古谷文平

高知県にて家業の高知サンライズホテルの経営やシェアオフィスBASE CAMP IN K…

古谷文平

高知県にて家業の高知サンライズホテルの経営やシェアオフィスBASE CAMP IN KOCHIを運営しています。

最近の記事

高知の未来:都市と疎空間で考える

1. 都市と疎空間 戦後から続く地方の人口流出。人口の流出が止まない地方では、人口減少が課題となり、いつしか都会と地方、あるいは都会と田舎という二項対立に分けて、人口減少に起因する様々な課題や対策を語るようになった。都会への一極集中の是非を議論したり、都会から田舎へ移住を促すという議論もこの二項対立で論じられてきた感がある。 しかし、高知の今後を考える上では、この都会と田舎という単純化された思考の枠組みを取り払う必要があると思っている。つまり、もう少し解像度を上げて課題の

    • 高知の人口から考える3: 労働供給制約社会

      2040年の日本が直面する危機的な人手不足の状況を論じた「働き手不足1,100万人」の衝撃(リクルートワークス研究所)。同著を読めば、働き手が絶望的にいない未来像をよく理解できる。日本は、基本的な生活を維持するための労働力が確保できない社会、つまり供給制約社会になる。悲観論に終始することなく様々な解決策も提示してくれているので、興味ある方は是非読んで欲しい。(私が運営するシェアオフィスにも置いている) さて、未来ではなくまさに今この問題に対処しなければならないと思う県が私が

      • 東京、もはや異国なり

        東京、もはや異国なり。 先日久々に出張で東京を訪問した。高知から出てきてふと思ったのは、東京(もちろん都心エリアだが)は地方に住む人間にとって異国であるということだ。 時は2004年。今からちょうど20年前だ。進学で東京に移った際に高層ビルを見上げながら自分が感じたのは、「ついに東京にきたなあ」という感慨深さ。東京に対する漠然とした憧れと好奇心を抱いてきた地方出の人間がついにその地で暮らすことになったからだ。 しかし今回東京を訪れた際、日本橋から東京の八重洲口まで歩いた

        • 2023年の高知県の出生数から考える

          過去最低の高知県の出生数 2023年の高知県の出生数が公表されました。以下の報道によると、2023年の高知県の出生数は過去最低の3,380人となったそうです。 ちょうど約1年前のことなので記憶している人も多いと思いますが、2022年の高知県の出生数は3,721人と全国最少を記録しました。その数から341人、実に約9%減っているということになります。高知新聞では、「あまりに衝撃的な数字だ」という高知県庁のコメントを掲載していますが、県庁内にある統計数値から計算すれば当然の帰

        高知の未来:都市と疎空間で考える

          高知県の人口から考える2

          先日の投稿では、高知県の人口減少について高知県や国立社会保障・人口問題研究所の統計を引き合いに出しながら論じてみた。 今回は、人口減少の要因、すなわち結婚の数(婚姻数)や、結婚の増加を図る上で重要と思われる男女比のバランスについて考えてみたいと思う。 いくら少子化対策として子育て支援を拡充し出生率を改善しても、婚姻数が少なければ出生数が大きく増えない。つまり、人口減少に歯止めをかけることができないからだ。男女比のバランスを取りあげたのは至極単純な理由で、異性の相手が十分い

          高知県の人口から考える2

          高知県の人口から考える

          note初投稿は高知県の人口についてです。私は2019年に故郷の高知県に戻ってきましたが、その時まで人口問題に大して興味はなく、日本の社会的課題である少子高齢化で人口が減るぐらいの認識しかなかったです。 そんな私が高知県の人口に対して興味関心を抱いたのは、家業のホテル経営を行うにあたり、高知県の状況を頭に入れておこうと思ったからであります。PEST分析の一つとして高知の人口を調べたところ、私の小さい頃の記憶にあった80万人強の県人口は、Uターンした2019年には約70万人に

          高知県の人口から考える