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棟方志功聖地巡礼in富山 stage.3 【南砺市立 福光美術館】

随分ご無沙汰しておりましたが、皆様息災でお過ごしでしたでしょうか。
適当にぶらぶら休憩してくださってたかたがおられましたら、大変お待たせいたしました…!
富山から帰ってきて1年以上経ってしまっているので、記憶が薄れて怪しい部分もあるかもしれませんが、なるべく手元の資料等を使い照らし合わせて書いていきますので、よかったらまたご一緒に美術鑑賞はいかがでしょう。

前回は、南砺市にある浄土真宗の古刹・光徳寺で大盤振る舞いの民藝たちも併せて様々なものを目の当たりにしました。凄まじい情報量でしたので笑、これから伺う美術館までの道のりで、夏の終わりの自然の中を歩きながら、のんびりリフレッシュがてら行ければと思うの💫よく晴れた朝は爽やかよ。

浦谷橋のかわいい欄干プレート
まわりの緑も豊かです😊
ご当地マンホール
森はすでに秋の気配が
轢かれたんじゃなければ動物か鳥かなあ?

森林浴を楽しみながら、歩くことしばらく。さあ、道路沿いに目的の建造物らしきものが見えてまいりました!わ~い、来れた~(*^▽^*)

南砺市立福光美術館
到達記念にそれっぽいショットを、と
晴れ女が撮ってくれた
うん、青空がそれっぽい笑
しかし道中、秋感はあれど超暑かった…
北陸でも暑いものは暑いと学びました…
建物側から外を見た風景
さすが広々してて見晴らし抜群✨
こんな納得のプレートも発見!
『生命の詩』 得地秀生

ここが玄関前です
個人的には猫が宇宙船に乗ってるように見えた←

ではでは、さっそく中へ!きっと涼しいはず…🤭(※現在は冬ですが…💦)


◆開館時間  9:00~17:00(入館は16:30まで)
◆入館料
【常設展示】 一般¥310/高・大学生¥210 ※20名以上の団体は2割引
中学生以下は無料
【企画展示】 展覧会ごとに設定(常設展の観覧料含む)
◆休館日  火曜日、年末年始、展示替え期

📝愛染苑とハシゴする場合は優待券がもらえるよ!

扉を通ると、出入口のすぐ近くにカウンターがありました。入館チケットを購入し、案内パンフレットもいただきます。今回、我々(というか私…)がほぼほぼ棟方志功目当てだったのと、時間配分の都合により、常設展のみの観覧分を選択。(当期企画展は『空する、時する 横山丈樹展』でした。)

パンフレットの表紙は『鐘溪頌「朝菊の柵」』
第三の目、開いてるよね…笑

ひとまず落ち着き館内ロビーを見回したら、受付カウンター脇にこぢんまりしたミュージアムショップがあり、そして!常設展示室への進行方向には…わあ~~~スタンプ台が✨そのあたりにはひとがなく、これはチャンスといそいそマイスタンプ帳を出し、押印するため駆け寄ります。(子どもか)

あ~ん二菩薩様ではないですか🥰
スタンプ機とマイスタンプ帳の位置が合い難く、
しばらく格闘💦
スタッフのかたが、よかったらどうぞと
白紙カードをくださいました…神なのか?
(カードにもちゃっかり押し、友人へも進呈💮)
※福光の道の駅など他所で押したスタンプも混在
ちなみにこちらマイスタンプ帳カバーと栞です
カバーは沖縄のミンサー織(民芸展で購入)
栞は津軽こぎん刺し(青森で入手)
すべてがたいせつ✨

思わぬお土産も手にできたところで、ここからが本番。いよいよ展示室へ!確か通路の壁面だったと思うのですが、まずは鑑賞の手引になるような説明書きが並んでいました。筆者は、現場が撮影可であれば、こういったものはだいたい画像に残しておき、後からでも内容を確認できるようにしています(当地でゆっくり読んでいる時間がない時もあるので…)。役立てば幸い。

「板画の道経」
“板画について”
板畫はんが
“裏彩色について”
“柵ということ”

それでは、展示室内で筆者が鑑賞した作品のうち、特に印象的だったものを写真に納めてまいりましたので、それらを以下に掲載いたします。解説文はそれぞれ棟方志功研究家として活躍されている先生のご令孫・石井頼子氏に依る展示作品目録から引用します!

流離抄板画柵りゅうりしょうはんがさく

歌人吉井勇の最新歌集「流離抄」に題を取り、吉井自身がそれまでに出した代表的歌集10冊から年代順に万遍なく選んだ31首を棟方に託したもので、歌の力に高揚した棟方は正味一ヶ月の内に全作を仕上げるに至った。

展示作品目録より一部抜粋

🔽本作の展示作品7点中の一部を画像掲載

孤狼ころうの柵
夢殿ゆめどのの柵
悟空の柵
天狗の柵
屏風びょうぶの柵

胸形變板画巻きょうぎょうへんはんがかん

石井波郷の句集『胸形變』(昭和24・1949)の俳句のすさまじさに打たれ、板画にしたいと望んでいた棟方が、共通の友人である俳人の吉良蘇月を仲介者として波郷に打診。波郷自ら選句した37首を板画化、題字等5点と挿絵7点を加えて49点の組み作品としたもの。

展示作品目録より一部抜粋

🔽本作の展示作品中の一部を画像掲載

美魅寿玖みみずくの図

昭和19年、棟方志功は富山県福光の光徳寺に訪れて襖絵「華厳松」を制作し、飛沫や隈、滲み、かしを活かして描く独自の画法を編み出し、躅飛飛沫隈暈描法ちょくひひまつわいうんびょうほうと名付けた。本作はその描法を用いて墨のみで描かれ、後年、岩絵具の群青と緑青を使って加筆し仕上げている。

展示作品目録より一部抜粋
全体アップ
ミミズク好きで、飼ってたこともあるそう笑
左側は『華狩頌はなかりしょう

※『華狩頌』については下記(単体での写真がなく、申し訳ありません💦)

写真家坂本万七から贈られた中国・通溝の狩猟図壁画の写真に想を受けて作られた。棟方は馬上の人物から弓矢や剣を取り去り、「心の世界で美を射止めるのに、弓矢はいらない。心で花を狩るという構図で仕事をした」と語る。

展示作品目録より一部抜粋。スバラシイ…!

柳緑花紅頌りゅうりょくかこうしょう

かねてより花札の図柄の美しさに心ひかれていた棟方が、動植物だけの組み合わせによる装飾的な板画に取り組んだもの。松に鷹、梅に鶯、までは定石通りだが、桜に蝶々、朝顔と鯉、沙羅双樹に孔雀、蓮と水鶏くいな、楓に兎、侘助椿に鴛鴦おしどり、という組み合わせに、棟方らしさが出ている。

展示作品目録より一部抜粋

🔽本作の展示作品中の一部を画像掲載

松鷹の柵
菖羅しょうらの柵
鯉顔りがんの柵
侘助の柵
雪萃せっすいの柵

「特筆すべきは最後の雪萃の柵」と目録の解説にもありましたが、僭越ながら筆者も見た時の感覚として『ああ……これは美しいな』と感じましたね。実は、今回の福光美術館で鑑賞した作品の中では、個人的に断トツでした。大きな作品ではないんですが、胸にまっすぐ入ってくる。清冽の極みだな。モチーフは朝鮮の比翼の墓石、そして四隅に四神が配されているそうです。
いいもの見たわ……来てよかった。今、見返してもじんわり来ますもんね。


存分に棟方作品を堪能した後は、もうひとつの常設展示室で、この美術館のもう一人の常設展示メンバーである日本画家・石崎光瑤いしざきこうよう氏の作品を駆け足で鑑賞。サイズの大きい作品が数あるのが印象に残りました。綺麗でしたね。
また、コレクション展示については別の券がなくても観覧が可能だそうで、そちらの所蔵品もざっとですが拝見。堂本印象の軸装が目に留まり、意外なところで出会うものだな~と。また、そういった日本画だけでなく工芸品も結構あって、なかなかおもしろかったです!

※ついでに、これらはミュージアムショップでの戦利品の一部と、おまけ!

身内の晴れ女が福光美術館で購入してた手拭てぬぐい
後に、筆者への誕生日プレゼントとなり
わが手元にやってくることに😆🎉
美術館から、次の行き先である愛染苑へ向かう
道中にある地元のお菓子屋さん“お菓子の小西”
そちらで購入した福光おやきです💛
なんともほっとするお味でしたわ(*´▽`*)

はい、福光美術館編は以上となります。
皆様ここまで大変お疲れさまでございました~🍵いかがでしたでしょうか?
筆者の総括的な感想としましては、棟方志功が、ご自身の板画というものについて言葉にされている内容を鑑みても、まあもうやはりただ者ではないとしか思えません。(ただ、これに関しては、日本語として読めたとしても、頭脳がいくらよくても、意味がわからない人はおられるだろうな~と笑) ぽややん使いの私は、その概念の前に跪きたい心境となりました。
だから自分は先生の板画が好きなのか…、とあらためて感じた次第です。

それでは、次回は美術館の分館という位置づけでもある、棟方志功記念館愛染苑あいぜんえんへまいりますぞ!先にもちらっと記載しましたが、二館を渡り歩くと割引になるのだ🪄🎊
よろしければまたお集まりいただけましたら、皆様をご案内いたします~🚩その時まで、あのへんの原っぱでお休みください。← ごきげんよう^^

※何か不注意等やらかしてましたら、やさしくご教示願えますと助かります

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