図書館は誰のもの―9/18~週に読んだ本
週末に、平日の夜や移動中に読んでいた本の残りを一気読みするのが好きです。今週末はこちらの本を(今週は実地研修で毎日22時まで稼働していたため、あまり読書時間を取れず…)。
谷一文子『これからの図書館』
どんな本?
図書館流通センター(TRC)の社長である、谷一文子さんのご高著。谷一さんが、臨床心理士からTRCに転職して様々な図書館業務に携わってきた経緯、図書館の変遷や今後の展望が、非常に読みやすく!書かれています。
図書館の変遷については、こちらの記述で端的に示されているのですが、日本各地の魅力的な施設の事例とともに併せて読むことをオススメします!
本当に誰もが行かれている?
図書館は、高齢者も子どもも、障害のある人や経済的に厳しい状況の人も、設計上は誰もが行かれる場所になっている。という点には賛同しますし、多くの人に足を運んでほしいと、私も思います。
ただ、この本には載っていない多くの図書館を想像すると、本当にインクルーシブな場所になれているだろうか?とも感じてしまいました。
「図書館に足を運ぶ」という選択をするには
・本が好き
・調べたいことがある
・本に関係なくとも、イベントや交流機会に関心がある
・上記イベントの情報を知っている
などなど、学術用語でいう「文化資本」の壁が潜んでいるようにも思えるのです。
どの地域にもある/無料で使える/利用制限はない/施設もバリアフリーこうした公共性があるにも関わらず、行かれていない人がいるのは、図書館の努力云々というよりも、社会構造の問題だと私は思います。
私設図書館のように、民間で公共的なものを作る取り組みも増えていて、「公共」の意味が見直されている今、そこへのアクセシビリティ―が不公平なものになっていないか、ということも同時に考えていきたいところです。
まとまらないまとめ
偉そうなことを書き連ねましたが笑、とはいえやはり、私は図書館が好きです!
本に囲まれた空間にいることは落ち着くし、自分が知らなかったタイトルの本や作者に出会い、自分の世界を広げられる瞬間がたまらなく好きです。
本書の中にあるような、貧困や孤独といった課題を抱える人の包摂の場にする。あとは、映画「パブリック」の中では「寒波の日にホームレスを図書館で保護するか?」という議論が展開されます。
どこまでの人が対象となるのか、「本」という強いコンテンツがある以上、多少の排他性は生じるのではないか、という疑問が残りつつも、本書で描かれているような図書館を核とした豊かなまち・ひとづくりには今後も注目していきたいです!
(おまけ)実はまだある積読
こちらです。言わずと知れた名作ですね。
村上春樹好きなのですが、実は未読でした。ようやく、手を出しました!
こちらも、たまたま図書館が舞台になっている話です。中野の実家を飛び出し、高松の図書館に落ち着くカフカ少年。
読み方によっては、カフカ少年が本好きで図書館に足を運んでいなかったら、知らない地に降り立った彼の身の安全はどうなっていたのか…?文化的なバックボーンがない家出少年は夜の街を徘徊するなどの選択肢しかないのでは?なんてことも考えられますね。
春樹らしいパラレルワールドストーリー、まとまった時間が無くて読み進められていなかったので、今晩じっくり読みたいと思います♪
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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