ショートショート 束の間2

ほこらに清らかな水と、
なめらかなプリンをお供えしたのも束の間、
祠にイタズラ書きをしたいなと思った僕は、
とりあえず、
「バカ」
だの、
「アホ」
だのとイタズラ書きしてやった。

本来このようなことをしてはいけないのだろうけど、僕は今後、
このようなことを積み重ねて人間性というものを作り上げていきたい。

なので、
こういう行いはどんどんやっていく。
その中で、イタズラ行為がどんどんエスカレートしていくことがあるかも知れないけれど、
火をつけたりとか、そういったところまでいくことはないと誓おう。

それは流石に、
イタズラの域を越えてるからね。
そこまではいかないと固く誓うよ。

って言っても、
イタズラ行為はしていく訳だから、
祟りとか恐くないの?
って話になってくる。

まぁ正直なところ、恐いは恐い。
子供の頃より、そういうことをすれば、
「祟られるよ」
と教えられてきたしね。
当然ビビってるところはある。

でも、やると決めたからには、やるのが僕だ。
この気持ちは祟りでも止められない。
もし仮に祟ってきたとしたら、その時は、
祠に火をつけてやるさ。
その代償の重さを
分からせないといけないからね。
ナメるなという話だ。
アホかという話でもある。
バカじゃねぇのって話にまで
発展するかも知れない。
最終的には、
てか、キモくね?
って話になってくるんじゃないか?

そうなったら、
火をつけた後に、
一発、蹴りを入れてやるよ。

だから、僕を祟らないことだな。
それじゃ、ペンキを買いに行ってくる。


社の者に怒られたのも束の間、
ボソッと、
「ならクビにしろよ」
と言い放った僕は、
社の者に、
「あ゛ぁ! なんだって!」
と大声を出された。

なので僕は、
片耳に人差し指を突っ込み、
うっぜぇなぁという顔で、
「いや、なんでもないです」
と返していく。

そしたら社の者は、
「ふんっ」
と言ってきて、
「なら早く仕事に戻れ」
とアゴで戻るように指示してきた。

そういう訳だから、
素直に従ってやる僕は、
小さく舌打ちをし、
仕事へと戻っていく。

と見せかけて僕は、
仕事を放棄し、社を抜け出て行った。

当たり前だ!
やってらんねぇ!

てな訳で、
仕事放棄をした僕は、
今現在、
同じように仕事放棄した者達と脱出ゲームをして遊んでいる。

最初はお互い気を遣っていたが、
割りと早い段階で馴染んできた。
仕事を放棄した者同士、やはり気が合う。
気が合いすぎて
「ギャハハ」
って感じだ。

今度この集まりでお茶会とかしてみたい。
きっと、
「ギャハハ」
が多く出る。
気が合うってのは大事だ。
恐らくみんな普通程度には、
プリンのこと好きだろうな。
まぁそれがなんだという話だけど。

さ、
プリンのことなんて考えず、
脱出に向けて頑張ろう。
終わったらみんなで高級レストランだ。
ただ、高級レストランでは
「ギャハハ」
を轟かせないようにしなきゃな。

声を殺して
「ハハハ」だ。
そこは気をつけたい。

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