが、どんなに頑張ってもそれができない。例えば、「しっかり床を踏んで」。自分では踏んでいるつもりなのに、よく注意される。

踏めない理由はは何か?改善方法は?

全くわからなかった(あれから半年以上経ち、母指球で床を踏むのをやめて、かかと重心にしたら踏めるようになりました!)。

インスタ2

(脚が弱いのだろうか?そもそも、からだを動かすセンスがないのかもしれない・・・やっぱり、年齢かな?50代でアシュタンガヨガは無理なのかな・・・)

自粛が続き悶々とするなか、

『いつまで結果のでない練習を続けるのですか?
アシュタンガプライマリーシリーズ83ポーズを最速で攻略』

というキャッチーなコピーが飛び込んできた。一筋の光が差し込んだ。


ブログを読み、Shingo先生と連絡を取り、衝撃を受けた。

なんと、「ヨガのアーサナ(ポーズ)は先に悟ってから」するそうだ。

ヨガ哲学に出てくる「ヨガ八支則」では、悟りは八番目、最後にたどりつく境地なのに!?

わたしはシンゴ先生の「ヨガ・ボディ・エクスペリエンス」のドアを叩いた。今度は私が飛び込む。(つづく)

YBEXのドア

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