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#505 阪神岡田監督に学ぶ「評価」の重要性 〜日経新聞記事より〜

阪神が18年ぶりの「アレ」。関連の報道を読んでいて、へぇ〜と思ったことを、メモ。


1、どんな記事?

9月16日付の日経新聞39面スポーツ欄の『若虎育てた岡田流 四球の査定上げ、セ界首位452』という記事です。

その中で、副題にもなっている、四球、つまりフォアボールに対して岡田監督が行ったことがへぇ〜と思った内容です。以下引用します。

監督がフロントに掛け合って四球の査定ポイントを上げてもらったそうだが、それ以上に選手に響いたのは「追い込まれてもストライクゾーンは変わらん」という言葉。「勝負球だけが厳しいコースにくるわけではない。自分から追い詰められた気になってボール球を振ってないか」ということだ。

つまり、打者の立場の際に、2ストライクまで来た時、追い込まれたと思って微妙な球を振ってしまい、三振になっていないか、きちんと見極めろ、と。そのために、四球の査定(=評価)ポイントを上げたよ、ということかと(野球詳しくないので違っていたらすいません)。

結果、選手が変わり、今季打率は昨年と変わらないものの、四球はリーグトップの452個になった(つまり出塁できている)ということです。
選手のコメントとして以下のようなものもありました。

2番中野拓夢も「追い込まれてからはどう粘るかと考えるようになった。そういう意識はみんなが持っている」と語る。


2、まとめ(所感)

いかがでしたでしょうか?

阪神躍進にはやはり岡田監督が果たした役割は大きく、それは、選手の個々の力を伸ばした、というより、すでにある力を正しい形で発揮するように持っていった、ということにありそうだ。その一つに四球に対する考え方を変えさせる、そのために四球の査定ポイントを変えたということがあった、というお話でした。

私は前述の通り、野球はあまり詳しくないのですが、今年の阪神が監督が変わっただけなのに躍進している、と聞いて、なぜだろう?と興味を持っていました。
この記事を読んで、なるほど、やはり評価が大事なのだな、と認識しました。

もちろん、追い込まれたときの考え方を改めさせた、ということが主なのでしょうが、一方で、「プロ」として生きている選手にとって「査定」というのはやはり気になるところでしょう。

なんとかしてヒットで出塁する方が、四球を選んで出塁するより査定(=評価)が高ければ、そちらを重視する姿勢が生まれても仕方ないでしょう。

その評価はそのままにして、いくら「追い込まれてもストライクゾーンは変わらん」と言ったところで、「そりゃそうだけど、査定がなぁ…」と内心思ってしまっては、腹落ちも半分でしょう。

それは、我々でも一緒ではないでしょうか?
いくら立派な方針を述べられても、どう評価されるか、のルールが変わっておらず、もし、その方針に従うならば、今の評価体系では評価されることなく、むしろマイナスになるかもしれない、としたら、従うでしょうか?

評価と人事は大変重要なメッセージなのですが、そこをきちんと意識し、方針を変えた時にきちんとそれと整合するように評価体系を変えている管理職がどれぐらいいるでしょうか?

意外と「そこはきちんと自分が評価するから」と本来の項目外のところで、いわば管理職の裁量の範囲での反映を約束して終わり、の場合も多いのではないでしょうか?

でも、部下にとってそれは、表向きは従ったとしても、「本当にそうしてくれるのか」という疑念や心のブレーキになるはずです。

そうしたところをしっかりと手当てせずに変えた方針など、その本気度を疑いますし、同じようにいつ変更があってはしごを外されるかわからない、という疑いも呼び起こすでしょう。

その点、細かいことかもしれませんが、実際にフロントに掛け合って評価を変え、後戻りできないし、自分は本気だ、ということを示した岡田監督のやり方は、選手たちにその変更の意味、狙いに対して真剣に捉えるように促す強い要因になったのではないでしょうか?

精神は細部にこそ宿る、という言葉がありますが、まさにその通り、ですね。


例によって個人的なメモですが、どこか参考になるところがあれば嬉しいです。
そして、阪神、アレ、おめでとうございます!

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