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新潮社ストーリーセラー編集部編 「Story Seller」 読書感想

こんにちは、ジニーです。

今回の読書感想は、新潮社ストーリーセラー編集部編の「Story Seller」です。
この新潮社ストーリーセラー編集部編というのは、新潮社の作品を書く著者ごとにアンソロジー的にまとめたもので、「小説新潮別冊」を単行本化したものです。

本作はその第一弾。
集められた作家さんも超豪華です。

■収録された作家さんと作品

伊坂幸太郎 「首折り男の周辺」
近藤史恵  「プロトンの中の孤独」
有川浩   「ストーリー・セラー」
米澤穂信  「玉野五十鈴の誉れ」
佐藤友哉  「333のテッペン」
道尾秀介  「光の箱」
本多孝好  「ここじゃない場所」

個人的には初めて触れる作家さんもいますが、どの方も第一線で活躍されている方々ばかりです。

■アンソロジー作品の楽しみは作家さんとの出会いというのもある

こうやって一冊の本の中で、違う作家さんの話を読むと、それぞれの特徴が如実にわかるのが面白いですね。
そういう特徴は、いわば作家さんの強みだったり個性だと思うので、読み手としても、自分にとっての読みやすい文章や構成が1冊の中で確認できるという楽しみ方がありますね。

僕の場合は、近藤史恵さんと佐藤友哉さんが初めて読む作家さんでした。
近藤さんは、自転車競技をテーマにした作品でしたが、非常に疾走感を感じられる作品で、読みながら風を感じられた気がします。
人間関係の描写もうまく、上手くミスリードさせられた作品でした。

佐藤さんの作品は、僕としては一番とっつきにくいなというのが一番の印象でした。
不可解な状況での殺人事件がテーマになっているのですが、その事件を解決するために探偵がやってきて・・・という話です。
とっつきにくいと感じた内容ではありましたが、見事に作者の掌の上で転がされてしまい、上手に登場人物の認識をミスリードされました。

■個人的に一番面白かったのは

個人的には、道尾秀介さんの「光の箱」が一番好きでした。
実はまだ道尾さんの作品は3作程度しか読んでいないのですが、その中でも一番良かったなと感じた内容です。
話としては、道尾さんらしいミステリー。
でも読後感の良い、優しい気持ちになれる物語でした。
特別なトリックではないのですが、使い方が効果的で痛快な気持ちで読み進めていくことができました。
いろいろ騙されたw


さて、この「Story Seller」は続編となる作品がいくつも発行されています。
たまにはこういった作品を手に取って、まだ知らない作家さんとの出会いを見つけるのもありかもしれませんね。

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