ショートショート そして

そして僕はいつものように牛乳を飲み残し、
部屋に一人を残して、
鎖で繋いでいる二人と部屋を出た。

外に出ると寂しい世の中だからか、
寂しい風が吹いていた。
鎖で繋いでいる二人は、
パンツ一丁だから中々に寒そうだ。
しかしまぁ、それはどうでもいい。
どうせこの二人は殺人マニアに売るのだから。

という訳で、
二人をそうしてきました僕は、
いつものようにいつもの喫茶店で、
いつも頼むカルボナーラと
クラムチャウダーを頼み、
いつも以上に食べ残した。

そして、
いつもの如く、
「美味しかったです。
 ごちそうさまでした」
と言って、喫茶店を爽やかに出て行った。

そうして僕は、
そしてどうするのかという話だけど、
そしたらそうだなぁ、そうしましょう。
描きましょう。
絵を描きましょう。
風景画を描きましょう。

という嘘のない気持ちは、
とりあえず胸の奥へと閉まって、
胸のどこにもない、
牛の乳搾りを体験しに行きたい
という気持ちを優先させた。

という訳で、
という訳にはいかなかった僕は、
スーパーで900mlの牛乳を買い、
牛の乳搾りには行こうともしなかった。

しかし今日も相変わらず、
道行く人道行く人くたびれているな。
最早この世の空気がくたびれている。
きっと今日もどこかで
雑魚い生き物がストレス発散の為に
蹴り殺されているんだろうなぁ。

ちゃんとみんな牛乳飲んでんのか?
牛乳飲めよ牛乳。
そこそこ美味しいんだから。
多少、元気になるぞ。


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