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「治安が悪い」のポジティブな意味

お行儀のいいコミュニティよりも、治安の悪いコミュニティのほうが居心地がいいことがある。

もちろん、治安が悪いことは、基本的にはよくないことなので、適度なとっ散らかり具合を調整し、管理できる役割の人が必要だけど。

そんなポジティブな「治安の悪さ」について考えている。

「治安が悪い」とは?

あくまで、ポジティブな意味で考えていく。(犯罪率が高いとか、一般的な意味はさておき)

「ダメな人がダメなままでいられる場所」
「あちこちで騒いでいてまとまりのない状態」
「雑然と散らかっていて管理されていない(ようにみえる)こと」

こうした意味を持った場を、「治安の悪い場」とする。

「治安の悪い」ことのマイナス面

悪い、と付いてるくらいなので、先にマイナス面を挙げておく。

避けて通られる、人が寄りづらい。
暴走しやすい、過激になりやすい。
静かに落ち着いて過ごしづらい、過ごせない。
事故や犯罪(悪いこと)に巻き込まれる。
汚い。散らかっていて、大切なことが見えづらい。

よくある「割れ窓理論」だ。一つの窓が割れていたら、ほかの窓も割ってもいいのかな、となる。落書きが一つあったら、どんどん落書きが増える。そうやって軽いものの積み重ねで、治安がどんどん悪くなり、重い犯罪が起きる。だから、ちょっとした悪いことでも取り締まる。

「治安が悪い」のポジティブな意味

もちろん、過激になりやすいものをコントロールするのは難しい。その前提で、「治安の悪さ」をよりポジティブに捉え直してみたい。

参加者が限定される、受け入れられる。
やろう!と言った時のノリがよい、すぐやれる。
すぐになにかに巻き込まれる。巻き込みやすい。
誰かの集めたガラクタが、誰かにとって宝物になる(かもしれない)。
どうでもいいものがたくさんあることに面白さがある。

怖い人達がいる場所は、立ち入りづらいかもしれない。でも、気の合う仲間同士が楽しく過ごすだけなら、ほかのだれかは立ち入りづらいほうがいいかもしれない。あえて治安を悪くすることで、参加者を本当に興味のある人だけに絞ることができる。

そして、これ面白いよ、とかこんなのやりたい、ということが言いやすい。気の合う、話の分かる人どうしなので、そしてノリが軽いので、実行しやすい、行動が早い。

そっとしておいてくれ、と思っていても、巻き込まれてしまう。でも、巻き込まれることで助かることもある。突然ボールが飛んでいて、いつのまにかゲームに加わっている。意外とそれが楽しい時もある。人を巻き込む力が足りなくても、巻き込みやすい環境化なら巻き込める。

それぞれがバラバラに集めたガラクタが誰かの役に立つことがあるかもしれない。とにかく、ガラクタを集めても大丈夫な空気があると、みんなたくさん持ち込んでくる。コミュニティにおいては、どうでもいい、的外れな発言が許される、増える。そうしたノイズが、会議のような役に立つことしか言っちゃいけない雰囲気を壊してくれる。「役に立たないもの」は案外、役に立つことが多い。

「治安の悪い」コミュニティ運営の難しさ

すごく、運営の難しいコミュニティであると思う。管理されていることを感じさせず、暴走を防ぎつつ放置する。ときどき、大事なことはまとめる。でも、ある一定のラインをどこに設定するか、判断はとても難しい。でも、基本的なノリは、「ええやん、それ」だ。

「治安の悪さ」をどんどん肯定する
ここにいていいんだ、これでいいんだ、という安心感がコミュニティを活性化させる。

うまくいっているコミュニティ、団体、組織には、そんな安心感のある「治安の悪さ」がある。一見すると、少しとっつきづらく見えるかもしれないけれど、参加してみたらすごく楽しい、仲間がたくさんできる、なにかの役に立つ。そんなコミュニティ。

ある程度、言語化してみたけれど、まだもう少し発見があるかもしれない。この先、どんなふうに変わっていくのか、何が起こるのか、参加者だれも分からない可能性を秘めているようにも思うから。

読んでいただいて、ありがとうございます。お互いに気軽に「いいね」するように、サポートするのもいいなぁ、と思っています。