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私にとって、はたらくとは どんなことかを考えてみたら?

「平均台の上をそろりそろり歩くように、バランスをとることです。」

もし誰かから、「あなたにとって、働くとは?」と聞かれたときの私の答えだ。

中学生のころ、体育の時間に平均台をきれいに歩く→ステップを付けて軽く飛んだり、ターンするということをした。なんでわざわざ、こんな細いところを歩かなければならないのか。こんなこと今後の人生で役に立つときなんぞ、ないのでは?と勝手に思っていた。

あの細い平均台を歩くには、まず、バランスが大切だ。ドン臭い私は、飛行機みたいに両手を左右にのばし、バランスを取りながら歩くだけで精一杯。ちょっと油断すると、あっという間に落下。そうなるとまた、最初からやり直し。

「あ~あ~。全く・・・」

改めて当時を振り返ると、バランスをとるということがいかに大切かが身に染みる。当然、左右の重さが同じではないとバランスがとれない。

では、今の生活に当てはめて考えてみると?

私の右肩には、「趣味・遊び・人間関係・家庭生活・その他もろもろの雑事」なんかがのっている。

左肩には「仕事(ここでは、報酬があるもの。報酬の多少は問わない)」。

もし、右肩があまりに多くて漬物石のように重くなれば、あっという間に右に傾くし、左肩の「仕事」が、息をするのもしんどくパンパンに膨れ上がれば、ガクンと左に傾く。

そうなると、瞬時に平均台から落下。下手すると、足をくじいたり、けがをすることになるかも。

それだけではない。何らかの原因で、心がもやもや、ざわざわ、気持ちも下降線状態なら、すぐに影響が出て肩が重くなり傾く。心模様も関係あるということだ。

そんなとき、あれ?少しずつ右肩が重くなってきた。これはまずいぞ・・・となれば、仕事に没入。一瞬一瞬を大切に、真剣に、集中して取り組む。・・・あ、徐々にバランスがとれてきた。心の中に気持ち良い、やさしい風も吹いている。それならもう、体も、心の状態も、バッチリ!

こうやってじっくり考えてみると、私にとって働くとは、報酬などの他に「心のバランスをうまくとるため」だということが、はっきりわかる。そろりそろりと、平均台の上を歩くみたいに。なくてはならないもの。

そして、もう一つ付け加えるとしたら、「自分らしく生きるため」とも言えるのかもしれない。自分という人間が、この世の中に存在し、ささやかながら誰かの役に立てる。それが自分なりのやり方で、無理なく気持ちよく続けられることだ。

あの頃は全く先が見通せず、完全に、ふてくされていた中学生の私に、「心の中で、平均台の上をバランスよく歩けるようになったことが、今とても役に立っているよ。」と、しっかりと伝えたい。







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