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あなたもどれかに当てはまる!過敏性と鈍麻性の真相

公務員から退いて、
自身も祝日や休日に働く経験をすると、

そういった日に、
カフェで働いてくれている人たちに、
感謝が湧いてきます。

本当は、
休日、祝日はどこもオフでもいいと思いますが。
(経営上できるなら)

そうなったら、
公園でも行って、外でPCをカタカタやろうかな笑


共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨

教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌

どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。

共育LIBRARYりょーやん、元教師です。


「小さい頃から食べられないものが多かった・・・」

そんな人は、
意外と多く周囲にいるものです。

そういった人に、
味覚過敏という性質があることはかなりの人が知っていることだと思います。

一方で、

「人ごみに行くのが苦手」
「人との距離感が近い」

といった行動も、
過敏性や鈍麻性の性質であることは、
あまり多くの人に知られていない気がします。

過敏性や鈍麻性という性質は、
実は一部の人がもっている性質ではなく、
誰しも1つは当てはまるものです。

筆者も、
非常に多く項目に当てはまります。

それを知ることによって、
自分が感じていた人との違いの違和感が分かったり、

「この人ひょっとして○○過敏の性質があるかも?」

と、周囲の人への理解が深まり
より感情を乱さずに、
相手のことを受け入れることができる。

そのためにも、
過敏性や鈍麻性を知っておくことは必要です。

この記事では、
過敏性や鈍麻性の特徴、
対応の原則などをお伝えできればと思います。

人間理解、発達の理解へのきっかけにしていただければ幸いです。

楽しんでご覧ください。



人間の感覚が育つ過程

視覚、聴覚、触覚、味覚、嗅覚の中で、
1番初めに育つのはどの感覚だと思いますか。

これは、実は、触覚です。

なぜなら、触覚は人間の中で、
最も生存に関わる感覚だからです。

耳が聞こえない方、
目が見えない方でも、
生きていくことはできます。

しかし、
触覚が分からなければ、
生きていくことは難しいです。

そもそも痛みが分からなければ
大怪我をしても気付かず、
出血多量で死んでしまうかもしれない。

温度を感じることができないので、
火に手を突っ込んで、
大やけどをしても、
何も感じません。

このように、
ある種、生きるために必要な順番から、
感覚は育っていくと言えます。

生後の脳の各感覚を担う部分は、
以下の順番に形成されます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

①触覚・・・7.5~18週
②味覚・嗅覚・・・12~14週
③聴覚・・・20~24週
④前庭感覚・・・21~24週
⑤視覚・・・23~25週

※前庭感覚=傾き、上下左右、バランスを担う感覚

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

そして、実は、
これらの感覚は胎児の時にも、
既に育っている
のです。

そして、
胎外に出てからは、
外の世界用にこれらの感覚を再構築していく。

よって、早産で生まれた場合は、
一部の感覚がうまく育ち切らずに生まれることもあります。

触覚が低反応であったりとか、
安全を識別する機能が低かったりする。

ただ、それで不安になることはありません。
それらを補うことは後々でもできますし
その部分に凸凹があったとしても立派に生きている人はいます。

あくまでそのような傾向がある、という話です。

それでは、ここからは、
各感覚の過敏性や鈍麻性について見てみます。


過敏性と鈍麻性の特徴

過敏性と鈍麻性とは?

シンプルな言葉にすると以下です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

過敏性・・・感覚が過剰に反応すること
鈍麻性・・・感覚が低反応であること

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

これは、
発達段階での行動の偏りによって生じるものもありますし、

神経発達症の症状と関連性があるものもあります。

遺伝的要因ももちろんあるでしょう。

そういった要素を踏まえて、

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

❶触覚
❷視覚
❸聴覚
❹固有覚
❺前庭覚

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

といった項目ごとに、
簡単に解説していきます。

味覚や嗅覚の過敏・鈍麻は、
比較的分かりやすいので、
ここではカットしてあります。


❶触覚

前述したように、
触覚は最も生存のために重要な感覚です。

人間の身体の中で、
4~8kgもあるという、
最も大きな臓器であり、
最も大きな影響力をもちます。

では、触覚の過敏性と鈍麻性を見てみます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【過敏性】
・人ごみが苦手
・人見知り
・ちょっとのことでも危ないと認識する
・不安が強い
・暑さ、寒さに弱い
・水がこわい

【鈍麻性】
・安全な人、場所の判断が苦手
・人との距離が近い
・知らない人とも仲良くなれる
・くすぐりがきかない
・汗が出づらい
・指しゃぶりがある

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


❷視覚

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【過敏性】
・チカチカする広告がたくさんある場所が苦手
・結婚式場など華美なものが多くある場所が苦手

【鈍麻性】
・スーパーで商品を見つけるのが苦手
・文章から重要箇所を見つけるのが苦手

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


❸聴覚

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【過敏性】
・大きい音や声が苦手
・突然なるピストル音や緊急地震速報などが苦手
・特定の音があるとそわそわしたり、まともに生活ができない

【鈍麻性】
・聞き分けができない
・人が多い場所を避ける

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

様々な音が混じり合っている場所では、
必要な音を選択することができないので、
聴覚に鈍麻性がある人は、
人が多い場所を避けるという意味です。


❹固有覚

固有覚は、
筋肉や関節の動き、力加減など、
体を操作するときの感覚です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【過敏性】
・緊張して体がこわばりやすい
・自分の動きを過敏に感じる
・カクカクした歩き方

【鈍麻性】
・姿勢を崩すと刺激が入る
・腕を組みやすい
・授業中に離席が多い
・階段からジャンプしたりする
・友達とのトラブルが起こりやすい

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

鈍麻性の人は、
とにかく身体が刺激を欲するようですね。


❺前庭覚

傾き、上下左右、バランスなどを司る感覚です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【過敏性】
・揺れる場所がこわい
・高い場所がこわい
・靴をはくのがこわい
・車に酔いやすい

【鈍麻性】
・キャッチボールなどが苦手
・姿勢が崩れやすい
・黒板の文字を見失いがち

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

靴をはくのがこわいのは、
地面の情報が直接入って来なくなるため。

黒板の文字を見失いがちなのは、
眼球を動かしたときに傾き補正が効きにくいためです。


過敏性/鈍麻性への対応

前章で紹介した過敏性と鈍麻性、
1つは当てはまったという方は多いのではないでしょうか。

ちなみに筆者は、
どちらかと言えば鈍麻性が強いです。

低刺激では反応しないので、
姿勢が崩れがちですし、
スーパーでも商品を探すのに時間がかかります。

多少危険な国だって一人で行ってしまいますし、
初対面の人とでも仲良くなるのは早いです。

よって、
人よりも刺激を求める人生であると言えるでしょう。

ちょっとの刺激では脳が覚醒しないので、
常に意欲を注げるもの、
やる気の炎が湧き上がるものを探しています。

さて、ここからは、
過敏性、鈍麻性ごとに対応策を解説していきます。


過敏性への対応策

過敏性を抑えることができる対応策の原則は2つ。

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

◆自分で選択する
◆代替物・手段を用意する

▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢

この2つです。

過敏性というものは、
自分で選択したものに対しては発動しにくいという特徴があります。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・自分で選んだ服は着れる
・自分選んだ食べ物は食べられる
・歯磨きを嫌がる子どもも、子どもに歯ブラシを握らせ、その手を親がそっと補助する形であれば嫌がらない

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

などなどです。

逆を言えば、

「強制感が出ると過敏性はどんどん強くなる」

ということ。

もう1つは、代替え物・手段を用意すること。

例えば、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・なめても問題ない玩具にかえる
・イヤーマフをつける
・ノイズキャンセリングを用いる
・消臭剤を使う
・グリーンノートを用いる
・好きな音楽を聴いて酔いへの意識を逸らす
・図書室など人口密度が低く静かな場所に行き、人との距離をおく

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

イヤーマフは、人の声の過敏性を抑えるもの。

ノイズキャンセリングは、
それ以外の音に関する過敏性を抑えます。

グリーンノートは、
白いノートの光の反射刺激が強すぎて苦手という子どもに対して、です。

ちなみに、
信頼できる人が近くにいるという環境があれば、
過敏性を抑えることもできます。


鈍麻性への対応

鈍麻性の対応の原則は、

「足りない感覚はそれをたくさん使って鍛える」

ということ。

むしろ、鍛えて対応していくしかないって感じです。

そのような感覚入力の例を見てみます。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

【触覚】
・ぬいぐるみにダイブ
・ハイタッチ

【視覚】
・カラーマスノートの使用
・リーディングトラッカーの使用

【固有覚】
・マッサージ、タッチセラピー
・授業前に運動させる
・重り付きベスト、チェーンブランケット
・ボルダリング

【前庭覚】
・トランポリン
・バランスボール
・ボールプール
・ブランコ
・ハンモック

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

などなどです。

聴覚に関しては、
場所を変えるといった環境面の調整が現実的な気がします。

ここで紹介した例は、
まだまだ一部ですが、
ご自身やお子さんの様子に当てはまるか考えてみてください。


まとめ

筆者が、
過敏性/鈍麻性のことを調べているときに、
最も驚いたのが、やはり触覚です。

仕事をする上で、
リスクマネジメントを重要視し、
ミスがないことを優先的に考える人がいれば、

新しい挑戦に熱を注ぐことこそ、
仕事の醍醐味であると考える人もいる。

そういったところも、
触覚過敏や鈍麻からきていると分かってきたからです。

人見知りや、
人との距離感という人間関係全般にも関係している

確かに、肌感覚で、

「この人は信頼できる」
「この人は怪しい」

と判断できなければ、
人間は生存していくことができません。

こういった視点を踏まえて、
自身や周囲の人間観察をしてみるのも、
また面白いと思います。

この他にも、
神経発達症とのつながりに関しての指摘もあります。

例えば、

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

・触覚過敏はADHDと連動していることが多い
・ADHDの子には一部前庭覚が弱い子がいる
・ASDの9割は何らかの過敏性をもっている

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

などです。

過敏性、鈍麻性という視点をもって、
人間理解を深めれば、
掛ける言葉や対応、
サポートできる選択肢が広がり、
より理解ある対応ができる
と思います。

ぜひ、試してみてください。


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