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「知と明日を織り合わせる時間」をコンセプトとして、読書会や対話の時間を開いたりコンテン…

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「知と明日を織り合わせる時間」をコンセプトとして、読書会や対話の時間を開いたりコンテンツを載せたりしています。 https://liber.community/ https://peatix.com/group/7196488/

最近の記事

今週の読書会のお知らせ(4/23-28)

 おはようございます。今週の読書会のお知らせです。  日曜日の9:30からは「ハンナ・アレント『人間の条件』のプロローグを一緒に読む会。 #9」です。9回目の今回は8段落目を予定しています。 ■今週の読書会 ・4/23(火) 10:00-11:40 読みたい本を気ままに読む読書会。 ・4/24(水) 21:30-22:30 読みたい本を気ままに読む読書会。 ・4/28(日) 9:30-10:00 ハンナ・アレント『人間の条件』のプロローグを一緒に読む会。 #9 ・4/28(

    • テーマ「競争」の読書会でいただいた読書感想です。

       テーマを「競争」においた読書会でいただいた読書感想を掲載しています。  読書会に参加した人とのちょっとした振り返りの時間として、参加できなかった人への読書会の様子や話題のシェアとして、読書会に参加いただいた方の読書の感想をこの場所に載せていきたいと考えています。「気が向いたら」という任意でいただいた感想です。引き続き更新していきます。 2024年4月20日(土/午前)よしださん『二つの「競争」 競争観をめぐる現代経済思想』井上義朗著  序盤を読みました。著者の専門が経済学

      • 読書会の読書感想(4/17-20)

         参加者に任意でいただいた読書感想を掲載します。17日(水/午前)は3名、19日(金/夜)は5名、20日(日/午前)は5名でした(主催者含む)。  土曜日の「質問「   」について考える時間。」の質問はこちらでした。 4月17日(水/午前):読みたい本を気ままに読む読書会原有輝さん『インテンション』アンスコム アンスコムは、ウィトゲンシュタインの高弟で、「哲学探求」の影響を受けていますね。 本書はアリストテレスの行為論を、2千年ぶりに刷新したらしいです。哲学的行為論の古典で

        • 客観性が必要な世界とそうでもない世界。

           少し前の読書会で『客観性の落とし穴』という本を読んでいる方がいました。私の言い方になりますが、客観性は個性の見落としやときには差別につながることがある、しかし効率的であるという話が紹介されて興味深かったです。  客観性というのは、みなからみて共通に判断できるような評価軸や基準を纏っていることの度合いなのだと思います。代表的な例で言えば、お金はかなり客観性の高い価値をもっているのだと思います。自販機の飲み物は誰が買っても120円です。だから120円の価値はみなにとって同じであ

        今週の読書会のお知らせ(4/23-28)

          今週の読書会のお知らせ(4/17-20)

           おはようございます。今週の読書会のお知らせです。  土曜日の10:00からはテーマを「競争」とした読書会を開いてみます。なにかピンとくる本などあればお持ちください。 ■今週の読書会 ・4/17(水) 10:00-11:40 読みたい本を気ままに読む読書会。 ・4/19(金) 21:30-22:30 読みたい本を気ままに読む読書会。 ・4/20(土) 9:30-10:00 質問「   」について考える時間。 ・4/20(土) 10:00-11:40 テーマのある読書会「競争

          今週の読書会のお知らせ(4/17-20)

          背徳欲求。

           先日の読書会で太宰治の『人間失格』の紹介があって読んでみたくなりました。なんとなく、人間のしょうもない姿を描いているのかなという感じがして、でもそれを読んでみたくもなり、これはなんなのだろうと思いました。収まりが悪く、希望とは逆を行きそうな話でもあり、なぜそんなものに惹かれるのだろうかということです。  少し話が飛ぶかもしれませんが似たようなこととして、背徳系の食べ物に惹かれることがあるなと思いました。背脂、コーラ、ポテトLサイズ。過剰な油と砂糖や塩。食べてもしょうもない、

          背徳欲求。

          記憶のなかにある〈私〉。

           たぶん結構大事な問いとして「私とは何か?」というものがあると思っています。いかにも哲学っぽくて縁遠い問いのように思うかもしれませんが、実は最も身近な問いのひとつなのかもしれません。ひとつには、「私はこういう人間である」ということをどこかで自認しながら生きているように思うからです。「私はこれができる」とか「これは好まない」とか、得手不得手や好き嫌いをどこかで自認しています。  そしてその自認は記憶に基づくものであるように思っています。記憶とは過去の出来事を正確にレコードしたも

          記憶のなかにある〈私〉。

          競争に関する問い。 -「競争」について考える時間

           先日は「「競争」について考える時間。」の2回目を開きました。1回目を受けて私のなかでもいろいろと考えて「競争には敵がいるのだろうか」という疑問が湧いたのでそこから話を始めました。私の場合は競争とは誰かと競う・誰かと争うという感じで、相手がいることが前提だと思い込んでいました。しかしよくよく考えると相手がいない競争ばかり思い起こされたのです。  2回目で出た話を私なりにまとめてみようと思っていたらなんとなく「問い」みたいな形式でまとめられそうです。ですので、ここから問いを示す

          競争に関する問い。 -「競争」について考える時間

          承認の裏にあるもの。

           すこし前に読んでいた『労働の思想史 哲学者は働くことをどう考えてきたのか』で、気になっていたキーワードがあるのでここで考えてみたいと思います。この本では最後の方で労働をさまざまな種類に分類しているのですが、そのなかに「承認労働」というのがありました(P293)。  承認労働とは、承認されたいという欲求によって駆り立てられた労働のことです。本のなかではとりわけ負の側面が強調されていました。例えば、店長という肩書きを与えられることで長時間労働に従事させられるというようなことです

          承認の裏にあるもの。

          敵がいない競争。 -「競争」について考える時間

           先日、「「競争」について考える時間。 #1」を開きました。1回目は9:30〜10:00の30分で「競争」というキーワードで話す時間にしてみました。いろいろと競争に関して話は出ましたが、僕が気になったのは「競争の目的化と手段としての競争」という話でした。  会での意味合いとしては、競争の目的化は「それに陥ってしまう」みたいな感じであまり良くない結果として話がされました。それに対して手段としての競争とは、競争があることでよりいいものを生み出しやすいみたいな、比較的良い意味合いで

          敵がいない競争。 -「競争」について考える時間

          「もしも読書会を有料にするとしたら。 #2」の報告。

           先日「もしも読書会を有料にするとしたら。 #2」を開きました。#1では「1回いくら」というサービス利用料のような形式よりは、寄付(月額)の方が合っているだろうという考えに至りました。#2ではそれを踏まえた上で、具体的な金額や決済方法などを案としてまとめて共有しました。その内容はこちらに記載しています。  ここでは#2の会で出た質問と、それに対して私が答えた内容を紹介したいと思います。それによってこの会に関する考え方みたいなこともお伝えできればと思っています。  ちなみにくり

          「もしも読書会を有料にするとしたら。 #2」の報告。

          「競争」について考える時間。 #1

          第1回は話す会です。テーマに関して、ざっくばらんに興味関心を共有し合えればと考えています。  競争が前提の社会だと、常にその原理の上で動かなくてはいけないような気がしています(当たり前といえば当たり前なのですが…)。何か一つのアイディアで効率化できたとしても、それによって出来た余剰時間やお金でまた新たな効率化や付加価値を考える必要が出てきます。なぜなら競い合いの中にいるからです。そうした競い合いは不安やストレスを生み出すとともに、忙しくなって好きなことや関心あるテーマに使う

          「競争」について考える時間。 #1

          量子力学が接地する時は来るのだろうか。

           今『世界は「関係」でできている 美しくも過激な量子論』というのを少しずつ読んでいます。量子力学は大学の頃に突然登場しました。高校までの物理は球(質点)の落下などを扱うもので、眼に見える・体験として感じられる現象を扱っていました。あれは個人的に得意で好きだったのですが、量子力学の登場によって物理が遠いものに…。  読み進めているとやっぱり分からないことばかりが出てきます。有名な「シュレディンガーの猫」という思考実験の話では、やっぱり、箱の中には眠っている猫と起きている猫は同時

          量子力学が接地する時は来るのだろうか。

          もしも読書会を有料にするとしたら。 #2

           こんにちは、よしだです。昨年の11月に「もしも読書会を有料にするとしたら。 #1」を開きました。その会では大まかな方向感がみえた気がしたので、#2ではより詳細な案を出してご意見をいただきたいと思っています。今回はその#2に向けて、具体的な案を記したいと思います。 有料化検討の経緯(おさらい) まずは、なぜ有料化の検討をする必要があるのか、その経緯を少しだけおさらいしたいと思います。詳しくはこちらに記載しています。  現在オンライン読書会のツールとしてJitsiMeetとい

          もしも読書会を有料にするとしたら。 #2

          競争の時間軸をずらすことができたら。

           実家の農業を手伝っているとき、この作業をもっと機械化できないものだろうかと思うことがあります。たとえば、りんごの重さごとに箱に振り分ける作業では、計りが発する音声に合わせて人がりんごを各箱に振り分けていきます。この箱への振り分け作業は非常に単純です。右から左へりんごを流しているだけで、この作業を行う僕の手は指先は多少器用だけど知能はさほど必要としないロボットのようです。しかも機械の音声に言われるがままに箱に振り分ける。機械に命令されているようで何だか気に入らない。その機械の

          競争の時間軸をずらすことができたら。

          家事に賃金を、と聞いて。 -『労働の思想史』より

           最近の読書会では『労働の思想史 哲学者は働くことをどう考えてきたのか』を読み続けています。帯には「人類誕生からAI時代まで」と書かれており、時代を遡さかのぼって労働について考え、今きているAI時代のことまで考える内容になっているのだと思います。でも今終盤に差し掛かっているのですが、AI時代についてはさすがに少し触れる程度かなという感じです。  この前読んだところでは、家事について触れられていました。家事の労働としての位置付けみたいな話です(P273〜)。  資本主義の社会

          家事に賃金を、と聞いて。 -『労働の思想史』より