私の罪悪感は、母の罪悪感だったのかもしれないと
※水子さんにまつわるお話しです
※この話題に関して悲しい思いや辛い記憶がある人は気をつけてね
◆◆◆
私の母は、私を産む前に三度、お腹にいた子を流産したそうです。
『だからあなたが生まれてきてくれた時、本当に嬉しかったのよ』って、私はよく母に言われました。
このことについて、母がどういう思いを持っていたのか、あるいは持っているのか、正面きって聞いてみたことはまだありません。
ただ、私たちの前で何か言うことはなくても、母はその子たちのことをずっと気にしていたようで、いわゆる水子塚や水子地蔵さまのいるお寺にいくと、必ずといっていいほど手を合わせていました。
とはいえ、その様子を実際に見ていたのは、私や妹たちが子供の頃の話。
今は私も実家を離れたし、どうしているのかはわからないです。今も変わらないのか、それとも、もう、そういうことはしなくなったのか。
母の気持ちを、あれこれ想像しないわけではなかったけれど、ことがことだし、何か言えることがあるのかもわからず。
特にこちらからその話題に触れることはないまま、長いこと過ごしていたんだけれども。
本当に、つい昨日のことです。
唐突に思ったことがあって、私は母に電話をかけました。
母『あれ、久しぶり。どうしたの急に』
私『うん。あのね、ちょっと聞いてほしいことがあって』
母『え、何?』
これから言うことは、もしかしたら母を余計に傷つけるかもしれない。
そう思うと、心配や不安で胸が息苦しくなるような感覚を覚えたけれど、私は話を続けました。
私『私が生まれる前に、お腹の子を流産したことがあるって言ってたよね』
母『うん』
私『あのね』
私『その時の子って、実は私だったんだよ』
自分でも、どうしてそんな風に思ったのかわからないのだけれど。
でも、ある夜、いつものようにベッドに入ってうつらうつらしていたら、本当に唐突に、「そうだったかも」と思ったんですよね。
突然こんな話をして変に思われるかな、とも思っていたけれど、母は訝ったりはせず、興味深い話を聞いたみたいに「えっ!」と驚いたあと、笑みを含んだ声で「そうだったの?」と私に尋ね返してきました。
母『えぇー、本当? お姉ちゃんだったの?』
私『そうそう。なんか急に、"そうだったかも!”って思い出したの』
私『生まれるタイミングを測ってたんだと思う、多分。こう、宇宙とこっちを行ったり来たりしながら』
母『そう。そうだったの』
私『うん。だからね。あのね、お母さん』
私『"生まれてこれなかった子”なんて、いなかったよ』
私『私、ちゃんと生まれてきたから』
私『"だから大丈夫”って、お母さんに言おうと思って』
これ、自分でも不思議なんだけれど。
この話をした時、母は『そっかぁー』って楽しそうに笑っていたんだけど、どうしてか私のほうが、じわって目が潤んで、なんだか泣きたくなったんだよね。
その時に思ったのです。
前に、命に対する罪悪感の記事を書いたんだけれど、
もしかして、私が抱えてた『命への罪悪感』とか、『子供に接すると傷つけてしまいそうで怖い』って気持ちは、母が抱えていた罪悪感でもあったのかもなって。
『子供は親の価値観(罪悪感)を引き継いで大人になる』って、スピ系の本とかだと、たまに言われているよね。
科学的な正確性とか根拠みたいなものはよくわからないけど、あれってこういうことだったのかもって、少なくとも私自身は、すごく腑に落ちる思いがしました。
私は正直、母が泣くかもって思っていたんだけれど、予想に反して、母は終始、楽しそうに笑っていました。
かといって、私の話を真面目に取り合っていないってわけでもなくって、「そっか、そっか」って、納得したみたいに何度も言ってて。
HSPは他人の感情に敏感っていうけど、母がこの時どんな気持ちだったのか、私は全然、『理解』なんてできる気がしなかったな。
想像もつかない、って思った。
母がこれまで感じてきたこと見てきたもの、生きてきた日々の積み重ねが、そこにはある気がして。
多分、私がこの先に“近い体験”をすることがあっても、それは所詮、“近い”ものでしかなくて。
その時に私が感じる気持ちは、きっと母のそれとは違う。
だからきっと、この楽しげな声に込められている想いは、母自身にしか、絶対にわかり得ないことなんだろうな、と思ったのです。
で、最終的にこういう話に。
母『やっぱり、お姉ちゃんは天才だね!』
私『え、なんで?』
母『だって生まれてくる前からそんなことできちゃうんだもの』
母『自分でちゃんと、ちょうどいいタイミングを選んで生まれてきたんだから、この先の人生、もう何をやってもうまくいくね!』
私『わははw』
今までだったら「何言ってんのー」って聞き流していたと思うけど、最近の私は自分軸育成強化月間、闇雲に自分の全てを認めてあげようキャンペーン中なので、「私もそう思う!」って元気に答えておきました。
サポートありがとうございます!!幸せになります!!!!