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賑わいから逃げ出す【新人読書日記/毎日20頁を】(74)

『歌川広重の声を聴く』、141〜160頁、読了です。

「絵本江戸土産」と「江戸名所図会」に描かれる同じ場所の浮世絵を対照すると、両者の景色の表現の差がとてもわかりやすくなります。例えば「湯島天満宮」の例では、一方は全体の俯瞰、一方は雪化粧をした天満宮の風雅な姿といったように、絵からもたらされる印象は大分違います。また、名所ではない耕地・広野などを多く取り上げる広重は、おそらく末期の大都市江戸の賑わいに疲れて郊外の景色にゆとりを求めていたのでしょう。


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