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転身・転職成功者たちへ聞く、自分らしく働くということ #1 プランツディレクター鎌田美希子さん

仕事をしていると、『現状維持のキャリアでいいのか』『本当にやりたい事を追いかけるべきか』と迷いが生じることがある。

仕事について悩むのは、あなたの志が高いからこそ!と、覚悟を決めて変化するには勇気がいるけれど、いつだって心の声に従って『自分らしさ』を見出してほしい。そんな思いを込めて、本企画では転職・転身・独立を経験し、自分らしい生き方・働き方を選択した女性にその経験を伺います。

第一回目は、外資系医療機器メーカー勤務からプランツディレクターに転身し、様々な場所を緑化する仕事をする鎌田美希子さん。

転身・独立を経て現在、「人生って面白いなって思える」と語る、彼女の軌跡に迫ります。


◆Profile◆
鎌田美希子(@mozuchang @tanicushion)/ロッカクケイLLC. プランツディレクター/30代
拠点:東京

Q1:前職・現職について、それぞれの仕事内容を教えてください。
「《前職》外資系医療機器メーカー 
薬事部循環器領域における医療機器の日本での承認取得、上市までを担当する職種です。普段は法令に則った技術系の資料作成や、生物系のアカデミックな知識を活かし国内外の学会に参加したり。

《現職》プランツディレクター
『植物のない空間をゼロ』にすべく、オフィスや店舗など様々な場所を緑化する仕事。その仕事の一環として、室内緑化ツール『Tanicushion®』を開発&発表。現在は緑化が人に与える効果を研究するため千葉大学大学院園芸学研究科の博士課程在籍中。研究データをもとにした事業行うべく奮闘中。」

Q2:現職への転身・独立を考え始めたのはいつ?そのきっかけは?
「前職で4年くらい働いたタイミング。もともと植物が大好きで大学院まで植物の研究をしていたので、一生植物に関わる仕事や研究がしたいと思っていました。
きっかけは周りの人たち、周りには起業してたりフリーランスだったりと自由に働いている人たちが多く、羨ましくなって。」

Q3:転身・独立において、最も不安だったことは?そしてその不安はどのように解消されましたか?
「一般的な家庭で育ったので、自分で稼ぎを立てたり会社を経営したり、そんな環境や選択肢はそれまで自分の人生にはありませんでした。はじめる時は、きちんとお金を稼いで、安定した生活ができるのか不安でした。今でも、不安は100%解消されてはいませんが、何かしら動いているとそれを見ててくれる人はいるし、協力してくれる人も現れるので(しかもとてもいいタイミングで!)、非科学的な話だけれども、『先のことを心配する』よりも『今を生きる』ことの重要さに気づかされました。
そして、ものすごく、人生って面白いなって思えるようになりました。」


Q4:転身・独立当初の不安と情熱を抱える自分へ声をかけるとしたら、何と言う?
「想像以上に人生はコントみたいなもの!そんなに怖がらずにやっちゃって、毎日笑おう。なんとかなるし、面白いよー。」

Q5:鎌田さんと同じように、landerメンバーも好きなことを仕事にしている女性陣が集まっています。好きだからこそ、仕事/プライベートの切り替えが難しいこともあると思いますが、どのようにスイッチを切り替えていますか?プランツディレクターならではの職業病などもあれば教えてください。
「スイッチの切り替えは確かに難しいですね。
私は仕事から遊びより、遊びから仕事のスイッチを入れるほうが難しくて。植物の仕入れとか好きなことは別、資料作ったり、見積書や請求書作ったりといった作業が苦痛で。先延ばしにしてしまいます。仕事するぞ!とスイッチが入った時にはシェアオフィスや、仕事するためだけのお決まりのカフェへ行き、物理的な変化をつけるようにしています。今の仕事が好きだからこそ、どこでも仕事ができてしまうので、PCを触っているといつのまにか深夜に。以前はなかったですが、旅先にもPCを持っていき仕事をすることもあります。
プランツディレクターの職業病としては、植物が好きすぎるので旅先どこに行ってもずっと植物を追いかけてしまい同行者に迷惑をかけてしまったりします。特に旅先は、プライベートと仕事を分けられない瞬間があります。」

Q6:プランツディレクターとして、これだけは絶対譲れない点はありますか?
「植物が生きる環境に置いてあげること。この環境ではすぐに枯れてしまうというのを分かっていて、デザインのためにとかおしゃれのためにとか、植物が育たない環境に置いておくことを許せないです。例)オフィスの中にサボテンとか。
あとは植物を使った一時的な装飾とかは、自分のポリシーとは合わないので最近はやっていません。」


Q7:『好きなことは仕事にしない方がいい』という言葉も世間で耳にすることがあります。この考えに対してどのように思われますか?
「私は好きなことを仕事にしたので、それに関しては一切後悔はなく、好きなことを仕事にすることには肯定的です。ただ、お金儲けをしたいとかビックなことをやりたいとか思った場合、その事業が好きなこと関連だと苦しくなってしまったりするのかなとも思います。今度事業展開をするとなった時に、大好きな植物が嫌いになったらどうしようと思ったり。...まぁないと思いますけど。」

Q8:プランツディレクターとして活動しはじめた当初の目標、また今後の目標があったら教えてください。
「なんとなくで始めたので、目標とか持たずに、いただいた仕事を一つ一つこなしていました。現在は当時とは面白いほど変化していて、今後の目標はメンバーを増やしてきちんと事業化していくことです。そのために大学院で研究し、大企業とコラボレーションしながら、今までできなかった、届けることができなかった、たくさんの人たちに植物のパワーを届けられたらなと思ってます。」

Q9:自分の道を築くのに必要な心構えとは?
「心構えとかはあまり持たずにゆるゆると今までやってきたので、あまりないような気がしますが『本当に好きなことなのか?』を考えること。好きを極めること。」


Q10:プランツディレクターとして新しい環境に身を置き、生活で最も変化したのは何ですか?(お金や時間の使い方、人間関係、生活リズム、価値観、趣味など)
「お金を使うことは消費ではなく投資と考えるようになったこと。これは5年くらいかけてようやく慣れてきた感覚かもしれません。
人間関係は、時間が足りないのでその時そのタイミングで必要としている人に会うことが増えました。直感的にわかるようになりました。逆を言うと、今の自分にあまり必要ないなという人間関係は希薄になっていきました。とにかくサラリーマン時代と圧倒的に違うことは『時間がない』こと。『時間はある』けど、その時に必要な人間関係にだけ『時間がある』。
生活リズムは不規則になりがちですが、もともと夜型なので、好きな時間に仕事をしたり、昼寝を積極的に取り入れたりしています。が、時間の使い方はまだまだですね。キチキチ詰め込むよりは余白がすごく必要なタイプなので、割り切って考えてます。毎日規則的じゃないところがお気に入りです。」

Q11:転身・独立して良かった!と思える一番の変化は?
「何よりもサラリーマン時代には会えなかったような、多才でバラエティ豊かすぎる周りの人間関係ですね。面白い人、ぶっ飛んだ人、超賢い起業家などのビジネス周りの人たち。そういった人たちと出会えることもひとつ、何よりも、私がやっていることに興味を持ってもらえたり、そういった人たち人間関係が構築されていくことが嬉しいなと感じます。」

Q12:転職やフリーランス転向を検討中の方に、あなたの経験を踏まえたアドバイスをお願いします!
「自分や周りを見渡しても、自分で事業をしていたりフリーランスで生きている人たちはみんなとてもたくましいと感じます。もともとたくましいわけではなく、自分の頭で考えて身体で動く必要があるので必然的にそうなっていくのではないでしょうか。
変化は自分自身を強くしてくれる一番の訓練なので、迷ったら変化することをお勧めします!」

Q13:landerの働き方やチームつくりはどう思いますか?もし機会があったら参加してみたいと思いますか?
「遠隔での仕事はまだ経験したことはありませんが、場所を問わず時差も乗り越えて働けるという組織は面白いなと感じます。参加してみたいと思います!」

Q14:あなたのモットー(座右の銘のようなもの)は?
「偶発性を大切に、日々変化していくこと。あとは、(心配性な面もあるので)常に、今がパーフェクト!と口で唱えるようにしています。」

tanicushion®
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《編集後記》
『好き』の延長線上で、仕事に繋がった鎌田さん。「なんとなく」から歩みはじめ、今までには出会ったことのないような人達と出逢い、一歩踏み出したはずが大きな変化となった。初めから大きな目標を持つのではなく、小さな目標をひとつひとつ達成することが大きな変化に形をかえていく。迷った時こそ自分の『好き』を極めるきっかけになりますね。(by Sakiko from Tokyo)

クリエイティブプロデューサーMutsumiのロサンゼルスでの活動を辛酸なめ子さんがnoteとハフポストで連載中です。そちらもよろしくおねがいします。 https://note.mu/nameko_la