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6月28日 「昔の記憶」では大きく間違う国際貿易の現状

はたらくおとな向け。普段の仕事と無関係なケーススタティで頭の体操。
普段の仕事を超えて、視野を広げ、ビジネスの頭の体操をするのにぴったり。
考えるための質問例はこちら。

→感染症や紛争によって世界の貿易の構図も変化した。今後、日本企業としてどのようなサプライチェーンを持つことが良いだろうか?

通商産業省(現:経済産業省)が1963年(昭和38年)に制定した「貿易記念日」です。
1859年(安政6年)6月28日(旧暦5月28日)、江戸幕府がアメリカ・イギリス・フランス・オランダ・ロシアの5ヵ国との間で結んだ友好通商条約に基づいて横浜・長崎・箱館(函館)の3港を開港し、自由貿易を許可する布告を出したことに因みます。
(「貿易記念日」は、3月25日「電気記念日」、4月18日「発明記念日」、11月1日「計量記念日」と合わせて、経済産業省4大記念日の一つだそうです)

貿易
感染症もあり大きな変化があったと思われますが、実際のところはどうだったのでしょうか?

一般社団法人日本貿易会(JFTC)「日本貿易の現状2022」から実際のところ、を見て見ましょう。

まず、全体像として2021年は、
☑️ 輸出は83.1兆円(前年比21%増)
☑️ 輸入は84.6兆円(前年比24%増)

と、いずれも3年ぶりの増加です。

結果、貿易収支は1.5兆円の赤字となっています。

輸出相手国は以下の通り。

1位は中国、17.9兆円(シェア21.6%)

2位はアメリカ、14.8兆円(同17.9%)

3位が台湾、5.9兆円(同7.2%)

輸入相手国は以下の通り。
1位は中国、20.3兆円(シェア24.1%)
2位はアメリカ、8.8兆円(同10.5%)
3位はオーストラリア、5.6兆円(同6.7%)


次に、どのようなものが輸出入されているのかを見てみます。

日本から輸出される品目は以下の通り。
1位は自動車、10.7兆円(シェア12.9%)
2位は半導体等電子部品、4.8兆円(同5.8%)
3位は鉄鋼、3.8兆円(同4.6%)

反対に世界から輸入される品目は以下の通り。
1位は原油及び粗油、6.9兆円(シェア8.2%)
2位は液化天然ガス、4.2兆円(同5.0%)
3位は医薬品、4.1兆円(同4.9%)


輸出、輸入とも1位、2位である中国アメリカについては、国別でその詳細データを掲載します。

まずは対中国の輸出と輸入の品目詳細です。

対中国では共に2桁増となっています。


次に対アメリカの輸出と輸入の品目詳細です。

対アメリカも輸出入とも2桁増です。
特に医薬品の輸入は5割以上増加しています…


日本の貿易に占める地域別の推移を見てみると、中国が大きく伸ばしていることがよく分かります。


さて、経済制裁を課しているロシアとの貿易について、特に輸入については以下の通りとなっています。やはりエネルギーが大きいことが分かります。


JETROではさまざまなレポートを出しています。
その中で中国とウクライナの貿易について解説したものがあります。近年ではロシアより中国の方が貿易額が大きくなっていたそうです。



最後までお読みいただきありがとうございました。

頭の体操ネタになるものがあれば嬉しいです。

一昨年7月からこのような投稿を続けています。こちらのマガジンにまとめていますので、よろしければ覗いてみて下さい。



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