「不登校」という後ろ向きな言葉はやめよう!ホームスクーリングという選択肢
12月。別名、師走。
「走」という漢字が使われているように慌ただしさを感じる時期でもある。
「焦って走る」のではなく、
新しい2024年という年に向かって「駆け抜ける」。
そんな「走」の師走にしたいですね🔥
共育LIBRARYへようこそおいでくださいました✨
教育、人間、人生など、様々な「知恵」や「情報」が詰まった図書館のような、皆さんがくつろぎ、人生の「気付き」を得たり、知的好奇心を満たしたりできる居場所を目指しています😌
どうぞ、ごゆるりとお過ごしください。
共育LIBRARYりょーやん、元教師です。
21世紀型教育、ギフテッド教育、国際バカロレア教育・・・
旧来の「詰め込み・教え込み教育」に危機感を覚えた世界各国が、新しい教育の形を求めて、多種多様な選択肢を増やし始めています。
日本も近年は、アクティブラーニング、個別最適な学びなど、響きのよい謳い文句は掲げていますが、「詰め込み・教え込み」からは、まだまだ脱却できていないのが現状です。
中でも、海外にはあって、日本にはあまり浸透していない決定的な教育の選択肢があります。
それが、
ホームスクーリング
です。
学校に行かずに、家庭で「自学者」となり、自分の学びたい欲求を大切にし、様々な面白いカリキュラムを立てながら、ワクワクして学んでいく。
そのような道を選択する子どもが、世界各国で増加しています。
しかし、いざ日本でそれをやろうとすると、様々な不安を覚える方が多いのではないかと思います。
「家で本当に勉強するの?」
「社会性はどう育むの?」
「その後の進路は?」
各家庭で解決できる問題もあれば、日本社会の仕組みとして整備しなければならない問題まで様々ですが、
いずれは、ホームスクーリングは選択肢の1つとして、より浮上してくる可能性が高いです。
そのことも含め、多種多様な観点から、「ホームスクーリング」というものを考え、お伝えすることができればと思います。
是非、最後までご覧ください。
ホームスクーラーは前向きな言葉
まず、日本で言われる「不登校」と「ホームスクーラー」は何が違うのでしょうか。
実は、これは、本質的には大きな変わりはありません。
ホームスクーラーの中にも様々なタイプがいると思いますが、学校の集団教育という形が苦手で、自学をしているホームスクーラーは多数いるのです。
ただ、
ホームスクールをしてもよいことが、きちんと法律で認められており、家庭でカリキュラムを組んで、それを教育機関に提出するというシステムが整えられているのです。
そして、
日本のように
「不登校」=マイナスな言葉のイメージ
ではなく、
「ホームスクーラー」=探究者
という肯定的な見方がされているのが、非常に大きな違いであると思います。
筆者自身も、ホームスクーラーという、自ら「自学者」の道を選ぶ人は素晴らしいと思います。
その理由は、
学校に行きたくない/行かない理由を探っていけば明らかになります。
ホームスクーラーになるような子どもはどのような気質をもつ子が多いのでしょうか。
ホームスクーラーの感性
まずは、現在の公立の学校が生まれた歴史から。
欧米では、18世紀の産業革命により、工場で働く人を大量に必要としたことから「知識を教え込む」タイプの教育が始まったという説があります。
日本の戦後の義務教育も、工場でひたすら根気よく働くことができる労働者を育てる方向性で公教育が始まっている。
しかし、現在は、そのような時代ではとうになくなってしまっていることは、誰しもが気付いていることだと思います。
そのような中でも、旧文化を引き継いでいる学校と、社会の時代の流れの矛盾を、素直な感性で、「何かおかしい」と感じている子どもの一部が、「ホームスクーラー」になっていると思うのです。
つまり、日本の不登校の子どもも、「おかしい」と感じる感性があり、それを学校に行かないという形で行動に移すことができる、とても素晴らしい素質をもっているという一面があると思います。
また、発達凸凹の観点から言えば、自閉系の特性をもつ子どもが、学校の環境に適合しずらくても当たり前なのです。
そもそも、社会性を不得手にしているという特性があるのですから、皆で均一的なことをやる公教育の環境があてはまらなくても、当然です。
他にも、聴覚過敏をもっているのならば、多種多様な子どもが好き勝手にワイワイ話す環境にいれば、不安定になってしまっても、至極真っ当なことなのです。
LDの子どもも、「画一的な全体授業」というフィールド自体に不適合を起こしやすい性質なのです。
そのようなことが、既に「医学的」にも分かっているのですから、学校教育の形を変えている諸外国の存在があることも、自然な流れと言えます。
これらがどれだけ負荷の高いことなのかが分からない大人が多いのが現在の日本の社会。
もし、何のスポーツもしてこなかった人が、いきなりラグビー部に入部させられ、毎日タックルやスクラムを強制的にやらされたら、どう思うでしょうか?
筆者は絶対嫌ですし、ついていく自信がありません笑
でも、現在の学校が、発達凸凹の子どもたちに行っているのは、そういうことなのです。
そして、ホームスクーリングというものは、気休めでも何でもなく、多大なるメリットがあります。
では、どのようなよい効果があるのでしょうか。
ホームスクーリングのメリット
まず、アメリカのホームスクーラーの割合を見てみます。
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
1999年 → 1.7%
2003年 → 2.2%
2012年 → 3%
2015年 → 4%
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
もはや、ホームスクーラーの数は数百万人となっており、2015年の時点で、30人に1人が、ホームスクーラーとなっているのです。
2023年の今は、もっとでしょう。
日本の不登校が約30万人であるという報告に比べ、相対的に見てかなり大きな割合だと思います。
増えているということは、ホームスクーリングが、きちんと魅力ある特色をもっているということです。
まず、古来からホームスクーリングを実施している家庭はありました。
有名なのが、エジソン。
小学校の授業で
「なぜ1+1は2なのか?」
という疑問を投げかけ、教師を怒らせたエピソードは皆さんもご存知なのではないかと思います。
HONDAの創業者である、本田宗一郎も学校に馴染めないような、ホームスクーラーの気質があったようです。
このように、社会に大きな影響を及ぼした人物の中に、ホームスクーラーが多いというのも、歴然たる1つの事実です。
アメリカの歴代大統領44人中、32%を占める14人が、ホームスクーラーだったというデータもあります。
また、
2万人以上ホームスクーラーからデータを取得した全国学力テストの平均点が、全国平均を50%のスコアとすると、76~84%という高い数値を出していたとい調査結果も出ています。
平均的には、全国平均の約1.5倍です。
他にも、様々な調査結果やデータがあります。
例えば・・・
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
◆ホームスクーラー経験者の方が、うつ病や不安にかられる割合が、普通の生徒に比べて少ない
◆社会性・コミュニケーション能力テストの結果、普通の生徒は23%、ホームスクーラーは84%
◆ホームスクーラー経験者の70%以上が、大人になってからも地域に何かしらの社会貢献を行っていた
▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢▢
等々です。
つまり、
ホームスクーラー=社会性が育たない
は成り立たないということです。
これは、おそらく、ホームスクーラーになりやすい子どもが、元々、
「社会に貢献したい/人の役に立ちたい」
というホスピタリティマインドをもっている傾向があるのでしょう。
日々、発達凸凹をもつ子どもたちと接していると、そのマインドをもつ子どもが多いことに驚かされるので、筆者自身、うなずける話です。
ただ、これらはアメリカという国の実態であり、家庭で教育するということは、親が高い教育水準をもっている必要があるように感じられます。
そこで、マレーシアの実態も紹介します。
マレーシアのホームスクール体制
マレーシアは、他民族国家。
マレー系民族と、中華系民族、インド系民族が共存する国です。
筆者も行ったことがありますが、どの都市にも、チャイナタウンやリトルインディアという民族ごとのエリアがある国です。
すると、当然、教育の在り方も多様になります。
さらに現在は、IT機器を通して、世界中の情報にアクセスすることができ、非常に質の高い、有益な情報を無料で取得することができます。
すると、自然と、
「自分で勉強した方が効率がよい」
と考える子どもが出てくる。
そうなると、もはや、画一的な教育を行うのは「不可能」です。
マレーシアは、
公立学校
インターナショナルスクール
ホームスクール
と実に多様な教育の形があり、素晴らしいのは、
校種間を非常に異動しやすいのだそう。
なので、小学校は公立学校だけど、中学からはホームスクーリングで・・・・
ということが、社会的な仕組みとしてもやりやすいようになっているのです。
しかも、ホームスクーラーが定期的に交流できる場所があり、異年齢の他者とのコミュニケーションをとる機会も保障されています。
マレーシアでは、ホームスクーラーは、勉強を嫌うから学校に行かないのではなく、
学校に行かない子は、むしろ勉強する
傾向にあるそうです。
今や、一流大学の先生が、一流の授業を無料で配信しています。
カーンアカデミー
TED-Ed
など、英語が理解できれば、世界のトップ中のトップの授業を受けることができる。
AIの進化で、言語の壁も大分、問題がなくなってきてもいる。
ホームスクーラーは、大体、午前10時~午後7時まで学習するそうです。
その中でも、
プログラミングを行うもよし。
アートやビジネスを学ぶもよし。
プレゼンのスキルを学ぶもよし。
動画編集技術を学ぶもよし。
マネーについて学ぶもよし。
自分でカリキュラムを組めるところもあるそう。
そのような独学の道を歩んで行っている。
ただ、社会で仕事に就くときの条件と、現在学んでいる内容のマッチングを図る必要はあると思いますが、
日本ほど、詰め込みの知識や試験で能力の仕分けがされている社会構造ではありません。
キャリアを重ねていくために転職をするという文化が強い国ですから、その仕事に直結するスキルがあるかどうかを見て、採用を決めていくのでしょうね。
まとめ
筆者は、全ての人がホームスクーラーがよいと言っているのではなく、独学者の道が向いている人が一定数いるのだということを、この記事の内容で伝えています。
自走型=好奇心旺盛
生涯を通して学び続けていく
タイプの人は、ホームスクーラーに向いている可能性があります。
筆者も、中学、高校、大学と、興味関心のもてない授業は、大体寝ていました。
高校では、8~9割の授業は、「起きることができなかった」のです。
前頭葉の脳の機能上。
そのお陰で、しょっちゅう先生に叱られて鍛えられました笑
1対1の校長先生との面談でも、目の前で寝てしまっていたことがありますから・・・笑
今の時代に学生だったならば、間違いなく、ホームスクーラーの道を選びたいと思ってしまいます。
この記事で記した、21世紀型教育、国際バカロレア教育などの、その他の多様な教育の形は、また別に記事でお伝えできればと思います。
また、りょーやんが運営している共同運営マガジンメンバーにも、現在進行形でホームスクールを実践している方がいます。
明日の朝に、メンバーの記事を紹介する予定ですので、是非、ご覧ください。
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明日の記事は
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です。
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【金曜日】
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