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群ようこ「都立桃耳高校」に運命を狂わされたかもしれない

66号線です。

5年ぶりにこの記事の続編を書きます(爆笑)

作家群ようこと「都立桃耳高校」シリーズとの出会いが、さやおの運命を大きく狂わせていくのだった……
放課後ハードロック!

「岳物語」と「本の雑誌」と作家群ようこの思い出

ここまでで終わっていました。

さて、66号線の中の女、さやおの運命はどのように狂わされたのでしょうか?

突然ですが、さやおは日本大学藝術学部文藝学科を卒業しています(正確には日芸の大学院にも進みました)。

この記事でも書きましたが、さやおは吉本ばななの大ファンであり、彼女の母校が日芸と知りこのように思いました。

 奥付には彼女の略歴として出身大学が書いてありました。その時、私は「日本大学って親からはバカでも通える大学だって聞かされていたけど、日本大学の芸術学部文芸学科はこんな天才を育てたんだから、ひょっとしてものすごいところだぞ」と、ずいぶんと失礼な感想を抱いたものでした。

吉本ばななとケンブリッジ大学バタフライ事件

まあまあ失礼な親とガキですね。

確かに日大アメフト部事件以降、日本大学というだけで就活の場でも弾かれるくらい悪名高いですが、なんの罪もない学生を独断と偏見で差別するレイシズムが横行した企業にこそ問題有りで、そんな視野の狭いところがこの世から消えるのは時間の問題なので放っておきましょう。きっと林真理子が日大を良くしてくれるさ。時間はかかるだろうけど、私は信じてるよ。
しかしまぁ、ロシア人留学生の内定取り消しなどを含め、こういう話を聞くと残念ながら日本はなかなかの差別社会だと思わざるを得ません。

それはさておき、吉本ばななとの衝撃的な出会いを経て、日芸の文藝学科は憧れの存在となりました。しかし、中学生のさやおは「凡庸な自分なんかがまず受かるわけない」と思い、日芸の受験は考えないまま高校3年生の夏を迎えました。

ある時、下北沢の本屋で作家・群ようこの半自伝的作品を手に取ります。

それこそがまさに ザ・「都立桃耳高校」

はい、お待ちかねの表紙画像です。デジャブすごいね。
あらすじをざっくり言うと、群ようこさんを思わせる主人公タヤマシゲミちゃんのロックなハイスクールストーリー。大福頬張りながらロックな雑誌読んだり友達とロックのコンサート行ったり、狩人にタヌキと間違えられて鉄砲で打たれそうになったり……そんなはちゃめちゃな青春が軽やかで小気味よく描かれています。

タヌキと間違えられて鉄砲で打たれそうになる以外は自分も似たような高校生活だったのでシゲミちゃんに共感し、世界観にどっぷりとハマり込みました。

註 ここから先はネタバレ注意です


そんなシゲミちゃんもご多分に漏れず大学受験シーズンを迎えます。
ロックに塗れて勉学をおろそかにしてきたシゲミちゃんは、得意の国語力を生かしてなんとか日本大学藝術学部文藝学科に現役で滑り込みます。

なんと、群ようこさんも日芸だったのです。

一部始終を神妙な顔で読んでいた私も半年後、シゲミちゃん、いや、群ようこさんと同じ道を辿るとはこの時はつゆほども想像していませんでした。

まさか受かるとは思ってなかったからさぁ……。江古田にもう二度と来ないだろうと思って駅前の喫茶店で巨大パフェやけ食いして帰ったよん。

入学して数年後、これも何かの縁で、「かもめ食堂」の講演で日芸に来校された群ようこさんにお会いすることができました。

「かもめ食堂」にサインをいただいた後少し間が空き、何か話さなきゃと焦って言葉を捻り出そうとしたら、あろうことか群さんとほぼ同時に同じことを言ってしまいました。

「頑張ってください」

どー考えても頑張るのは私だろ。失礼なことを申して本当にすみませんでした。

学生だった自分にもっと有名人慣れと落ち着きと時間があれば「群さんのお陰で日芸に入れましたよ」と、私のストーリーをお伝えしたかったです。

☆カクヨムもやってます。


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