竹島水族館から

西尾市方面に車を走らせ

形原温泉へと続く坂道を

登っていくと

次第に見えてくる

満開のあじさい

山の斜面一体があじさいで

埋め尽くされ圧巻の景色

淡く萌える赤い花弁に

青く香る花々

小さな花弁にゆめうつつ

カメラを構えては

恋人同士で記念写真を

とったり家族で

今日という素晴らしい1日を

写真に収めようと言う

人たちの姿があじさいの

花々を隙間から垣間見える

賑やかな風景だ

六月の時期になると

あじさいの里への入り口には

満開のあじさいを

一目見ようと大勢の観光客で

ごった返している

車の長い行列は

もはや恒例の行事とでも

言うのだろう

駐車場が空くのを待ってる

間も路肩に咲くあじさいに

携帯カメラを向けては

ぱしゃりと撮影する人の

姿もあったり

運良く駐車場に車が

停められた人達は

身体を弾ませながら

あじさいの里へと

踏み込んでいく

楽しそうな笑顔が眩しい

あじさいの里に

一歩足を踏み込めば

視界全部が

色鮮やかなあじさいで

埋め尽くされる

圧倒的な色彩の洪水と

繊細なあじさいの花の作りと

感動的な風景

あじさいの花の向こうには

蒲郡の海が広がっているのが

見える

あぁなんて贅沢な

シチュエーション

陽光煌めく海を加えて

あじさいと最愛の妻と

一緒に記念写真を撮る事が

出来た男性は幸せそうに

はにかんでいた

斜面のあちこちに

咲き誇るあじさいを

ゆっくり見ながら

歩を進めていく

花を愛でる喜びに

気づけたのは

あじさいのおかげ

かもしれない

小さな虫も我々人間も

あじさいの花の前では

すべからく等しい存在だ

互いに愛すべき存在の前では

優しい気持ちになれる

時折丘の中腹あたりから

あじさいの里いっぱいに

からんからんと

鐘の音が鳴り響く

人も花も虫も賑やかな

あじさいの里

六月になるとこの場所には

幸せが咲き乱れる

贅沢な風景に

カメラを用意して

来年も僕は訪れようと思う

浸り味わい

僕もまたあじさいの魅力に

取り憑かれた生き物なのだ

青い花弁に心が揺れる

来年の六月が

今から心待ちどおしい