黒門町の若旦那

落語、盆栽、読書が好きなおじさんです。

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最近の記事

落語日記 小さなお手伝いだけど、伝わってくる気持ちは大きなお手伝いという落語会

三朝・和泉の小さなお手伝い(第14回) 3月15日 落語協会2階 春風亭三朝師匠と弁財亭和泉師匠が開催している被災地復興支援落語会に、今回が初参加。東日本大震災が発生した2011年から、年一回のペースで開催されている。木戸銭は全額被災地への支援金に充て、募金箱を置いて募金も募っている。 東日本大震災以後も、各地で災害が発生していて、この支援活動も継続されているようだ。今年は正月早々に能登半島地震という大きな震災が発生し、現在も復興活動の真っ最中であり、そんなタイムリーな時期で

    • 落語日記 小規模な会で、目一杯らしさを発揮した馬石師匠

      第58回ととや落語会 隅田川馬石の会 3月10日 下板橋駅前集会所 毎回楽しみにお邪魔している板橋の寿司屋ととやの親方主催の落語会。前回の入船亭扇辰師匠の会に続いて参加できた。 今回の出演者は、すでにととや落語会のレギュラーメンバーとなっている隅田川馬石師匠。常連さんたちにもお馴染みの様子。この日も満員で賑やかな客席は、開演前の食事タイムのときから既に、お待ちかね感が充満。私も馬石師匠をじっくり聴けるのは久し振り。この会の出演者は皆さん私好み。主催者の親方と落語感性がほぼ同じ

      • 落語日記 遊かりさんが見せてくれた花魁は、なかなかに新鮮な印象

        三遊亭遊かり独演会 vol.18 3月8日 日暮里サニーホール コンサートサロン 毎回通っている遊かりさん主催の独演会。前回は日程が合わず不参加。第1回から休まず通っていただけに、皆勤賞を逃すことになり残念。 前回までの本拠地のお江戸日本橋亭が、2024年1月より当面の期間、ビル建て替え工事により休館となり、今回より新会場に移転。 この会のコンセプトは、遊かりさんが背中を追いかけていきたいと憧れている先輩の真打をゲストに迎え、その胸を借りて腕を磨こうというもの。今回のゲストは

        • 落語日記 落語協会百年記念の寄席の特別興行

          鈴本演芸場 3月上席昼の部 落語協会100年事業 寄席特別興行 3月3日 落語協会は、今年が協会が誕生してから百年を迎える記念の年として、数々の祝賀行事を開催している。 百年前の落語界をめぐる状況は、記録も少ないようだが、いくつかの演芸家の団体が存在していたようだ。落語協会が確認できるルーツとしたのは、現在の落語協会の母体となった「東京落語会」が、1924年(大正13年)2月25日に上野精養軒で開催された発会式だ。この当時の様子が、この発会式を報じた都新聞(東京新聞の前身)の

        落語日記 小さなお手伝いだけど、伝わってくる気持ちは大きなお手伝いという落語会

          落語日記 リアル世界より一足早く花見の世界に浸らせてくれた遊雀師匠

          2月国立演芸場寄席(21日~25日) 三遊亭遊雀主任興行 2月24日 内幸町ホール 国立演芸場の2月の定席は、会場を内幸町ホールへ移し、期間も短く5日間で開催された。この芝居は、落語芸術協会の担当。主任を務めるのは、芸協の人気者、遊雀師匠。ということで出掛けてきた。 笑福亭ちづ光「鈴ヶ森」 前座さんは、鶴光師匠の弟子。元は落語協会で、林家彦いち門下のひこうきさんで、芸協に移籍。落語協会時代は拝見していない。甲高い声と変顔での熱演。なんとなく、不思議ちゃんな感じ。一生懸命なの

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          落語日記 寄席の主任興行で珍品の演目を披露された桂文雀師匠

          鈴本演芸場 2月下席夜の部 桂文雀主任興行 2月21日 今月は、仕事に追われて落語を聴く時間がなかなか取れなかった。そろそろ、落語不足による禁断症状が出ても可笑しくない。月末の繁忙時期に向かっていたが、たまたま時間が空いたので、最寄りの寄席である鈴本演芸場の番組を調べてみた。すると、特別企画公演~文雀落語珍品堂~と題して、桂文雀師匠の主任興行が始まるとのこと。珍しい演目に挑戦している文雀師匠のネタ出し公演。一度、聴いてみたいと思っていた文雀師匠なので、ちょうどよい機会と、仕事

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          落語日記 対談で盛り上がった落語会も珍しい

          第22回一之輔たっぷり 後援会主催落語会 1月31日 鈴本演芸場 余一会夜の部 このところの毎年1月31日と8月31日は、鈴本演芸場の余一会夜の部として、春風亭一之輔師匠の後援会主催の会員限定の落語会が開催されている。一之輔師匠の独演会としては、最近はこの会くらいしか通えていない。なので、年に二回の貴重な機会。前回の日記にも書いたが、たまのご馳走は、これくらいのペースがちょうどよい。 この日の鈴本演芸場の昼の部は、一般公開されている独演会があって、「長屋の花見」「蛙茶番」「花

          落語日記 対談で盛り上がった落語会も珍しい

          落語日記 普段の食事のような落語は飽きが来ないのだ

          池袋演芸場 1月下席昼の部 金原亭馬治主任興行 1月28日 昨年の鈴本演芸場5月中席昼の部以来の馬治師匠の主任興行。久々の主任興行なので、ぜひ行かねばと日程の合う日曜日に出掛けてきた。客席には顔見知りの馬治ファンが大勢駆け付けている。馬治師匠曰く「オトモダチ作戦」大成功のようだ。 この日の顔付けは、師匠の馬生師匠をはじめ、馬生一門の弟弟子が交替で出演し、一門でバックアップしている。馬治ファンとなったのが切っ掛けで、馬生一門のファンになる人は多い。なので、馬治師匠の会以外でも、

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          落語日記 いつのまにか中堅の域に入ってきた皆さんの恒例の会

          新春寄席 ~2024RAKUGOもんすたぁずスペシャル公演~ 1月21日 江東区古石場文化センター 大研修室 最近はちょっとご無沙汰しているが、毎回楽しみに通っている落語会である「RAKUGOもんすたぁず」が、毎年正月にゲストを迎えて特別公演を開催している。今年は、その正月特別公演が6回目の開催となる。 毎回楽しみなのが、ゲストの出演。メンバーの三朝師匠の師匠である春風亭一朝師匠が、この日のゲストとして初登場。昨年に引き続き、今年も楽しみに出掛ける。 古今亭松ぼっくり「金明

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          落語日記 大変な時期をやっと乗り越えて来た演芸界

          第30回 馬治丹精会 1月15日 日本橋社会教育会館 裏方のお手伝いをさせてもらっている金原亭馬治師匠主催の独演会。気が付けば、この日が第30回という節目の回となっていた。 二ツ目時代に続けていた勉強会である馬治育英会を、真打昇進してから会場やコンセプトを変えて、馬治丹精会と名称も改めて始めた独演会。コロナ禍で休止していた時期もあったが、今日まで継続してこられた。 この日も裏方仕事で、高座はときどき通路から眺めることしかできなかったので、高座の感想は無し。第30回という節目の

          落語日記 大変な時期をやっと乗り越えて来た演芸界

          落語日記 国立演芸場主催の寄席に初訪問

          1月国立演芸場寄席(16日~20日) 金原亭馬生主任興行 1月20日 紀尾井小ホール 建替えのため昨年10月いっぱいで閉鎖された国立演芸場は、会場を替えて寄席形式の定席興行を主催している。ちなみに国立劇場や国立演芸場の経営主体は、独立行政法人日本芸術文化振興会で、この寄席もこの法人が運営している。 新年は1月10日から15日までの前半が落語芸術協会、16日から20日の後半が落語協会の芝居として開催。その後半の主任が、金原亭馬生師匠で、前方には馬生一門も交替で出演。一門ファンと

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          落語徒然草その10 「蔵前駕籠」における追い剝ぎに襲われた犯行現場はどこだ?

          先日の鈴本演芸場二之席夜の部で聴いた春風亭正朝師匠の「蔵前駕籠」。この噺の舞台である蔵前は、私の住んでいる地元。なので、この噺は以前から気になって聴いていた。 正朝師匠の一席では、追い剥ぎに襲われたのは「天王橋を渡ったあたり」と語られていて、この噺でよく聴かれる「榧寺(かやでら)」は登場しなかった。 噺の舞台として登場している蔵前通りは、現在の国道6号線である江戸通りのこと。そして現在の江戸通りに、天王橋なる橋は存在しない。さて、この天王橋を渡ったあたりとは、現在ではどのあた

          落語徒然草その10 「蔵前駕籠」における追い剝ぎに襲われた犯行現場はどこだ?

          落語日記 二之席は、お得な寄席なのだ!

          鈴本演芸場 正月二之席夜の部 柳家喬太郎主任興行 1月13日 寄席の世界では、二之席までが正月特別興行とされている。初席(はつせき)は、新春を寿ぐ特別興行として、各協会に所属する演芸家が総出演する特別な番組として開催されている。ここでは、一人5分ほどの出演時間で次々と交替していくので、主任以外はマクラや小噺、せいぜい短縮版の噺を掛ける高座が続いてく。要は、顔見世興行のお祭りなのだ。これはこれで正月気分が味わえて楽しいのだが、普段の寄席のように、落語の演目自体をじっくりと楽しむ

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          落語日記 一年の締めに相応しい落語会

          鈴本演芸場年末特別企画興行 金原亭馬生一門会 12月26日 鈴本演芸場 暮れのこの日に鈴本演芸場で毎年開催されている金原亭馬生一門会。毎年楽しみにしていて、今年も参加することができた。そして、この会が私の落語納めとなることも、恒例行事と化している。なんせ、年に一度、一門の全員が出演する貴重な落語会、頑張ってチケット取りたい会なのだ。 本年も、昨年同様に前売りチケット完売という人気。昨年は最前列の客席のみ着席禁止という制約があったが、今年は客席の制約はなくなり、飲食も許された

          落語日記 一年の締めに相応しい落語会

          落語日記 常連さんたちが待ちに待った扇辰師匠の高座

          第56回ととや落語会 入船亭扇辰の会 12月17日 下板橋駅前集会所 この日は、昼のやまと師匠の独演会に引き続き、久しぶりに落語会の梯子。毎回楽しみにお邪魔している板橋の寿司屋ととやの親方主催の落語会。今回の出演者は、親方が贔屓にされている入船亭扇辰師匠。 ととや落語会のレギュラーメンバーの扇辰師匠の出演に、楽しみ待っていた常連の観客で満員の会場。開演前は、ととや特製ちらし寿司弁当での食事タイム。この時間が、期待の高まるワクワクタイムとなっている。 親方の余興「サンタクロー

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          落語日記 文七元結に挑戦し続ける桂やまと師匠

          第100回 桂やまと独演会 ~Move!冬「文七元結 補訂/岡田嘉夫」~ 12月17日 ムーブ町屋 ムーブホール やまと師匠の独演会が今回で第百回を迎える節目の回。その節目を記念した企画が、毎年暮れの恒例として掛け続けてきた「文七元結 補訂/岡田嘉夫」を披露する会となった。以下、この日記では、やまと師匠が取り組んでいる特別な文七元結を岡田版文七と呼ばせていただく。 今を遡ること13年前、とあるご縁でやまと師匠は古典芸能に造詣が深い画家の岡田嘉夫氏と知り合った。文七元結につい

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